11-3 【屋外テスト開始】巨体「リフター改」が唸りを上げて大空へ! 完璧な垂直離陸
11-3 【屋外テスト開始】巨体「リフター改」が唸りを上げて大空へ! 完璧な垂直離陸
屋外試験場の中央には、アオサギの姿をした遥が静かに立っていた。
その背中には、軽自動車3台分にも及ぶ異様なほどの巨大機体――「リフト改」が重々しく装着されている。
「はい、それじゃあ遥。今からリフター改の試験を始めます。試験内容は、その場からの垂直上昇。周囲の障害物に干渉しない安全高度まで上がったら、水平飛行へと移行してください。そのまま5分ほど飛行を続けて戻ってきてもらい、最後は同じ場所に垂直着陸して終了としましょう」
「はい、ゆり。この場所から垂直離陸後、5分ほど飛行して再びここへ戻り、垂直着陸して終了ですね。了解しました」
「遥、分かっているとは思うけれど、それはあくまで試作機よ。理論上は完璧に飛ぶはずだけど、何が起こるか分からないわ。もし少しでも危険だと判断したら、すぐにリフター改をパージして、シラユキで対処しなさいね」
「いやいや、心外だなあ。私が設計したんだから、ちゃんと綺麗に飛ぶに決まってるじゃないか」
「はいはい、マリ。あなたはそう言って毎回トラブルを起こしているじゃない。遥が優秀だから大事故になっていないだけよ」
「うぐっ……そ、そんなこともあったような、なかったような……」
ゆりに核心を突かれ、クローディア(マリ)は下手な口笛を吹きながら慌てて視線をそらした。
「はい、ゆり。分かりました。何かあれば、シラユキで確実に対処します」
「ええ、よろしくね。――それでは、試験を開始してください」
ゆりは無線マイクを握りしめ、遥へと冷徹なまでの開始指示を出した。
指示を受けた遥は両脇の操縦桿を固く握り締め、慎重に機体を浮上させていく。
ズシン、と空気が揺らぎ、巨大なリフター改が唸りを上げて安定した挙動で目標高度まで到達した。遥はそのまま滑らかに、見事な手並みで水平飛行へと移行する。
一見すると、何の問題もない完璧なフライトの滑り出しだった。
――しかし、本当の試練と恐怖は、ここからだったのだ。




