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11-15 【文句なしの合格点】熱歪みも摩耗もクリア! 『フライヤー二型』の信頼性が完全に証明される

11-15 【文句なしの合格点】熱歪みも摩耗もクリア! 『フライヤー二型』の信頼性が完全に証明される



一方その頃、遥からフライヤー二型を回収したクローディア(マリ)は、地下の研究所で真面目にログの採取と分析を行っていた。


「ふむ、最初に懸念していた可動部の摩耗も、これといって破損や異常は見当たらないね。改良後の機体の動きも断然よくなっている。うん、文句なしの出来栄えじゃないかな」


出力されたデータ画面をしげしげと眺めながら、マリは機嫌よく満足げな笑みを浮かべる。

程なくして、過酷な最高速度試験を何事もなく優雅に終了させたゆりと遥も、地下の研究室へと戻ってきた。


「マリ、最高速度試験も特にトラブルなく無事に終了したわよ。そちらの機体とログの確認はどうだったのかしら」

そう言って、ゆりが研究室の扉をくぐって足を踏み入れる。


「やぁ、ゆり、お疲れ様。回収したフライヤー二型のログ解析も、特に致命的な問題は検出されなかったよ。念のため、ゆりの方でもあとでざっと目を通しておいてほしいかな……って、まあ、二人ともその晴れやかな顔をしているところを見ると、『聞くまでもなかった』みたいだね」


マリは管制室から戻ってきた二人の余裕のある様子を一目見るなり、にっと悪戯っぽく口の端を持ち上げてみせた。

やがて二人は、最高速度試験をくぐり抜けてきた2機目のフライヤーから最新のログデータを取り込み、並んで本格的な解析作業を始める。


「こちらも、フレームの負荷や熱歪みのデータを見る限りは特に問題なさそうだね。ゆりの厳しい目から見ても、これなら合格点を出せるんじゃないかな?」

マリは隣のモニターを覗き込みながら、手際よく端末を操作しているゆりへと問いかけた。


「ええ、そうね。1回目の変則的な飛行試験も、今回の最高速度試験も、どちらも順調そのものだわ。これで機体の信頼性は十分に証明されたと言っていいでしょう。――残るは、耐久性を確実にするための数こなしの評価試験のみね。この良好なデータを一気に機体制御プログラムへ反映させて、いよいよ本格的な量産体制に入りましょうか。もちろん、そのあとの実証テストや運用訓練も、引き続き遥に担当してもらうけれど」


そう言って、ゆりは手元の端末を素早く操作し、今回回収してきた貴重な飛行データの反映作業を手際よく進め出していく。


「ふむ……それなら、実戦データの収集という大義名分のもと、私もそろそろ現場に出て動かないといけないね!」


そう意気込んだマリは、なぜか急に上半身の服を脱ぎ捨てようと手をかける。だが、彼女のその突飛な奇行を完全に予知していたかのように、ゆりは一切の迷いを見せずスッと素早く手を伸ばすと、マリの腕をガシッと力強く掴み取った。


「マリ。変な気を起こさないの。ダメよ。あなたはこちらの安全な地下で、しっかりと機体のデータ収集と解析に専念してもらうんだから」

ゆりは、むんずと掴んだマリの腕を一切の容赦なく手前に引っ張り、有無を言わせずそのままデスクの椅子へと深く座らせる。


「そ、そんなぁ、そんなのあんまりだよゆり! 私だって自分の手で作った機体なのだから、一度くらい一緒に空を飛んで風を感じたい!」


「はいはい。あなたは以前のリフターの試験のときにも、さんざん好き勝手に飛び回ったでしょう。今回はおとなしく、地上で真面目にデータ分析に専念していなさい」


「ゆりの鬼! 悪魔! 冷酷非道! 私は大空のロマンを味わいたいのに……!」


マリは子供のようにふてくされながら、ゆりに対して盛大に悪態をつく。だが、冷徹なゆりの視線に負けて観念したように肩を落とすと、渋々といった様子で再び端末へと向き合い、ブツブツと文句をこぼしながらもデータの突合せ作業を再開するのであった。


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