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6-15 全員で最高(シラユキ)になりました!

6-15 全員で最高(シラユキ)になりました!


だが、クローディアが口にしたその何気ない一言が、高度な学習能力を持つ遙たちのシステムにとって、決定的なトリガー(命令)となってしまった。


「はい、マリー。それは容易に可能です」遙が静かに告げた、まさにその瞬間だった。


試験場に整列していたクローンたちの白い装甲が一斉に、眼を灼くほどの眩い光を放った。光の残滓が収まったとき、そこにあったはずの武骨な廉価版プロテクターの姿は、跡形もなく消え失せていた。


広大なラボを埋め尽くす全員が、純白の流麗にして最凶の装甲――神の戦乙女(ヴァルキリー)たる『シラユキ』の姿へと、一瞬にしてチェンジ(顕現)してしまったのだ。


国家を、大国を物理的に滅ぼしうる戦略超兵器が、今や256体。あまりにも人類の常識の枠を飛び越えすぎたその光景を目の当たりにして、クローディアとゆりは一瞬、完全に脳がフリーズした。そして次の瞬間、二人は同時に爆笑し始めた。


挿絵(By みてみん)


「あはは化ははは! これは傑作だ! もう偽装工作なんて止めて、このまま提出しちゃえばいいんじゃないかな! 本当にそう思えてくるよ!」純白の軍隊を前に、クローディアは涙を流してお腹を抱える。


「ふふふ……ええ、そうね。もうなんか、驚きの許容量を完全に超えちゃって、笑うしかないわ。んふふふふ……!」(私たち、一体何をしているんだろう……)他人に絶対にバレないように、世界を滅ぼせる『シラユキ』の機能を必死に削り、地道に、本当に泥臭く廉価版プロテクターを作ってデバッグを繰り返していたはずだったのだ。


それなのに、当の本人が「じゃあ全員で最強になりますね!」と、目の前でその努力を1ミリの悪気もなく全否定してきたのである。二人は完全に思考のヒューズが飛び、ただ笑うしかなかった。当の遙たちは、楽しそうに笑い転げる二人を見て、(何か論理エラー(間違い)を犯したのだろうか?)と不思議に思ったらしい。


純白の神聖な装甲を纏ったまま、256体全員が全く同じタイミング、同じ角度で「きょとん」と小首を傾げていた。ひとしきり笑って、ようやく落ち着きを取り戻したのか、クローディアは目元の涙を拭いながら遙を見上げた。


「いやぁ……遙は本当に面白いな。もう、最高だよ。ぷっ……」クローディアはまだ余韻が残っているのか、肩を揺らしてクスクスと笑い始める。


「あー、笑い疲れたわ。……でも、ダメよ遙。それじゃあ肝心の、人間用の『廉価版の評価試験』にならないじゃない」至極真っ当な、そしてあまりにも遅すぎた正論を、ゆりは苦笑しながら優しく告げるのだった。

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