↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/378

7-14 ダークブルーに輝くエントリーモデル『アオサギ』

7-14 ダークブルーに輝くエントリーモデル『アオサギ』


「……なるほど、そう来たのね。アオサギね。ちなみに一つ訂正しておくわよ、マリ。シラサギ(白鷺)っていうのは固有の鳥の名前ではないわ」ゆりは呆れと納得が半々に混ざった溜息をつきながら、端末のコンソールを操作して、先ほどコスト3分の1に最適化した設計モデルのカラーリングを白から青色へと変更していく。


「え、そうなんだ!? 私はてっきり、そういう種類の鳥の名前だと思っていたよ。……あ、ゆり、その青色だけど、もう少し暗めのトーンにしてみようか」マリは「知らなかった」という意外そうな表情を浮かべながら、モニターのカラーパレットを指差してゆりに注文を重ねた。


「ええ、全身が白い鷺たちの単なる『総称』らしいわよ」ゆりはそんな雑学を口にしながら、マリの指示通りに色相のパラメータを落としていく。変更されたその色味は、ただの鮮やかな青ではなく、深海のように黒みがかった深い群青色――いわゆるミリタリー性の高い『ダークブルー』であった。


「いいね! その渋い色味でいこう。青色ベースのエントリーモデルなのだから、名前は『アオサギ』さ!」


「名前はアオサギね。相変わらず安直ね」ゆりは思わず苦笑しながら、機体ファイルのヘッダーネームを書き換えるために端末を操作する。


「以前にも言ったけれど、こういう軍事製品の識別名(コードネーム)はね、現場の人間が一発で判別できる分かりやすいものが一番良いんだよ」そう語るクローディア(マリ)も、自分のロマン(鳥類縛り)がまた一つ形になったことが嬉しいのか、楽しそうに笑って答えた。


「じゃあ、これでデータを確定させて3Dプリンター室へ転送するわね。……遥、プリンターの出力が終わったら、完成した装備をこちらへ持ってきてくれないかしら」


「はい、ゆり。分かりました。取ってきますね」ゆりが声をかけると、控えていた遥は静かに一礼し、いつもの滑らかな足取りで隣のプリンター室へと新型装備を回収しに向かった。しばらくすると、遥は刷り上がったばかりの、美しい金属光沢を放つダークブルーの新型装甲一式を大型の搬送カートに乗せて、ガラガラと静かに運んできた。


「よし、出来たてホヤホヤだね! 早速着けてみよう!」マリは目を輝かせ、再び遥の手を借りて、自分の黒いカーボンファイバースーツの上からパーツ化された青い装甲をカチリ、カチリと手際よく装着させていく。


「――言っておくけれど、私はもう、絶対にテストはしないわよ」その二人が装着している姿をデスクの椅子から冷ややかなジト目で睨みつけながら、ゆりは今度こそ本当に、絶対に、死んでも二度と服を剥ぎ取られて強制的に着せられる事は御免だと言わんばかりに、ふたりに向けて強く、強く念を押すのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。