10-16 【大歓喜】「なぜ最初からこれを作らなかったのだ、私は!」マリ念願の自動装着!
10-16 【大歓喜】「なぜ最初からこれを作らなかったのだ、私は!」マリ念願の自動装着!
「いやいや、そこで終わりじゃないでしょう。私も試させてもらうのだよ!」
堂々と姿を現したのは、この物語のキーパーソン──クローディア・マリ・天野であった。
待ってましたとばかりに、彼女は既にいつもの服を脱ぎ捨て、ぴっちりとしたカーボンファイバースーツへの着替えを完璧に済ませている。
「ちょっと、マリ……あなたねぇ。……はぁ、もういいわ。好きにしなさい」
こうなった彼女を誰も止められないことは、ゆりも重々承知していた。半ば諦め顔で深い溜息をつくと、ゆりは通信を開く。
「遥、申し訳ないけれどお仕事よ。マリの監視をお願い」
「はい、ゆり。マリの監視を行います」
「いやいや、監視とは心外だな! 私は装備が自動で着脱できるか確認するだけじゃないか」
クローディアは口では不満を漏らしつつも、隠しきれないうきうきとした足取りでハンガーへと入っていく。
「おぉ、すごいぞ……いやー、これは実に楽ちんだね! 今までの苦労は何だったのだ、という感じだよ」
しばらくして重厚なシャッターが開き、満足げにニコニコと『アオサギ』の装甲を纏って出てくるクローディア。そのすぐ後ろには、万が一の事態に備えて『シラユキ』の姿となった遥がぴったりと追従していた。
続いてドローン用ハンガーへ向かい、ドッキングシーケンスを開始する。
「うわぁ、こっちもすごく楽だ! なぜ最初からこれを作らなかったのだ、私は!」
合体が完了するやいなや、テンションが最高潮に達したクローディアはそのまま勢いよく大空へと飛び立ってしまう。遥もシラユキの姿でその横にサッと並び、ぴったりと伴走した。
一通り快適な空の旅を満喫して地上へと降り立つと、今度はドローン側ハンガーの前で背を向ける。滑らかにアームが伸び、吸い込まれるようにドローンが回収されていった。
「おぉ、回収まで自動なのは本当にありがたい。以前は自分で外せなくて心底困ったからね……」
しみじみと噛みしめるように深く頷くクローディアであった。
そして仕上げとばかりに、再び本体用ハンガーへと入り込む。
「あぁ、これは快適だ。……ねえゆり、ついでに中でシャワーが浴びられる機能をつけてくれないか?」
「何バカなこと言っているの。用が済んだなら早く出てきなさい!」
呆れ果てたゆりの怒気を含んだツッコミが、マイク越しに響き渡る。
やがてハンガーの扉が開き、元のカーボンファイバースーツ姿に戻ったクローディアが清々しい表情で姿を現した。その目の前では、シラユキ姿の遥が静かに彼女の退出を待っていたのだった。




