13B-41 『ディメンジョン・ディバイド・ドライバー』
13B-41 『ディメンジョン・ディバイド・ドライバー』
「……!? え? えぇぇぇ……なんだって?」
その瞬間、四人の頭の中には、まったく同じ戸惑いの言葉が浮かんでいたことだろう。
あまりの情報量。
あまりの驚愕の事実。
どれをとっても聞き捨てならない内容ばかりである。
「ま、待て。まず君は、マリとゆりの『娘』だと? 遥? え?」
総一郎は、突然増えた家系図のバグに頭を抱えて混乱していた。
「各省庁のデータベースをハッキングしただと!? おまけに秘密裏に地下施設を建造したと!?」
宗次郎は、実務のトップとして国家規模の犯罪的隠蔽工作をあっさり告げられ、言葉を失っていた。
「爆発……? 瀕死……!? えぇっ!?」
紫苑は、医者として絶対に聞き流せない『死』の単語に顔面を蒼白にしている。
「ナノマシン? 何それ。それで、私もその綺麗なの着れるの?」
ただ一人、唯だけが純粋な欲望(コスプレ願望)に忠実だった。
情報を頭の中で反芻し、ようやくその意味を理解した大人三人が、たまらず同時に叫び声を上げる。
「「「いやいや、ツッコミどころだらけだろう(でしょうが)!!」」」
「ん?」
唯だけが、一人きょとんと首を傾げていた。
「まぁ、そんな事は些細な事なんだよ。それより、アレをどうにかしないとな……」
四人の(主に三人の)必死のツッコミを、クローディアは「些細な事」とバッサリ切り捨て、視線を再び狂った次元の割れ目へと向けた。
「遥、何かいい案はないのかな?」
困った時の遥頼み。どこかの未来の青いネコ型ロボットのごとく、最高に万能なアシスタントへ解決策を丸投げする。
「マリ、根本的な解決案になるかは分かりませんが、一つ試してみたい事があります」
遥はそう言って、クローディアに向き直った。
「ほう。それはどういう方法なんだい?」
クローディアは興味深そうに目を細める。
「私がこの世界へ来る際に使用した『D3』を使用してみましょう」
「D3? それは、次元を渡るための何か特別な装置なのか?」
さすがは天才クローディアである。
遥が「ここに来た」という単語だけで、それが次元渡航装置であることを即座に推測してみせた。
「はい、マリ。正式名称は『ディメンジョンディバイドドライバー』。向こうのゆりの命名で、頭文字を取って『D3』と呼称されていました」
「な、なんだってー!? すでに向こうの世界の私は、次元渡航技術を確立していたと言うのか……!」
「マリ、厳密には少し違います。あれは技術というより……あの割れ目に対し、装置を用いて『強引に物理で潜り込む』という力技の手法でした」
遥は、向こう側のクローディアが立案したあまりにも無茶苦茶な作戦を、淡々と補足する。
「当然、元の世界へ帰れる保証など何処にもありませんでしたし、生存できるかどうかも未知数でした。ゆえに、本体ではなく『分体』である私が、次元の割れ目に突っ込むという特攻作戦だったのです」




