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8-18 「秒で的中した予感」〜手持ちの盾を投げた遥とマリの大爆発〜

8-18 「秒で的中した予感」〜手持ちの盾を投げた遥とマリの大爆発〜


予感は秒で的中した。マリは早速、端末を操作して『手持ちの中型盾』『大型盾』『丸型の小型盾』の3種類をプリンターから実体化させた。まずは、それらのベースモデルを遥たちに渡して、試験場で真面目な初期テストを行ってもらう。アオサギを纏った遥たちは、正面から放たれる自動駆動の打撃を盾の表面で正確に受け止め、衝撃の吸収率やアシストのブレ具合といった基本データを順調に記録していく。


しかし、そのテストの最中、一人の遥が「手持ちの盾を腕からパージして、前方の的(ダミー人形)に向かってフリスビーのようにブン投げる」という、仕様外のトリッキーな行動をとった。


それを見たマリの脳内ロマンが、案の定、大爆発したのである。マリは目を輝かせて猛然と端末を叩き、瞬く間に「魔改造された3種類の盾」のデータを書き上げてプリンターから出力させた。


「よし遥、今度はこっちの新型を装備してみておくれ!」再び試験場に集まった遥たちのヘルメット内には、新システムの詳細な使用方法と図解モーションがデータとして転送されている。まず、丸型の小型盾を受け取った遥が、左腕のハードポイントへそれをカチリと装着した。


変形トリガーを起動した瞬間、金属音が鳴り響き、丸盾の外周からノコギリのようなギザギザの超硬質刃が一斉に展開。火花を散らしながら、凄まじい高周波で高速回転を始めた。


遥が左腕をすっと前方へ突き出すと、その小型盾は「キィィィン!」と空気を引き裂きながら、猛スピードで前方へと射出された。盾の底には超高張力の極細ワイヤーが連結されており、遥が左腕のハードポイントを引いて自在に操ると、回転する丸盾はまるで生き物のように試験場を飛び回った。


標的にされた防壁は、一瞬にしてチェンソーでズタズタにされたかのような無数の切り傷だらけになり、用を済ませた小型盾はワイヤーに巻き取られて遥の左腕へと戻り、ピタッと回転を止めた。昔、レトロゲームに出てきた伝説の武器を彷彿とさせる、恐るべき有線制御型カッター盾(ア〇ゴ〇の戦士風)であった。


続いて、中型盾を装備した遥も、同じように左腕のハードポイントへそれを装着させる。こちらの変形ギミックはさらに複雑だった。遥がトリガーを引くと、頑強なシールドの先端から半分ほどのパーツが、中央から左右にパカッと割れるようにして大胆に分かれ、外側へと展開したのである。


そのスライド変形によって拡張された盾の展開部の長さは、45cm+50cm+45cm。最終的なその横幅は、じつに1m40cmという長大な電磁スリットにまで達した。その引き裂かれたスリットの断面から、ボウッと目も眩むような白い光が溢れ出す。次の瞬間、HIMATのナノマシンエネルギーが極限まで解放され、スリットの空間を埋めるようにして、盾の前方に眩い白光を放つ『超巨大な光子刃(光のブレード)』を形成したのである。


その光り輝く刀身の長さは、じつに10m。幅は1.4m。もはや盾の面影など微塵もない、すべてを消滅させるための光の巨剣であった。遥は左腕を大きく一閃させる。凄まじい熱量と破壊力を秘めた10mの光の刃は、試験場の頑強な天井、防壁、さらには足元のコンクリートの地面さえも、まるで熱したナイフでバターを切るかのように一文字に綺麗に両断(スライス)してみせた。


しかし、空間を丸ごと切り裂いた直後、その圧倒的な光の刃は、フッ……と一瞬にして消えてしまった。あまりにも規格外の超高出力を叩き出したせいで、スーツ側のバッテリー(消費エネルギー)を一撃ですべて使い果たし、システムが完全なシャットダウン(自滅)を起こしたのである。

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