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011 冒険者との出会い

 ペットショップを後にして羊の化け物四体と草原を目指し、しばらく歩く。俺によって自分の子である卵を売り飛ばされ、その姿は丸まっている体のせいで余計に寂しそうに見える。


 逆に俺はその卵を一個五万Gペットショップで買い取ってもらって、懐はホクホクだ。当面の宿にも困らない。


 しかしこいつらはテイミングモンスターとしては弱すぎる。戦力外通告だ。金があるから昨日みたいに殺して肉にする必要はないし、羊に戻して草原に放すか。


 テイミングの状態から、普通の羊にするにはHPバーを黄色で能力永久無効化を実行して、赤色で強制レベルダウンを実行しよう。羊のレベルが高い状態で野放しにして誰かをケガさせないための配慮だ。


 草原にたどり着き、命令する。


「整列」


「「「「…メェ…」」」」

 全員卵を失った影響で元気がない。


「声が小さい!」


「「「「メェッ!」」」」


「よし!」


 万能バットを取り出す、それを見て震え上がる四体。



「まちなさい!!」


振り返るとそこには中学生くらいの女の子が二人と二十歳くらいの女性が一人、それに羊戦士と狼のような動物が一体ずつ連れている。


「何か用か?」


 と、聞き返すと、中学生くらいの女の子の1人が命令してきた。


「その子たちを開放しなさい!」


 背にはコウモリの羽のようなものが生えているのでなんだろうと思い分析魔法で見る。


◇ ◇ ◇


冒険者…マリー 飛龍族(Lv30)


◇ ◇ ◇


俺は答える。


「今から解放するよ」


 もう1人の中学生が指摘してくる。


「嘘、そのバット何?」


頭の上には獣人の耳が生えている。


◇ ◇ ◇


冒険者…桜 獣人猫族(Lv30)


◇ ◇ ◇


 しゃべるなら語尾をしっかりつけること、それに”てにをは”を入れろ。言葉足らずでかわいいと思っているのなら大間違いだ!社会に出てコミュニケーションに困るぞ。最終的にニートだった俺が言うのもなんだけどな……。


 二十歳くらいの女性は見たことあるぞ、町でから揚げ売っていた人だ…。


「あ、あなたは昨日から揚げを1個だけしか買わなかった人!」


 いやいやいや、今朝もお弁当を買わせていただきましたよ。

◇ ◇ ◇


冒険者…楓 人族 回復魔法師(Lv20)


◇ ◇ ◇


「あなたには、昨日この付近の牧場でメェメェ自警団の羊さんをさらった容疑がかけられて、クエストで指名手配されているわ」


 羊に「さん」を付けるな。


「クエストってなんだ?」


 ご丁寧に楓はクエスト票を提示してくれた。俺は凝視するとしっかり細かい文字まで読めた。


□ □ □ □ 


クエスト「消えた羊さんを追え!」 難易度・・・D


大変!牧場に住んでいるメェメェ自警団のヨウちゃんが何者かにさらわれちゃったよ!


ヨウちゃんの大の仲良し、牧場のチカちゃんから男の特徴を聞いたよ。参考にしてね。


身長は百八十センチで中肉中背の男。武器は金属の棒を使うよ。催眠のような術を使って羊さんを連れて行ったそうだよ。その男を見つけて捕まえるか退治しよう!


さあ、みんなで羊さんを助けてあげてね。


□ □ □ □ 



クエスト票の最後に昨日お肉と化した、羊戦士とその隣には牧場の少女が笑顔でピースサインをしている写真が掲載されていた。…写真いるのこれ?


これだと四体も連れている俺は確かに容疑者に疑われても仕方がない。しかしクエスト票の危機感の全くないほのぼのした感じは一体なんなのだろうか…。ゲーム感が漂う。


「で、どうするんだ?」


「あなたをギルドへ連行します。おとなしく捕まるのであれば、乱暴はしないわ」


「従えないな」


「ふん、しょうがないわね、力ずくで連れってってやるわ。クエストは難易度Dだし、いっちょやるか。作戦通りにね」


「「うん」」


 こいつら本当にゲーム感覚だな。とりあえず全員奴隷化して実験台になってもらう。


 最後は奴隷として売って大金ゲットだぜ!

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