10-2 【試行錯誤】「変身ベルト」か「変身ステッキ」か!? 特撮ヒーローへの憧れと挫折
10-2 【試行錯誤】「変身ベルト」か「変身ステッキ」か!? 特撮ヒーローへの憧れと挫折
「今できる方法を考えたいところではあるんだけど……何か良い案はないかな?」
「マリの言いたいことは『装備を手軽に装着する方法』でしょ? 正直、横着せずに一つずつ着けるしかないと思うわよ」
意見を求められたゆりだったが、これといった名案が浮かぶわけでもなく、至極素っ気なく返答した。
「そうだよねぇ……。んー、なんかこう、『鬼面ライダー』みたいに変身ベルトを巻いてさ、ポーズ一つで変身するとか!」
そう言うやいなや、クローディア(マリ)はノリノリで腰に手を当て、決めポーズを作ってみせる。
「あはは、あれって改造人間の話でしょ? となると結局、遥と同じ理論になっちゃうのよ。要は身体の内側に既に装備が仕込まれていて、それを任意に出し入れしているってことなんだから」
「んー、じゃああとは特撮ヒーローに出てくる変身ブレスレットとか、魔法少女の変身ステッキあたり?」
マリは空中に手で輪を描くようにしながら、手にしたステッキを高く掲げる仕草をしてみせた。
「真面目に返すのも馬鹿らしいけど、あれは映像上の演出だし、道具自体は玩具メーカーの商業的な思惑よ。子供に売れれば大儲けできるんだから」
ゆりのどこまでも現実的で容赦のない指摘に、夢も希望もありはしない。
「あとは『宇宙刑事ジャバン』とか『ストームスペクター』とかかなぁ……」
「よくそんなマニアックな作品知ってるわね。そのあたりは詳しくないけれど、どちらにせよ演出の域を出ないと思うわよ」
「さすがの私も、この件ばかりはお手上げだな。あきらめるよ」
そう言って、マリはお手上げと言わんばかりに両手を大げさに上げて肩をすくめるのだった。




