14-24 『夜を徹する開拓、計画の前倒し』
14-24 『夜を徹する開拓、計画の前倒し』
日暮れを迎える頃には、目的の平原まで完璧な道路が敷設されていた。
伐採班が切り開いた通路。
道路敷設班が整備した真新しい舗装路。
ライフライン設置班が完成させた共同溝と送電設備。
朝まではただの鬱蒼とした山林だった場所に、立派な一本の道路が真っ直ぐに伸びていた。
「たった一日で、ここまで出来るのか……」
目の前に広がる光景に、隊員たちは思わず息を呑むのであった。
計画を大幅に上回る早さで平原へと到達した部隊だが、しかし、作業が止まることは無かった。
無数の投光器が設置され、大型発電機が重低音を響かせて始動する。
「各班、これより夜間作業へ移行! 作業を継続する。班員は順次交代の準備を行え。CWのバッテリー交換作業も同時に進めておくんだ」
大隊長の鋭い指示が飛ぶ。
実際の災害現場の復旧に、昼も夜も関係ない。
CW部隊はまばゆい照明に照らされながら、なおも開拓を続けていく。
「投光器、準備よし!」
「平原とはいえ、周辺には崖もある。作業に当たる際は滑落に十分注意しろ!」
「大隊長、拠点車両は敷設し終えた道路の方へ前進・移動させても構わないでしょうか?」
「そうだな。最初の地点からは随分と離れてしまったし、完全に夜になってからでは拠点の移動も困難になる。日が出ている今のうちに前線へ進めておく方が賢明だろう。よし、後方で待機している車両群をこちらまで移動させろ」
「それにしても大隊長。本来の計画では、明日の朝までに平原へ到達する予定でしたよね?」
「そうだ」
「……既に到達してしまっていますが」
「そうだな……大幅な計画の見直しが必要になるか。まぁ、これはこれで面白いことになってきたじゃないか。上の連中の度肝を抜くには十分すぎる成果だ。ふふっ」
「はい?」
「いや、独り言だ。計画はすべて前倒しで進める。後続の部隊にすぐ連絡しろ。基地の建設にあたる建材も、予定より早く必要になる」
「はっ、承知しました! 直ちに後続部隊へ出動要請を掛けます」
「……CWの評価は、根底から改めなければならんな」
大隊長であるこの男は、自分たちの手で成し遂げつつあるこの怒涛の快進撃に、大人げなく心躍るような熱い興奮を覚えていた。




