女性騎士団
ギルドを出ると、もう夕方だった。。
朝からスケルトン殲滅だのなんだのかんだので、忙しかったなぁ。
「どなえするん?もう、出発するのも遅いしなぁ、いつもの宿でええか?」
「そうだな、一晩寝てから、聖女を追いかけようかな?」
例の料理を食べると、今晩もハッスルしそうだけど。
そんなことを考えて歩いていると。
「おい、そこのハゲ!?冒険者ギルドは、コッチであってるか?」
なんか、鎧を着た女性達に道を聞かれた。
いきなりハゲ呼ばわりすんなよなぁ。慣れてるけど。
「あってるよ。ホラ、あそこの建物。見える?」
「よし、早速ギルドマスターに会い、スケルトン軍団討伐の相談をするとしよう。ゆくぞ」
どうしよ、さっきギルドで文句言われたばっかりなんだけど。
「あんなぁ、スケルトン軍団は全滅させたで。このハゲが」
セィソの言葉に反応し、女性騎士団の隊長が訝しい目で俺を見る。
「ふむ……数名、先にギルドに行って確かめてこい。私は、このハゲの話を聞くとしよう」
「承知しました」
部下の女騎士2名が、ギルドに向かって走って行った。
「……ところで?貴様、何者だ」
「隊長、このハゲは勇者です。ほら、王城から放りだされた」
「なん……だと?スケルトン達を率いて、新魔王となった放屁聖女の仲間ではないのか」
「あのねぇ、勇者の俺が失踪した聖女探ししているのは、そこそこ有名な話だろう。新魔王になったって聞いて引き戻そうとしてるんだよ」
「が、しかし。仲間なのだろう」
「そうだな。だが、スケルトン5千体は俺が倒したぞ。アンタも戦友が寝返ったって聞いたら、一度くらいは会って確かめるんじゃないのか」
「……道理といえば、道理か」
うーむと、隊長さんは、少し考えていると。
先ほどギルドへ走って行った女性騎士が戻ってきた。
「では、報告を」
「しゅ、修羅場です。ギルドマスターの部屋は修羅場です。ギルマスと秘書が交わってる時に、奥様が部屋に入ってきたらしく、それはもう修羅場です」
あ~あ……やっぱあの人、奥さんだったのね。ギルマス南無ぅ~。
「誰が、そんな報告をしろと言った……が、後で詳しく聞こう」
ヲイ、隊長。それでいいのか。
そして、もう一人の女騎士と受付嬢が走って来る。
「女性騎士団の人達~っ、勇者から離れてくださ~い♪」
「やはり、貴様っ敵か!」
「孕みますよ~♪」
受付嬢が、いらんことを叫ぶ。
全員、ずっこけそうになったじゃないか。
「ええい、スケルトン軍団5千を、このハゲが倒したのか聞いているのだ」
「「「あぁ、そこの勇者が倒したみたいです」」」
いまさら感、丸出しで思い出すんじゃない。
聞いたのは、ついさっきだよね。
「ふむ……スケルトン討伐の加勢に来たのだが、無駄足だったらしいな」
「男の騎士団はどうしたんだ?」
「ふん、情けないことに、聖女&勇者パーティに『玉潰しのセィソ』がいると聞いて逃げ腰だったのだ。だから、タマのない我々の出番と思い出陣した。あれでも男かっ」
……大事だもんね、タマタマ。って男だからだよ。
「せやなぁ、ウチが敵側やったら男の騎士団はゴブリン♂スタンビートの二の舞やもんなぁ」
「うむ。そなたが、玉潰しのセィソ殿か」
「せやで」
「第一王女殿下とベアトリス嬢に並び、ゴブリン討伐の高名を聞いている」
「さよか?まぁ、儲かったわ」
あっけらかーん、と答えるセィソ。
「……ところで、セィソ殿。王国軍で働く気はないか?好待遇を約束するが?今、王国軍はタプンツェル殿下とベアトリス嬢といった最強の2名が出て行ってしまってな」
「育児中やもんな」
「!?出産済だとっ、あの怪物二人を孕ませる男達がいたのか?」
なんか、コワイ予感がする、逃げよっかな。王女と令嬢の情報隠蔽の努力が無駄に。
「……え?父親は、このハゲやけど?両方とも。だから男『達』じゃないねんなぁ」
しれっとチクるなぁあああああ。
「このハゲが、外戚……王子の父?なんたる我が非礼。くっ殺せ」
使い方間違えていますよ。。。くっコロ。
「大丈夫だって、気にしてないぞ。ふたりとも側室だからな」
「なんとぉおおおおお。貴様ッ」
「いいのか?俺は、王子の父だぞ、ふふん♪」
「ですから、このハゲに近づいたら孕みますって、私は近づきますけどね」
受付嬢が変なツッコミを入れる。えっ?なにソレ?告白?孕みたいの?
「あぁ~、第一王女殿下ですら母親になったのに」
「あの筋肉令嬢様も母親になったのに」
「「「私達には、男もおらずっ」」」
なんか、嘆いてらっしゃる人達が多い、女性騎士団。
凛々しい姿に、ファンは多いと思うんだけど。そうでもないのね。
「ん~ふふ♪アンタ猫耳村で34人相手にして、半分以上孕ましとったなぁ」
あの?セィソさん?いらん事言わないでくれる?
「よし!我々の宿に、勇者殿を連れ込むぞ」
隊長さん?もしもぉ~し?俺の意思は?
「「「「「おぉ~っ!」」」」」」
女性騎士団は団結し、俺は引きずられていった。
「もぅ、また私は置いてけぼりなんだから」
去っていく俺を見て、受付嬢は少し怒っていた。
肉食女子の女性騎士団達の中に放りこまれて、さぁ大変。
ベアトリスみたいにムッキムキではないけれども、引き締まった体が、ハゲを待っています。
「種だけ欲しい」とか「精子バンク使う」とか、タフな女性達が国を支えている気がします。




