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010 信頼関係

 店員に羊戦士を引き取ってもらえるよう交渉する。

「ここまで大きいのは買い取りできませんね。もっと小さい子か、刷り込みができる卵の状態のじゃないとダメですよ」


「そこを何とか!」


「でも、こんなに泥だらけで汚いのはちょっと……」 


 ですよね。


「メェ……」

 心なしか羊戦士も落ち込んでいるようだ。


 卵か。昨日茹でちゃったな……。


 今日の羊戦士たちはアイテムボックスは持っていないから、卵は無いな。


「卵だったら一個いくら?」


「そうですね、五万Gが相場ですね」

 うわ~!しまった。もったいないことをしたな~。


「オスメス関係なく持っていますが、卵の状態は大変貴重で、なかなか手に入らないんですよね~」

 俺は興味本位で聞き返す。


「なんで?」


「自分の次の世代、いわば子を託すわけですから、最大の信頼の証といわれています。なので羊戦士から卵を受け取ることは大変栄誉あることなんですよ」


 へぇ~そういうものか…。でも昨日は出してきたな。そこまでの強制力があるのか、俺のテイミングは。試しに命令してみるか。


「卵を出せ」

「「「「メェェェェ…」」」」

 全羊戦士は涙目になりながらも、それぞれ五十センチ大の卵を床にゴロンと置いた。


「「ええーーーー!」」

 驚いた声に俺も含まれている。店員も驚いたが、俺も驚いた。なんでアイテムボックス持ってないのに、そんなにでかい物を出せたんだ?


「どこに隠してたんだよ」


「羊戦士たちは卵用のボックスをもっていて、そこに収納しているんですよ」


「へぇ~」


「……それにしても、お客さん何者なんです?普通こんな感じで卵は出してきませんよ」


「それだけ、信用されてるってことじゃないか?」


 数珠つなぎで連れてきておいて、よくもいけしゃあしゃあと言えたものだ。


 なんだかんだあったが、店員も商売なのか一つ五万G、合計二十万Gで買い取ってくれた。


「毎度あり~」


 店の外に出る。羊戦士たちは一様に肩を落とし、明らかにがっかりしているが、俺に襲いかかってきたお前らが悪い。


 また街の中をこの状態で歩くとロープで縛ってないにしても、注目を浴びそうだ。


 この後こいつらの処分に向けて、町の外の草原にむかうことにした。

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