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最臭屁器聖女は勇者パーティーを離脱しました  作者: 凜古風
筋肉令嬢と贅肉王女です

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22/58

城の主

「なんたる臆病者チキンっ、ですわぁ。父上も母上も兄上も……娘or妹として許せませんわぁ」

 ヒラヒラドレスからはみ出た筋肉を、ビクンビクンと動かして、ベアトリス・フレイムシュートは怒りをあらわにした。

 街と城と兵士と平民は、ゴブリン襲来の時間稼ぎに使う方針で、街を治める領主フレイムシュート一族は、冒険者に依頼して逃亡した旨を伝えたからだ。暴力事件で魔法学校から退学処分を受けたことにより、実家から勘当状態のベアトリスも捨て置かれたようなものだった


「こうなったら、実家にカチコミますわぁああああ」

「お、お嬢様。ご帰省!我々もゆくぞ」

 ベアトリス付きのメイドと執事が準備を整える。

 なんだよ、この出陣みたいな雰囲気。


「うむ。拙者達も、ベアトリスについてゆくでござる」

「ひ、姫様も、ご出陣なさいますか」

 だから、ベアトリスが実家に帰るだけなのにどうして、気合入ってるんだ?


「あんたらなぁカチコミはええとして。赤ん坊の護衛どなえすんねん。一応、王様の孫と領主様の孫なんやろ?」

「「「「!?しまった!?」」」」」

 皆ウッカリさんなんだろうか?

「まぁええわ、ウチでよかったら、ここに残って護衛役やるで。なんやアレやけど勇者ハゲの子供は、ウチの子供でもあるんやろ?」

「「お願いできますでしょうか。第四夫人様」」

「第四夫人かぁ、もうウチ人妻なんやなぁ。まぁええで」


「すっごく、助かりますわぁあああああ」

「助太刀、感謝するでござる。兵士に乗っ取られているかもしれない領主城を奪還できるでござる」

 ああ、そういう理由だったか。そして、ベアトリスとタプンツェルは感激している。


「え~と、俺は?どうしよっかな」

「こういう時はなぁ、勇者の肩書が役立つんちゃうか?アンタの玉袋アイテムボックスから、ゴブリンのタマタマを補給したら、ウチ一人で大丈夫やろ。作ってくれたスリングショットもあるしな」

「わかった、じゃぁ俺も城に行くよ」

「はよ、帰ってきぃや」

「わかってる」

 そんな話をセィソと俺が話してると。


「第四夫人が、一番ヨメっぽいですわぁああああ。お姉様」

「うむ、拙者達にはできぬことでござる。聖女を超えたか」

 確かにヨメっぽいな。聖女超えとか、あいつが聞いたら怒り狂うだろうけどな。


 そうして、筋肉令嬢ベアトリスが号令をかける。

「それでは、準備を整えて、行きますわよ」


「ほな、ちょっと部屋に戻ろか。赤ん坊と、ベビーシッター役のメイドさんも一緒に来たらええやん」

「「はっ奥様の配慮、痛み入ります」」

「お、奥様。ウチがメイドさんから奥様wwwウケルわぁ」

「俺も準備する」


 そうして、俺とセィソはメイドさん達とは別室で、玉袋アイテムボックスからタマタマを取り出したりして準備を整えた。俺のタマタマじゃないからね。ゴブリンのタマタマだからね。


 装備を整えた俺達は、領主城へ歩き進む。

「スコップにハゲ頭って……勇者だ。ハゲ勇者がきてくれたぞ」

「あのムキムキ筋肉にスパイク魔法杖ロッド、ベアトリス様だ」

「あっちはタプンタプンの贅肉に鎖鎌くさりがま!タプンツェル殿下だ」

「聖女&勇者パーティで聖女抜きってさ、もう勇者パーティじゃね?」

「回復役の悪臭聖女くっせーじょ抜きでゴブリンの討伐、大丈夫なのかぁ」

 なんか、いろいろ言われてるなぁ別にいいけど。ちなみにスコップじゃなくてショベルな。


 そして俺達は、領主城の扉にたどりついた。

「門を開けい。フレイムシュート家の御令嬢、ベアトリス様の御帰還ぞ」

「べ、ベアトリスお嬢様だとっ。やったぁ勝った」

 思っていたのと雰囲気が違う。

 ガラガラガラと扉が開いて中に案内された。


「お嬢様ぁあああああ、よくぞ、よくぞ、お戻りくださいました」

「じぃや。泣いている場合ではないですわぁ、次のゴブリン♀の襲撃に備えるのですわぁ」

「旦那様も奥様も坊ちゃまも、冒険者を雇って、逃げおおせられました。死中に活とは、このことにございます。そして勇者様と王女様まで加勢に」

「そして、城にかくまった平民たちはどこですの?」

「大広間で雑魚寝させております。いかんせん兵士用の毛布なども数が足らずに、体調を崩す者も多い状態です」

「よろしい。いったん返しましょう。わたくしが説明いたしますわ」


 そうして、城の大広間ではベアトリスの声が響いた。

 ゴブリン♂の第一波、2千以上は既に倒したこと。近々、ゴブリン♀の第二波が来ることが予想されるものの、自分達、聖女&勇者パーティーが街の外で迎え撃つことなどを伝えた。一部の冒険者達が、コブリン♂の死体の山を確認していたおかげで、話の信憑性しんぴょうせいも高く、安心した平民達は、普段の生活に戻っていった。領主城を解放してまで、自分達を守ってくれたことに感謝して。


「それなりに上手くいきましたわぁ」

「うむ、それでは、宿に残した者達と、合流するでござる」

「この城でよければ、好きに使っていいですわぁ。どうせ、ケツまくって逃げたアイツらに返す必要なんて、どこにもありませんわぁ。そもそも、わたくしの実家ですし」

「では、拙者達の荷物や馬車も運び込んでも良いでござるか」

「お姉様なら当然ですわぁ。勇者様も第四夫人も、いつでも、いつまでも滞在して欲しいですわぁ。もちろん、次の子もよろしくですわぁ」

 筋肉をビクンビクンさせながら、子種をねだられた。頑張れっ俺。

「あぁ、それじゃ、お言葉に甘えるよ」


 領主の城の城主はベアトリスとなり、ゴブリン♀の第2波がくるまで、俺もセィソも居候することにした。


 平民の好感度がダダ上がり。

 ベアトリスの武器、スパイク魔法杖ロッドは、ほぼ「釘バット」だったり。

 ま、魔法にも使えるんだからね。


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― 新着の感想 ―
[一言] もうね、全員揃ったら最強よね。 とにかく第二波に対する無双劇……こいつぁ楽しくなる予感しかしねぇぜ( ´∀` )
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