14-20 『未知なる開拓、部隊の決意』
14-20 『未知なる開拓、部隊の決意』
部隊の全車両が到着し、簡易ベースが建築される。
「ブリーフィングを開始する。全員傾聴せよ」
「これより、ヒトサンマルマル(13:00)より作戦を開始する。目的地はここから2キロ先にある開けた平原だ。そこに基地を設置するのが今回の目的だ。訓練とは言え、新規配備される機体の試験運用も兼ねている。今回の訓練は、従来の訓練とは勝手が違うはずだ」
「まず第一段階として、目的の場所までの道路の敷設およびライフラインの設置を行う。第二段階として、後続で来る後方部隊より資材を受領し、基地の建築にあたる。なお、実際の災害現場を想定して行うため、昼夜連続での作戦遂行となる。各員のシフトを確認しておくように。では、作戦遂行の為心して掛かれ。以上」
ブリーフィング終了後、隊員たちは自分の割り当てられた仕事に従事するべく、現場へと散っていく。
機体の整備を行う者。
機体に乗り込んで運用する者。
機体運用に必須のバッテリーを準備する者。
オプションとして用意された機材を開封し、展開するべく準備する者。
簡易ベースの環境を整えるため、各現場の状況を確認し記録していく者。
当然、隊員たちの食事や休憩場所を用意する者。
それぞれが、自分が果たすべき仕事へと速やかに取り掛かっていく。
一方で、ブリーフィング現場に残る隊員たちの姿もあった。大隊長と各班の小隊長である。
作戦遂行のために、今後の活動を確認するべく打ち合わせを行うのだ。
現場では下の隊員たちが慌ただしく動き回る中、指揮官たちは地図を囲んで次の工程を確認している。
「集まったな。では、作戦にあたり役割と分担を詰めていくとしようか」
大隊長の元に集まった小隊長の面々も、簡易テーブルに広げられた地図を確認する。
「たった2キロと言うが、この先には何もない。つまり、開墾から道路敷設を行う必要があるわけだ。言うのは容易いが、実際は高低差もある。なめて掛かると痛い目を見るだろう。また、今回は重機ではなく……あれらを使う」
そう言って大隊長は、整列した30機のCWを見上げた。
重機とも兵器とも違う、異様な光景。
それらが本当にこの山を切り開けるのか。その答えを知る者は、まだ誰もいなかった。
「正直言って、私もこの作戦がどうなるのか見込みが立たないのだが。上からの命令なら仕方がない。我々は言われた通り、やるべきことをやるわけだ」
そう言って大隊長は小隊長の面々を見回す。
「そうですよね。この基地建設って、戦略的な意味は無いんですよね?」
「それを言ったら本末転倒な気がするが」
「重機も無いのに、あれで本当に出来るとおもってますか?」
小隊長たちも、この作戦(CWの有用性)の意味に疑問を持っているようである。
場が混沌としだしたので、大隊長が空気を変えるべく仕切りなおす。
「まぁ、今回はあれらの『評価試験』が目的だ。やるからには、上の連中の度肝を抜いてやろうじゃないか」
そう言って大隊長が不敵に笑うと、小隊長たちもハッとして態度をあらためる。
「そうですね。やるからには徹底的に……ですよね」
「時短でクリアしてやりましょう」
「まぁ、出来る限りの事はしますけどね」
それぞれが頼もしい返答をするのであった。
大隊長が部隊の役割分担を説明する。
「第一小隊は道路敷設、第二小隊は伐採、第三小隊はライフライン設置。各隊は、手が空いたところから他の部隊の手数に回れ」
「「「了解しました」」」




