10-15 【大成功】「2段階ドッキング」完全実証! 本体ハンガー&拡張ハンガー始動
10-15 【大成功】「2段階ドッキング」完全実証! 本体ハンガー&拡張ハンガー始動
早速、完成した本体装備接続用のハンガーを試験場に設置し、遥にテストを担当してもらうことにした。
「遥、毎度のことで申し訳ないけれどお願いするわね。今回の試験について説明するわ。そこのハンガーに入ってもらって、アオサギの装備が自動で正常に行えるかの確認よ。もし途中で何か異常があれば、迷わずシラユキに変身して脱出して頂戴」
「はい、ゆり。分かりました。入って装備が自動で装着できれば良いのですね」
カーボンファイバースーツに身を包んだ遥が、試作ハンガーの中へと迷いなく足を踏み入れる。
ハンガーはシンプルな四角い箱状の構造をしている。スーツ姿とはいえかなり薄着の状態で入るため、内部の様子が外部から透けて見えないよう、プライバシーと安全性に配慮した遮蔽処理が施されていた。
内部に入った人間が指定された位置に立つと、背後から各種パーツを保持した高精度アームが滑らかに伸び、各部位へと正確に当て込んでいく仕組みだ。足を浮かせる必要があるため、装着作業は片足ずつ着実に行われていく。身体に当て込まれた各パーツは、自動で適切なフィッティングを行い、ガチリと強固にロックされていく。頭部以外の装着が完了すると、最後にヘルメットが目の前へ差し出された。万が一の緊急事故を考慮し、頭部への被着だけはあえて手動で行う手筈になっているのだ。
しばらくして重厚なシャッターが開き、完璧な『アオサギ』の姿となった遥がハンガーから堂々と姿を現した。
「ゆり、問題ありません。無事に装着出来ました」
その姿を確認したゆりが、間髪入れずに次の指示を出す。
「遥、そのまま次の試験に移るわよ。隣に置いてあるドローン用のハンガーへ移動して、ドローンと合体して頂戴。何か不調を感じたらすぐにシラユキで離脱するのよ」
「わかりました、ゆり。ドローン用ハンガーへ移動し、装備を接続します」
遥はドローン用ハンガーの前へ進み出ると、自然な動作で背を向けて佇んだ。
先ほどの本体用ハンガーとは異なり、こちらはフレームが剥き出しの構造になっている。すでに本体装甲を身に纏っている以上、わざわざ密閉構造にする必要がないからだ。
ハンガー内に吊り下げられていたドローンユニットが、アームの誘導によって遥の背丈に合わせた最適な高さへと微調整される。アオサギの背面に位置するハードポイントと、ドローンのドッキングポイントとの間を、誘導レーザーの赤い光線が一直線に結んだ。
カチリと澄んだ金属音を立てて遥の背中にドローンが隙間なく当て込まれ、バイザー内に接続完了を示す緑色のシグナルが点滅した。
「ゆり、問題ありません。ドローンの接続、完了しました」
「ええ、こちらでもデータを確認したわ。そのまま今度は分離試験をお願いするわね」
ゆりの指示を受け、遥は再びドローン側ハンガーに背を向けて立つ。
ハンガーから伸びた保持アームが正確にドローンを固定すると、ドッキング機構が解除され、そのまま滑らかにハンガー奥へと引き込まれて切り離された。
「ゆり、問題ありません。ドローンは何事もなく無事に回収されました」
「ええ、確認したわ。それじゃあ最後の試験よ。もう一度本体側のハンガーに入り、装備が正しく解除・回収されるか確認して頂戴」
「はい、ゆり。ハンガーに入り、装備の回収を確認します」
指示に従い、遥はとことこと本体用ハンガーへ戻り、自動ドアの奥へと消えていった。
静かな動作音が響くこと数分──。再びカーボンファイバースーツ姿に戻った遥が、すっきりとした表情で扉から姿を現す。
「ゆり、問題ありません。無事に装備は回収されました」
「ええ、こちらでもすべて完璧なシーケンスを確認したわ。遥、試験お疲れ様」
こうして、最新ハンガーによる装備の自動脱着試験は、何一つトラブルもなく無事に終了した。
──ただ一人を除いて。




