6-14 アクティブ・アクティブの極致
6-14 アクティブ・アクティブの極致
「――待って、遙。あなた今、『すべてが私』って言ったわね? なら、さっきのホットスタンバイ(待機系)っていうサーバー理論は……」ゆりは言いかけて、すぐに自らの認識の誤りに気づき、言葉を取り下げた。
「はい、ゆり。おっしゃる通り、先ほどまで調整槽の中にいた段階では、私だけが活性化しているホットスタンバイ状態でした。しかし今、すべての私が外に出て、同時に稼働しています」遙は平然と言ってのけた。
それはすなわち、全個体が同時に主系として機能し、負荷を分散させながら超並列処理を行う『アクティブ・アクティブ』の極致。
「まさに……個は全であり、全は個、なのね」ゆりは完全に降参したと言わんばかりに、深く肩をすくめた。
もはや彼女たちに通信機による無線連絡など不要だった。連携という生温い言葉すら生易しい。
256体もの肉体が、一つの巨大な「神の意思」によって寸分の狂いもなく完全に同調して動いているのだ。
すべての個体がそれぞれの場所で、瞬時に戦況を感知し、情報を共有し、独自の最適解を導き出して実行に移すことができる。
もし、敵対勢力がこの軍団と正面衝突したならば、戦術を組み立てる隙すら与えられず、個々に分断されて一瞬ですり潰されるだろう。敵にとってみれば、これ以上の悪夢は存在しなかった。
(注意)画像はイメージです。
「ふふふ、素晴らしい! 指揮官も無線も不要な、文字通りの『無敵の軍団』じゃないか。
これで全員が最高スペックの『シラユキ』を顕現させたら、もうそれだけで世界がひっくり返るね!」クローディアはどこまでも楽しそうに、しかし冗談とも本気ともつかない不敵な笑みを浮かべるのだった。




