14-15 『新幹線の疾走、そしてクロサギの限界』
14-15 『新幹線の疾走、そしてクロサギの限界』
「レベル5に上げろ……」
「お言葉ですが、これ以上上げるのは危険です。どう見ても異常な状況と言えます。今でも死人が出てもおかしくない状況です」
「聞こえなかったか? レベル5に上げろ」
「はっ……レベル5に上げるよう伝えます……」
オーバルトラックを走っている2人に、無情な命令が通達される。それは「レベル5へと出力を上げろ」というものだった。
「……俺、明日は……好きなラーメン屋に行って、マシマシを喰うわ」
「ははっ……明日が……あれば良いんだがな……」
2人が命令通り、レベル5へと切り替える。
オーバルトラックに、異様な緊張が走った。
しかし、それは事前に予測されていた通りであると同時に、人知を超えた想像を絶する状況でもあった。
オーバルトラックを疾走するその速度は、なんと時速300キロ。
時速300キロといえば、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが日本の新幹線である。
特に東海道・山陽新幹線の「のぞみ」や、東北新幹線の「はやぶさ」(最高時速320キロ)などの領域だ。
さらにそれは、大型旅客機(ボーイング777など)が滑走路から飛び立つ瞬間の離陸速度(約300キロ)に匹敵し、
F1マシンがストレートを駆け抜ける速度や一部の高級スーパーカーの最高速度すらも凌駕する速度であった。
その狂気の速度を目の当たりにした試験官たちは、ただ絶句するしかなかった。
「この状況でも、転倒すらしないのか……!? 一いったいどうなっているんだ? 速度は? 速度はどれくらい出ているんだ!?」
「はっ……! 現在、時速300キロを確認しました!」
「……っ」
「……300?」
「はい」
「新幹線並みの速度……が出ているというのか……」
シラサギの驚異的な性能は、まだその総性能の「50%」を解放したに過ぎなかった。
ちなみに、クロサギの性能は、ここで上限を迎えることとなる。




