キンタマの正しい使い方
「ウチは既婚者♪しかも三食昼寝つき♪そして毎日お風呂♪さらに家事&育児はメイドはんがやってくれるぅ♪ほんで夜は亭主とイチャイチャ、エロハゲやけど♪天国や、天国やでぇ。コレで魔王討伐の金入ってきたらと思うたら、うひひひひ」
居候の城生活が気に入ったセィソは酷い歌を歌いながらベッドでゴロゴロしている。プロポーション抜群で巨乳で顔もキレイなんだけど、性格はゲンキンなもんだ。そして理想主義の聖女と全然違うんだよなぁ、いいけどね人間だもの。魔王倒して、さらにコブリン♂・スタンピートを全滅させ街を救ったた英雄だから、もっと良い生活を望めばできると思うが、メンドクサイ事は嫌いなタイプなんだろうな。
「あ、そうだ。収納できなかったワイバーンのタマタマってどこにあるんだ?」
「ん?乾燥させて置いてあるでぇ。確かこの引き出しやなぁ」
ピョンっとベッドから降りて、引き出しを開けると、干からびたワイバーンのタマが二つあった。
「乾いてても、けっこうな大きさだなぁ」
「せやねん。大爆発させたら、一個でこの城吹き飛ぶくらいのサイズやし。どなえしょうか考えもんやわぁ」
しれっと怖いこと言うのね。
「それってさ、回転させることってできるのか?」
「ん?このタマの回転か?できるで『金玉回転』」
そうすると、クルクルと干からびたタマが回り出した。
「二個同時とか回転数変えたりとかできるの?」
「できるでぇ、初期スキルやしなぁ。ほれ、ほれ、ほれ」
二個のタマタマを同時にクルクルと、早くしたり遅くしたりして回している。
「最近は、あんまり使ってないスキルやなぁ。昔は、袋に入ってるのんを中で捩じってな、放置すると苦しみまくって3日くらいで腐り落ちるさかい、時間差で苦しめるのに使ったりしたんやけど」
「精巣捻転かよ。えぐいからヤメテ」
ヒュンとなった自分のタマタマを俺は揉みほぐした。
「で、なんなん?誰かに地獄の苦しみでも与えたいん?このスキルをアンタに使って欲しいワケでもないやろ」
「俺とか人に使うんじゃなくて、ワイバーンのタマを馬車の車輪に取り付けたら、移動手段になるかなってさ」
「おお!なんやソレ。車輪にタマタマを取り付けて回すんか?ええな。馬おらんでも馬車だけで走れるやん」
「そういうこと。ちょうどね、タプンツェルの体重で壊れた馬車が何台かあって、部品組みなおしたら、一台くらい作れそうなんだ」
「ええやん。おもろそうやん、見に行くで」
そうして、セィソと俺は城の庭で組み立て直した馬車のところまで移動した。
「へぇ、ええ馬車やんか。内装もキレイやし」
「そりゃ、婚約破棄で追放されたとはいえ第一王女様の御用達だからな、いいの使ってるさ。サスペンションまで入ってて振動も少ないだろう。移動する度に壊れるから、国家予算が傾くとかなんとからしいけど」
「贅肉王女って重たそうやもんなぁ、ウチの3倍以上体重あるんやろ」
「そうだな」
「その女を孕ませるのは勇気のある勇者にしかできんやろなぁ。まぁウチも男寄り付かんねんけど」
「ま、重たいおかげで、高級馬車一台手に入ったのさ」
「せやな」
そうして、俺は、馬車の車輪に手をやった。
「さて、どうやって、車輪にワイバーンのタマタマを取り付けよう」
「んなもん、釘かなんかで、ガンガン打ち付けたらええんちゃうの?」
「タマに穴が空いても回るのか?」
「さぁ?ちょっと試すわ。アンタの玉袋からゴブリンのタマ一個だしてぇな」
「おっ、そうだな」
俺は股間の玉袋をモゾモゾさせて、ゴブリンのタマを一個取り出した。
「はい、コレ」
「ほな、やってみよか。せぇの」
ゴスッ
キンタマに釘が刺される。ゴブリンのとは言え、嫌な光景だった。
「いくでぇ、『金玉回転』よっしゃ回った」
釘の刺さった、ゴブリンの金玉はクルクルと回っていた。
「一本はだいじょうぶ。二本目や」
「ひぃ。えんがちょ」
ゴスッ
「もっかい、『金玉回転』。よっしゃ回った」
「三本目や」
「くっ」
俺は目を閉じた。
ゴスッ
「まだまだ、『金玉回転』。よっしゃ回った」
「四本目や」
「嗚呼」
もうやめて、キンタマのライフはゼロよ。
ゴスッ
「あ~あ。千切れて半分になってしもた」
「うわぁ、まじ、痛そう」
「とりあえず、試してみるわ。『金玉回転』。おぉ、半分に千切れても回るわ」
キンタマのあんまりにも痛々しい光景に、俺は股間をおさえずにはいられなかった。
「ふーん。半タマか。これも試すで。『金玉点火』」
半タマの片方が燃えた。ラーメンじゃあるまいし半タマっていうなよ。
「へぇえ、ほなら更に半分にして、1/4タマやと?『金玉点火』」
1/4タマも燃えた。そして残りの1/4タマをポイっと投げて。
「ほい、成仏しぃや。『金玉大爆発』」
パンッ っと音がして、残りの1/4タマは消えてなくなった。
「なるほどなぁ、キンタマちょっとずつ千切って使うのもアリやな。どなえしたん?」
「いや、なんかヒュンヒュンして」
「アンタのは使わへんって、安心しぃ。でもこれで、車輪に釘打ちしても問題ないのんがわかったやろ」
「ああそうだな、残る課題は、四輪とも同じサイズの車輪だから前輪駆動か後輪駆動か。うーん」
「ん?どゆこと?」
「車輪が4つあるだろ。前輪を回すか、後輪を回すかでちょっと走り方がかわる」
「そんなんウチにはわからん。アンタが決めてや」
考える。重い荷物を運ぶなら後輪駆動だが、走破性なら前輪駆動だ。そして馬車の場合、ハンドルはなく、左右回転のトルク差で旋回することを考慮に入れると……
「よし、前輪駆動にしよう。左右の前輪にワイバーンの金玉を取り付けるよ」
「オッケーって、アンタはせぇへんの」
「できない。痛そうだもの、男の子だもの。だから悪いけど、釘打つのは任せていいか?」
「しゃーないな、もう」
そうして、取付位置と釘打ち位置を教えた後、俺は、目をつむって、キンタマを支える。
コンコンコン……コンコンコン
嫌な音が脳内と股間に響いた気がした。
書いてるだけで、作者のタマタマがヒュンヒュンしてしまいます。
「キンタマを、ねじるな、ちぎるな、釘打つな」交通標語っぽく。




