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10-8 【リベンジ成功】ホバリング&前後移動をクリア! 「サギドローン2号機」始動

10-8 【リベンジ成功】ホバリング&前後移動をクリア! 「サギドローン2号機」始動



「遥には悪いけれど、作り直した飛行ユニットの再テストをお願いしたいの。もう分かっていると思うけれど、何かあったら迷わずシラユキで対処してちょうだい」


ゆりはテスト場で『アオサギ』を装備して待機する遥へ、アナウンス用のマイク越しに指示を送る。

アオサギの背中には、先ほど爆散したドローンユニットの改良モデルが再び装着されていた。今回は両脇の下から胸元にかけてアームと操作盤が伸び、その先には無骨な操縦桿が生えている。遥はそのグリップをしっかりと握りしめていた。


「はい、ゆり。任せてください。今度は操縦できる仕様になっているようですので、問題ないと思われます」


「うぐっ……!」


遥の至極真っ当で容赦のない返答に対し、観測室の後ろで見守っていた人物が目に見えるダメージを受けて呻いた。言わずと知れたマリである。


「はは……今度は大丈夫だよ。ちゃんと操縦ロジックも考えて組み込んであるからね。でも、何か異変を感じたらすぐに離脱してね」


心なしか精神的にすすけた様子で、マリがマイクを奪って付け足す。


「それでは遥、試験を始めて」


「はい、ゆり。了解しました」


遥は胸元の操縦桿を静かに操作し、機体を浮上させた。

4基のローターが激しい旋風を巻き起こしながら、遥の身体がふわりと離陸する。そのまま地上5メートルほどの高さでピタリと動きを止め、完璧なホバリングを見せた。


「浮遊、および滞空成功ね。そのまま前進と後退を試してみて」


「わかりました。前進します。5メートル前進後、後退に移ります」


遥が左の操縦桿をすっと前に倒すと、機体は滑らかに風を切って前方へ移動した。5メートルほど進んだところで、今度は左の操縦桿を後ろへ引き戻す。遥は前を向いた姿勢のまま綺麗にバックし、寸分たがわず元の滞空位置へと戻ってみせた。


「ふむ、動きは上々だね。遥、操縦桿のフィーリングに違和感はなかったかい?」


「はい、マリ。今のところ操作感に問題はありません」


モニター越しに観察する限り、機体の挙動にも遥の操作性にも一切のぎこちなさは見られない。


「じゃあ、次はランダム試験かな。遥、右の操縦桿で自由に向きを変えたり、左の操縦桿で加減速してみたりして、不規則な操作に対応できるか確認してほしい」


ランダム試験──あらかじめ決まったパターンではなく無作為に操作を入れ、意図しない不具合やレスポンスの遅延が出ないかを調べるテストだ。分かりやすく例えるなら、格闘ゲームの「ガチャプレイ」である。操作している本人すら次にどう動くか分からないため、システムの限界を検証するにはお誂え向きのやり方と言えた。


「ローターの接触事故には気をつけてね。まあ、遥なら心配ないと思うけど」


マリがそう追加の注意を促すと、遥は操縦桿をカチャカチャと手際よく動かし続けながら真顔で答えた。


「はい、マリ。接触には細心の注意を払います。先ほどは天井に激突して粉々になりましたからね……無惨でした」


「うぐっ……ははは……」


悪気なく過去のトラウマをほじくり返され、マリは胸を押さえて再び悶絶するのだった。

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