14-21 『巨人の開拓、アームリンクシステムの真価』
14-21 『巨人の開拓、アームリンクシステムの真価』
CWがそれぞれ巨大なシャベルやつるはしを構え、山へと入っていく。
一見すると、巨大ロボットが工事用具を持って歩いているというシュール極まりない状況が展開されていた。
だが、それを操る隊員たちは至って真剣に任務に取り組んでいる。
従来、立木を撤去する際には、人間がチェーンソーで木を伐採し、残った根をショベルカーで掘り起こして運搬する必要があった。
さらに、根を抜いた後にできる巨大な穴を埋め、地面を平らにならすという非常に手間のかかる工程が必須となる。
しかし、CWにかかればその一連の作業が容易にこなせてしまう。
力任せに木を根ごと引っこ抜き、CW専用の巨大な鉈で枝を瞬時に剪定し、CW専用のシャベルで穴を埋める。
まさに一機で八面六臂の大活躍である。しかもそれらの工程を信じられないほどの高速で処理していくため、従来の工事現場を知っている隊員たちは、その規格外の結果に驚きを隠せなかった。
CWの操作システムには、通常の操縦とは別に、精密動作を行うためのアーム専用操縦デバイスが存在した。
それはコクピットの後方に格納されており、使用時に前へと引き出して使う仕組みだ。
形状は両腕にはめるようにできており、指先から肘までを覆う金属製の手袋のようになっている。
この手袋をはめた状態で『アームリンクシステム』を起動することで、操縦者の両腕の動きをそのまま機体にトレースさせ、驚くほどの精密動作が行えるのだ。災害現場などでの繊細な瓦礫撤去を想定して作られたこの機構は、開発者たちの「現場復旧用機体」としての強い信念が窺える仕組みでもあった。
「この手袋つけて操作する感覚、すごいな。自分の腕で直接操作しているみたいだ」
そう言いながら、隊員はCWが鉈を持った腕を自分の腕のように動かし、木を剪定して運搬しやすいサイズへと切り分けていく。
太い根っこも切断してバラバラにしているその姿は、巨大な鋼鉄の人間が直接作業を行っているかのようだった。
また、木を解体している機体のすぐ後ろでは、別のCWが木を抜いた穴を埋め、見事な手際で地面をならしている。
それらを淡々と機械的にこなしている隊員たちは――。
「おい、もう二十本終わったぞ」
「冗談だろ……。通常の重機班なら、まだ一本目の根を掘り起こしている頃だぞ」
自らの手で現場にもたらしたその圧倒的な実績に、彼ら自身が一番驚愕するのであった。




