11-8 【改名】「リフター改」改め『フライヤー』! スタイリッシュな新型ユニット屋外テスト
11-8 【改名】「リフター改」改め『フライヤー』! スタイリッシュな新型ユニット屋外テスト
再び屋外の試験場には、アオサギの姿をした遥が静かに立っていた。
その背中には、「リフター改」改め「フライヤー」と命名された新型の小型飛行ユニットが、スマートに接続されている。
「もう改めて言うことでもないとは思うけれど。遥、それは一応試作機なの。理論上は完璧に飛ぶはずだけど、何かあればいつも通りシラユキで対処して頂戴ね」
相変わらず、有事の際はシラユキ任せというゆりの指示であった。
だが、「遥という存在自体が危険だから抹消しろ」とクローディア(マリ)に食ってかかっていた当時の殺伐とした様子と比べれば、彼女もまた今の遥を心から信頼していると言えた。
「ゆり、そこは訂正してほしい。一応飛ぶ、じゃなく『絶対に飛ぶ』の間違いだ。何という及び腰な言い草なんだい」
「マリ、あなた、前回もそんなこと言ってなかったかしら。そして、その結果どうなったのかしらね」
「うぐっ……! いや、今度こそは大丈夫だよ! はっはっはっ」
鋭すぎるツッコミを入れられたクローディア(マリ)は、そう言い捨てるやいなや、得意の下手な口笛を吹きながらすごすごと目をそらすのだった。
「マリの茶番はさておき。遥、試験を開始するわ。内容は前回と同じよ。まずは離陸して、周囲の障害物に干渉しない安全な高度を取って頂戴。高度を取れたら水平飛行に移行して、前回と同じく5分ほどで戻ってきて、同じ場所に着陸――これも前回と同様よ」
「はい、ゆり。分かりました。離陸後、水平飛行に移行。その後5分間飛行し、指定位置へ垂直着陸します」
淡々と復唱すると、遥は左右の操縦桿をしっかりと握り締め、慎重に垂直離陸のプロセスへと入った。
ゴト、と足元の空気が重々しく震え、新型フライヤーが軽やかに機体を宙へと浮かび上がらせる。
「ふむ、離陸の挙動は……問題なさそうね」
「当たり前だろう、私が設計したんだからね。ふっふっふっ」
遥が美しく、そして安定した挙動で離陸していく姿を見守りながら、ゆりの呟きにかぶせるように、マリはこれでもかとばかりに自信満々で胸を張るのであった。




