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13B-18 『超越する肉体と意思』

13B-18 『超越する肉体と意思』



「さらに、HIMATと完全に融合したマリとゆりは、今の私と同様のことができるようになっています。当然、戦闘形態である『シラユキ』も装備可能です。……そういえば、向こうの世界のマリは『シラユキは私専用の装備だから、他の誰にも扱えない』なんて自慢げに言ってましたね」


遥は元の世界のマリを思い出したのか、どこか懐かしむような柔らかな表情を浮かべて語る。


「HIMATのデータベースに記録されているあらゆる装備や物体を、自在に生成し再現することができます。ただし、一つだけ注意が必要です。生成自体は可能ですが、それに伴う質量は『あなた方自身の身体』から直接消費されます。つまり、考えなしに生成し続けると自身の質量が失われ、活動限界を迎えて行動不能に陥ってしまいます」


二人が真剣に聞き入る中、遥は対策を続ける。


「そういう時は、周囲にある物質を何でも構いませんので分解し、吸収してください。HIMATに物質(質量)が供給されれば、すぐに活動を再開できるようになります。なお、これらのシステムや操作に関する内容は、すべてお二人のHIMAT内に記録されています。不明な点は私に聞いていただいても構いませんし、ご自身の中で自問自答していただくことも可能です」


遥が言っているのは、つまり「頭の中に検索プロンプトがある」ということだ。

分かりやすく言えば、脳内に検索機能が直接埋め込まれており、知りたいワードを念じれば瞬時にデータベースから答えが弾き出されるようなものである。

この遥の淡々とした説明は、二人が『完全に人間を辞めている』という事実を容赦なく裏付けていた。


「また、マリもゆりも、すでに私のネットワークに参加できる状態になっています。つまり、頭の中で念じるだけで、HIMATを宿す者同士で直接意思を伝達することが可能となりました。試しに、私へ何か伝えてみてください」


遥はそう言って、二人に念話のテストを促した。


(遥、私だよ。さっきの朝ご飯、すごくおいしかったよ。またお願いしたいな)


クローディアが、頭の中で遥に向けて意思を飛ばす。


(はい。今後は私が専属で作りますので、安心してお任せください)


(あーあー、テスト中。私はゆりです。遥、ちゃんと聞こえているかしら?)

ゆりも同じように、遥へ向けて言葉を念じる。


(はい、ゆりの声もばっちりクリアに聞こえていますよ)


「このように、わざわざ口に出さなくても思考だけで意思の疎通が可能です。当然、マリとゆりの間でも可能ですよ。試しにお二人でやってみてください」


(ゆり、聞こえるかな? 私だよ)


(ええ、はっきり聞こえているわよ。……これ、本当に凄い機能ね)


脳内に直接響くお互いの声。二人は顔を見合わせ、人間を超越した自らの劇的な変化に改めて感嘆の息を漏らすのだった。


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