11-2 【試作1号機】「機首のない戦闘機」!? 前衛的すぎるジェットユニット登場
11-2 【試作1号機】「機首のない戦闘機」!? 前衛的すぎるジェットユニット登場
「よし、出来たかな。ゆり、データ転送するね」
クローディア(マリ)は軽快に端末を操作し、ゆりの手元へとデータを送り込んだ。
画面に映し出されたのは、一言で言うなら「機首の無い戦闘機」だった。
背面のバックパックはリフターのパーツをそのまま流用し、その後部に大型の推進機を直付け。さらに翼を足して強引に機体を延長したような、極めて前衛的なシルエットをしている。翼の内部には、リフターで使われていたローターが4枚しっかりと内包されていた。
「……また一段と前衛的なデザインね」
(これ、実際に作ったらどれくらいの大きさになるんだろう……)
画面を見つめながら心の中でそう呟き、ゆりは気を取り直した。
「分かったわ、ちょっとやってみるわね」
そう言って端末を素早く操作し、HIMATのデータを組み込んでいく。
しばらくして、モデルデータが完成した。
「まあ、これでよしっと。一応言われた通りのものは出来たと思うわよ。今からプリンターへ出力するわね。ちょっとサイズが大きいから、私達も実物を見に行きましょう」
プリンターから出力されたのは、全長4m、全幅5m、全高2mという、この研究所で製作された中でもトップクラスに巨大な機体だった。
例えるなら、軽自動車を3台横に並べて置いたくらいの圧倒的な存在感を放っている。
「これ……背中に装備して飛ぶのよね? ほんとに飛ぶかしら……」
実物を目にしたゆりが、開口一番に漏らした言葉はそれだった。
「いやぁ、理論上は飛べるはずだよ。大丈夫、私が飛んで見せるよ!」
――ズバッ、と。
ゆりは間髪入れず、クローディア(マリ)の脳天に鮮やかなチョップをかました。
「マリ、あなたが飛ぶのは禁止。良いわね? ……そうね、この大きさじゃ屋内試験場は無理ね。遥、申し訳ないけれど、屋外試験場へ移動させて試験飛行をお願いできるかしら?」
「はい、ゆり。すぐ移動させますね」
相変わらず突飛な行動に出ようとするクローディア(マリ)と、すかさず的確な釘を刺すゆり――いつも通りの、変わらない二人のやり取りであった。




