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11-12 【3連続セット】『フライヤー二型』実証テスト! 遥の裁量によるアクロバットショー開幕

11-12 【3連続セット】『フライヤー二型』実証テスト! 遥の裁量によるアクロバットショー開幕



三度、屋外の試験場にアオサギの姿をした遥が静かに降り立っている。その背面には、綿密なブラッシュアップを重ねて完成した「フライヤー二型」が、重厚かつスマートに接続されていた。


「遥、毎度同じような内容で申し訳ないのだけど――。離陸後、適度な高度を取れたら水平飛行へ移行する。その後は5分ほど飛行し、同じ場所に着陸する。違うのはここから先ね。その後は『離陸、水平飛行、着陸』をあと2セットお願いするわね。まずはここまでを確実に遂行しましょうか。あと、いつも通り有事の際はシラユキで対処して頂戴」


ゆりは管制室のモニター越しに、試験場へと佇む遥に丁寧なトーンで指示を飛ばす。遥はその指令を聞き逃すまいと、ハキハキとした口調で復唱した。


「はい、ゆり。離陸後、水平飛行へ移行し5分間飛行したその後に着陸します。このセットを合計3回行いますね。了解しました」


「それでは遥、試験を始めて頂戴」


ゆりの冷静な開始の合図と共に、遥の機体が空気を震わせ、軽やかに大空へと舞い上がっていく。なお、今回の試験では、立体機動の軌道自体は遥の裁量に任せるという事前許可が与えられていた。

ある程度の安全高度まで一気に上昇すると、遥は水平飛行へとスムーズに移行し、風を切って大空を駆け抜け出す。


――そこから先は、前回をも遥かに凌駕する「遥アクロバティックショー」の盛大な幕開けであった。


きりもみ状態で背中から墜落しかけたかと思えば、地面すれすれの極限状態で鋭く機首を上げ、轟音と共に急上昇を見せる。さらに、体を真横に倒したまま空中で高速の横回転を繰り出し、周囲の空間を切り裂いていく。かと思えば、急上昇の勢いそのままにジェットコースターのように垂直の縦回転を描きながら突き進んでいく。

常人であれば、到底その凄まじいGと挙動に耐えられず、胃の中のものがすべて逆流してしまいそうな圧倒的な機動の連続だ。


規定の5分が経過すると、遥は一切の乱れもなく綺麗に地面へと降り立ち、静かに着陸を完了させる。そして指示通り間髪入れずに再離陸し、再びダイナミックな機動を見せつけながらアクロバティックショーを二度目のセットへと突入させるのであった。


「なんかさ……見ているこっちが画面越しに吐きそうな気分になってきたわ……。あんなに縦横無尽にぐるぐる回って、本当に目が回ったりしないのかしらね、あの子は」


「まぁ、遥だしねえ。以前なんて、危険なナノスラスター武器を背負って『楽しい』って心底満面の笑みで言っていた子なのだから、きっと本人は三半規管がどうかなる以前に、純粋に空の散歩を満喫しているだけなんだと思うよ」


次々と容赦なく繰り出される人間離れした立体機動の数々をモニター越しに眺めながら、二人は呆れと深い感心が入り混じった感想を、どこか軽妙に交わし合うのだった。


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