14-8 『諸刃の剣、その真価』
14-8 『諸刃の剣、その真価』
第二試験班(神原重工製フォトンアーマー)
フォトンアーマーは基本性能試験において、三社の中で最も高い性能を発揮した機体と評価された。
その圧倒的な出力と機動性は試験官たちに強い印象を残した一方で、搭乗者の消耗も著しく大きいことが判明している。
試験終了後の生体データ分析においても、疲労度は他機体を大きく上回っていた。
この機体は強大な力を持つが、その代償もまた大きい。
試験官たちはフォトンアーマーを「刃の鎧」、あるいは「諸刃の剣」と評した。
そのため、二日目の試験内容は長時間の運用ではなく、一定時間内にどれだけの目標を破壊できるかを測定する試験へと変更されたのである。
「しかし奇妙な形のロボットだよな。昨日の試験したやつらは試験終了後かなり憔悴した状態だったというじゃないか」
「だよな。噂ではかなり機動性は良いらしいぞ。あと頭痛と酔うそうだ。そう聞くとちょっと引くよな」
「まぁ、それも試験の内だ。やるしかないだろう」
「だな。やるか……」
試験場には模擬アノマリーや障害物、破壊目標が多数配置された。
制限時間内に発見、接近、撃破を繰り返し、その戦果を競うのである。
開始の合図と同時に、フォトンアーマーは凄まじい速度で駆け出した。
まるで獲物を見つけた猛獣のように次々と目標へ襲い掛かり、破壊していく。
「こ、これは、凄まじい反応速度だな。処理が追いつかないぞ」
「へへ、これある意味罰ゲームにいいじゃないか? どうだ、負けた方がもう一回こいつに乗るっていうのは」
「言ってろ。だが俺が勝つ」
「負けはしないぜ」
搭乗者への負担を度外視すれば、その殲滅速度は他の追随を許さなかった。
試験官たちはその戦果に驚嘆しながらも、同時にある懸念を抱く。
「確かに強い。だが、この力を兵士がどこまで扱えるのか」
それこそがフォトンアーマー最大の課題であった。




