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12-8 合体! 高機動形態(バーサーカーモード)

12-8 合体! 高機動形態(バーサーカーモード)



『はい、マリ。これより第二段階テストを開始します』

遥はマリからの指示に短く了解の意を示すと、バイザー側面のタッチパネルを滑らかに操作した。


「――メガブースター、支援要請」

遥が低く呟くと同時に、バイザーのHUD上に全自動支援機のドッキングシーケンスが鮮烈に展開される。


次の瞬間、遠く離れた基地格納庫から全自動で緊急発進した大型推進ユニット「メガブースター」が、音速に近い爆音とともに大空を切り裂いて飛来。遥が駆るオルトロスの真後方へ、寸分の狂いもなくピタリと追従した。


オルトロスの後部装甲に隙間なく折りたたまれていた4枚の可変翼が、上下左右へとダイナミックに展開。続いてテールランプユニットが滑らかに上方へスライドし、内部に格納されていた強固な接続用ハードポイントが牙を剥くように露出する。


ふたつの機体が鮮烈な赤色誘導レーザーで結ばれ、衝撃音とともにガチリと後部へ剛性接続された。

遥のバイザーには、目まぐるしい速度で同期データが駆け抜けていく。



==================================================

Unit: Orthros

External mechanism: Detected.

Establishing link... COMPLETE

Syncing power grid... 100%

Running full-system scan...

Status: Nominal.

Booting core system... ONLINE.

==================================================



(オルトロス:外部機構検出/接続確立/電力網同期/全系統スキャン正常/コアシステム起動完了)

オルトロスとメガブースターの完全接続を確認した遥は、迷いなく次の合体コマンドを入力した。

「システム――高機動形態(バーサーカーモード)へ移行」



>> transform from cruise mode to high-mobility mode

(巡航形態から高機動形態へ変形)



後部に接続されたメガブースターが瞬時に複数ユニットへ分離し、オルトロスの車体各部へ吸い付くような自動ラッチ機能で重装甲のように合体していく。

全身にブースターパーツを纏った変形の完了を確認するや否や、遥はスロットルを迷いなく全開に叩き込んだ。


キィィィン――ズドンッ!!

強大なスラスター噴射が地表を吹き飛ばし、オルトロスは大空へと一気に羽ばたいた。

オーバルコースの上空へ躍り出たオルトロスは、高度を一定に保ったまま急旋回を開始。デジタルスピードメーターの数値は一瞬でマッハ1(約1,225km/h)の大台を軽々と叩き出した。

最高速度に達しても一切減速することなく、空中で急激な縦回転(ループ)を繰り返し、まるで宙返りコースターのような恐ろしい高G機動を披露する。


果ては機首を垂直真下へ向け、地面すれすれの極低空まで急降下(ダイブ)してコースを高速擦過。もはや二輪車の走行試験などという生易しいものではなく、前章で行った最新鋭戦闘機の飛行試験そのものの光景であった。


一通りの空中機動性能とフレーム耐久度を確認した遥は、機体を安定姿勢へと戻しながら解除指示を出す。


「システム――高機動形態から巡航形態へ復帰」



>> transform from high-mobility mode to cruise mode

(高機動形態から巡航形態へ変形)



オルトロスの車体各部に装着されていたメガブースターのパーツが一斉にパージされ、機体後方で互いの磁力によって引き寄せられると、瞬時にひとつのブースター形態へと再構成された。


メガブースターを後部に接続した状態のまま、オルトロスは滑らかにテストコースの舗装路面へとタッチダウン。左右に大きく展開していた4枚の可変翼が静かに折りたたまれ、車体内部へと美しく格納されていく。

完全な着陸と形態復帰を確認した遥は、滑走しながら冷静にインカムを開いた。


『マリ、変形および高空飛行試験、すべての行程を問題なく完了しました』

スピードを滑らかに落としながら、遥は何事もなかったかのように淡々と成果を報告するのだった。

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