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14-10 『突入、過剰すぎる戦力』

14-10 『突入、過剰すぎる戦力』



サギの試験は、他の二社とは異なり、より汎用性の高い実戦形式の試験が用意されていた。

これは、大型の人型兵器ではなく、人間が直接着込む強化装甲服という形状から考慮されたものだ。


廃ビルにテロリストが要人を人質にとって立てこもったという想定で、人質の救出とテロリストの無力化をスムーズに行えるかを評価する。

条件として、今回は「リミッターの解放を行っても良い」とのことだった。

武器に関しては、対アノマリー用に開発された凶悪な武装を使用するわけにいかないため、今回は銃器などの武器を使用せず、徒手空拳(無手)で行うことになっている。


もっとも、サギを纏った人間に相手が遅れを取るはずもないという、開発・試験側からの絶対的な判断でもあった。

相手役を務めるテロリストの想定人数は10人、人質は3人である。


挿絵(By みてみん)


その防衛体制の内訳例は以下の通りだ。

入口警備:2名

階段・通路警戒:3名

人質監視:3名

予備戦力:2名


「これ、たった二人でやるのか?」


「みたいだな。いや、上層部からは『過剰戦力だ』とすら言われてるらしいぞ。ぶっちゃけ一人でも余裕らしい」


「お前、一人で行ってくるか? 俺はここでコーヒーでも飲んで見てるからさ」


「馬鹿なこと言ってないで、さっさと作戦を始めようぜ」


しかし、彼らが交わしていたそんな冗談めいた会話は、文字通りの意味で「戦いにならない」という圧倒的な現実によって証明されることとなる。


挿絵(By みてみん)


「よし、俺は左側を担当する」


「じゃあ、右は俺が片付けるわ」


二人は息を合わせ、同時に突入を開始した――。


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