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11-10 【データ解析】HIMAT(自動修復)の盲点! 主翼基部とX字アームに残るリアルタイム修復痕

11-10 【データ解析】HIMAT(自動修復)の盲点! 主翼基部とX字アームに残るリアルタイム修復痕



アクロバティック飛行を難なくこなした遥は、きっかり5分経過すると、涼しい顔で試験場へと降りてきた。


「マリ、ゆり、試験は問題なく終了しました」

管制室でその声を聞き届けた二人は、それぞれのトーンで返答を返す。


「遥、お疲れ様! 見事なアクロバティック飛行だったよ」


「遥、お疲れ様。そのまま機体を収めて、地下へ戻って頂戴」


「はい、ゆり。分かりました」

指示を受けた遥は、フライヤーを綺麗に折り畳み、そのまま地下の研究施設へと戻っていった。


「さて、私たちも引き上げますか」


「そうね。まずは機体の状態確認から始めましょうか」

クローディア(マリ)とゆりも、足早に管制室を後にして地下の研究室へと向かった。

作業は、遥から回収したフライヤーのシステムおよび外観の状態確認から始まる。


「ふむ、見たところフレームの歪みもなさそうだし、特に問題なさそうだけど……」

マリは機体の外観をざっと眺めながら、暢気にそう呟いた。


「あら、マリ。忘れたの? 本機にはHIMATが搭載されているのよ。軽微な損傷や歪みなんて、システムが勝手に自動修復しちゃうんだから、外見だけで判断しても意味はないわ」


ゆりは手元の端末を素早く操作し、フライヤーの修復履歴から内部フレームのストレスデータを呼び出しつつ、外見だけで判断しようとするマリに冷静に釘を刺す。


「そうか、そうだったね! いやあ、優秀すぎてつい忘れちゃうよ。じゃあ、実際の内部の機体状態はどうなんだい?」


「今確認したところ……ふむ、主翼の基部とX字アームに、数か所のリアルタイム修復痕が入っているわね」


ゆりは操作していた端末の画面を大きく切り替え、モニターに機体の負荷マップを映し出した。

そのデータを見つめながら、二人は先ほどの遥の鮮烈な、そして暴れ馬のような飛行を思い返す。


「いきなり翼を畳んで、きりもみ状態で垂直落下してきたときは、流石に『何かシステムトラブルでも起きたのか!?』ってヒヤッとしたよ。でも、地面すれすれのギリギリで翼を展開して、そのまま地表を蹴るように急上昇していったからねぇ……」


「あれは私も、無線を握る手に思わず力が加わって少し焦ったわよ。ただ、遥本人からは無線で何の異変報告もなかったから、まあ『あの子なりのパフォーマンスの一種だろう』と思って見守っていたけれど……全く、心臓に悪いことこの上なかったわ」


あんな無茶な高機動、普通の人間がシラユキのバックアップなしで実行すれば、間違いなく凄まじいGで身体が潰れ、大怪我をするレベルだということに、二人は改めて冷や汗を滲ませる。


「そのあと、今度はキリモミ状態からグルグルと予測不能な横回転を始めるし、見ているこっちまで身体がウズウズしてきちゃったよ」


「あの子の行動は、普段あんなに冷静に行っているように見えて、実はなかなか大胆で無茶をするわよね。本人は心底楽しんでいるようだったけれど、見守るこっちの身にもなってほしいものだわ」


もっとも、当の遥はテスト終了後も終始ご機嫌で、空の散歩を心ゆくまで満喫していたようだった。


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