↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
243/378

13B-30 『白と黒の蹂躙』

13B-30 『白と黒の蹂躙』



「遥、周囲の封鎖を頼む。万が一、取材や野次馬が入り込んでいたら早々にお引き取り願おう。まぁ、ここは私有地だから、そう簡単に入り込める場所でもないがね」


クローディアは遥に、不法侵入者がいないかの確認と現場の封鎖を指示する。

続けて、彼女は獰猛な笑みを浮かべたまま告げた。


「もう一つ。アノマリーは絶対ここから逃がすな。――あれは、私の獲物だ」


「はい、マリ。お任せください。獲物はすべてマリのものです。一体たりとも逃しはしません」


遥も「ふんす」と鼻息を荒くし、謎の意気込みを見せる。

クローディアの命令を受け、遥たちはただちに分散して包囲網の形成に入る。

もちろん、クローディアの護衛として付き従う遥たちもいる。


「さあ、パーティーの始まりだ。招かれざる客に、たっぷりと礼をしてやろうじゃないか」


クローディアは大地を蹴り、アノマリーの群れへと向かって駆け出した。

瓦礫の山まで直線距離にして300メートル。その間には森が広がっていたが、クローディアは文字通り「直線」を突っ切った。


立ち塞がる樹木にぶち当たろうが、一切構わず突き進む。『シラユキ』の圧倒的なパワーで体当たりされた木々は、瞬く間にへし折られ、粉々に砕け散っていく。


彼女が駆け抜けた後には、まるで巨大で獰猛な獣が暴れ狂ったかのような真新しい「道」が出来上がっていた。

ゆりと遥たちがその後を追う。


「もう……マリは相変わらず無茶苦茶ね」


イノシシもかくやという猪突猛進ぶりを後ろから見つめ、ゆりは呆れたように苦笑する。


「当たり前だ! 私の研究を潰したばかりか、結果的に私とゆりを一度殺したんだ。もはや何があろうと絶対に許さない!」


普段はおちゃらけているクローディアだが、今回ばかりは腹の底から激怒していた。まさにマジ切れ五秒前、いや既にマジ切れ状態である。

そして、二つの集団はついに邂逅した。純白の装甲と、漆黒の異形。

まさに白と黒の二色が激突する異様な舞台。


「ほう、これがアノマリーか。なるほど……よく分からん」


そう言い放った瞬間、クローディアの右手はすでに最前列のアノマリーの頭部を鷲掴みにし、軽々と宙に吊り上げていた。

アノマリーにしてみれば、突然現れた「餌」に頭を掴まれ、持ち上げられたのだ。

知能があるのなら混乱の極みだっただろう。


「まぁ、潰すがな」


冷酷な宣告と共に、クローディアは右手に力を込め、アノマリーの頭部をあっけなく握り潰した。


「――!!!!」


頭のような部位を失ったアノマリーは、地面に転がって激しくのたうち回る。

それと同時に、周囲のアノマリーたちが一斉にビクンと身体を跳ねさせ、敵意を剥き出しにして一斉にクローディアへと襲い掛かった。


しかし、群れが彼女に届くことはない。

クローディアに飛びかかろうとしたアノマリーたちの前に、幾人もの遥が瞬時に立ち塞がった。

ある個体は強烈な蹴りを浴びてアノマリーの山へと吹き飛び、ある個体は腕で無造作に叩き落とされ、次々とアノマリーの山へ放り込まれていく。

クローディアの周囲には鉄壁の防陣が敷かれ、異形どもは彼女に指一本近づくことすら許されなかった。


勘違いしてはいけない。

これは「戦闘」などではない。

圧倒的な暴力による、ただの『蹂躙』である。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。