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10-14 【解決編】特撮ネタから誕生! 『2段階ドッキングシーケンス』で単独完全脱着へ

10-14 【解決編】特撮ネタから誕生! 『2段階ドッキングシーケンス』で単独完全脱着へ


「そこでだ! 私は探したのだよ……何か良い案はないかと! そして見つけた。これしかない!」


バーン!と勢いよく手を叩くような動作でクローディア(マリ)が手元の端末を操作すると、試験場のメインモニターに一つの映像が映し出された。

画面には『電脳調理師サイバーコック』というタイトルロゴが大きく躍っている。


未来から現代へと逃亡してきた犯罪者たちと、普段は街のレストランを経営している私設の特殊部隊が、「サイバービット」と呼ばれる戦闘服を装着して戦う昭和~平成初期テイストの特撮作品である。

なぜ調理師(コック)なのかは永遠の謎であり、出動要請が下るたびに「本日臨時休業」の看板を慌ただしく掲げて店を閉めるスタイルに、(経営は成り立っているのだろうか……)と観客に余計な心配をさせてしまうような番組だった。


劇中では、出動命令が下ると従業員たちが「チャンバー」と呼ばれる特殊カプセルに入り、一瞬で重装備を装着する。そして、その巨大な装備を着たまんま無理やり乗用車に乗り込んで現場へ爆走していくのだ。


(そのゴツい重装備のまま車に乗れるのか?というツッコミは一旦横に置いておくとして)


映像がちょうど変身シーンに差し掛かったところで、クローディアは動画を一時停止させ、熱っぽく語り出した。


「これを……このカプセル(チャンバー)を再現できないかな!? なんか、今の私たちの技術なら作れそうな気がするんだよ!」


「なるほどね。それでさっきから唸っていたわけね」


ゆりは合点がいった様子で、手をぽんと叩いて深く頷いた。


「それでゆり、これをHIMATで再現できないかな!?」


ゆりは顎に手を当て、しばらくの間じっくりと考え込んだ。そして、期待に目を輝かせるクローディアに向き直り、静かに語り始める。


「要は……問題を分割して考えていけばいいのよ。本体側の装備換装用と、背面の拡張装備換装用の二つを用意することで解決できそうだわ」


ゆりはチョキを作るように人差し指と中指の二本を立てて説明を続けた。


「一度にすべてを装着する必要なんて、どこにも無いんだから。まずは本体側だけのハンガーを考えるわね。これなら場所も取らないし、持ち運びだって簡単よ。そうね……本体用のハンガーなら、幅1.2メートル、奥行き1メートルもあれば十分ね。これなら姿見を置くような感覚でどこにでも設置できるわ。このサイズならトラックの荷台に載せて現場へ移動させることだって可能よ」


そう言って立てた指を一本折り、次の解説へと入る。


「操縦者はまず本体の装備を装着して、必要に応じて背面の拡張機構用ハンガーへ移動し、バックパックの接続を行う……。この『2段階ドッキングシーケンス』なら、現場で一人だけで装着も脱着も完結できるわね」


二本目の指も折りながら、ゆりは綺麗に結論をまとめた。


「現段階では、まず本体用のハンガー開発に集中すること。そしてサギドローン側は、最初から専用の拡張ハンガーとセット運用する前提で設計し直すのがベストね。……今後の拡張機構も、専用ハンガーと一緒にパッケージで設計していけば上手く収まるはずよ」


ゆりの完璧すぎるロジックと解決策を聞いたクローディアは、大喜びでゆりに飛びついた。


「さすがゆりだよ! 私の思いつきからここまで完璧なシステムを導き出すなんて、最高だよ!」


「ちょっと、マリ! 急に抱きつかないでよ、びっくりするじゃない!」


クローディアの無邪気なスキンシップに慌てつつも、二人は顔を見合わせて楽しそうに笑い合うのであった。

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