4-9 三つの撃破パターン(光の鞭と超空力機動)
4-9 三つの撃破パターン(光の鞭と超空力機動)
そうこうしているうちに、3つ同時のトリプル連続負荷試験が始まった。
今度は3基の巨大な鉄塊ハンマーが、寸分の狂いもなく同時に遥の頭上へと降りかかる。遥はその質量と軌道を瞬時に見切った次の瞬間、二人の視界から完全に「消えた」。
いや、視界から消えたのではない。遥自身が跳んだのだ。彼女はスーツのスラスターを爆発的に噴射させ、迫り来るハンマーの一基に対して自ら超高速で突撃を敢行。その絶対的な装甲フィールドで強引に鉄塊を破砕し、虚空へと消滅させた。それを目の当たりにしたクローディアが歓声をあげる。
「跳んだだと!? おまけに、そのまま自分から体当たりしたのかい!? なんて君は面白すぎるんだ!」さらに遥は、空中で重力を完全に相殺したままピタッと姿勢を維持し、右手をすっと突き出した。
彼女の指先が示す先には、飛行していた14個のパーツが一列の直列へと整然に整列する。遥がその右手を、残る二基のうちの一つのハンマーに向けて振り下ろす。
直列に並んでいた各パーツは、青白い電磁プラズマの光で数珠繋ぎになり、まるで一本の巨大な「光の鞭」のようにしなってハンマーへ猛烈に巻き付いた。そして、限界まで締め上げた刹那、内側からの圧力でハンマーをミクロの破片へと破砕し、一瞬で消滅させた。
最後の一基に対し、遥は空中を滑るように滑らかに接近し、その左手をそっとハンマーの側面へと添える。次の瞬間、触れられた鉄塊は激しい衝撃音すら立てず、粉々に砕け散ってそのまま空気中へと溶けるように消えていった。
「仮想敵対勢力の排除、完了しました。まだ続けますか? マリ」遥は空中から羽毛のように静かに舞い降り、何事もなかったかのようにクローディアへ問いかけるのだった。




