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最臭屁器聖女は勇者パーティーを離脱しました  作者: 凜古風
筋肉令嬢と贅肉王女です

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19/58

リヴァケープの街

 リヴァケープの街は騒然そうぜんとしていた。

 街の門兵達は叫ぶ。

「ゴブリン・スタンピートが来るぞ、閉門して我々が迎え撃つ。死にたくない者は早く入れ」

 人々が門の中に吸い込まれていく。


「ちょうどええわ。ウチらも入ろか~」

「そうだなぁ、ゴブリンはもういないけど」

 満員電車に乗り込むように、ヒトひと人の中、チェックもされることなく俺達は門を通ることができた。被災時のセキュリティってザルなんだよなぁ、仕方ないけど。


「領主様が平民にまで城を解放してくれてるぞ」

「お城に逃げ込めば大丈夫なのね」

「ありがたや、ありがたや」

 そんなこんなで人の流れは城に向かっていた。


「……どなえしょ。もうゴブリン全滅させたやけど」

「とりあえず、冒険者ギルドに報告するか」

「せやな」

 まだパニックにはなってないし、今、大声で叫んでも仕方がない。

 俺達は人の流れを抜けて、街の案内図を確認しギルドに向かう。


   カラン♪カラ~ン♪


 さて?どこのギルドの扉でもこんなベルが鳴るんだろうか。

 のんびりと、そんなことを考えていると。

「そ、そのツルピカ頭は?ひょっとしてハゲ勇者!?」

「ほんとだ、ツルピカハゲだ」

「みんなっ、エロ勇者ハゲが応援にきてくれたぞぉおおおお」

 ギルドの建物内に、冒険者達の喝采かっさいが響いた。

 なんかボロクソに言われてる気もするが。

「アンタ……一応人望あるねんな。全然尊敬されてなさそうやけど」

 ちょっと泣いていいかな。


勇者エロハゲを先頭にゴブリンどもを皆殺しだぁああああ」

「「「「「おぉおおおおおおおお」」」」」

 どうしよう、盛り上がってるなぁ。言っていいのかなぁ

「あの……もしもし?」

禿頭ハゲ勇者様から一言だぁああああ、聞けい」

 どうしよ…どうしよ…めっちゃ注目されてるし。

「あんなぁ、盛り上がってるトコ悪いけど、ココへ来る最中になぁ。ゴブリンなら全滅させたで」

 あ、セィソが言っちゃった。


  「「「「「はぁ?」」」」」


 ですよねぇ、その反応。

「二千チョイくらいの数やったけどな」


  しぃ~ん としている。


「おいっ、誰か確認してこい」

「で、でも嘘だったら、ゴブリンに囲まれて確実に死ぬぞ」

 誰が行くかでガヤガヤしてる。

「明日くらいに、コブリンの死体の山を片付けてくれたらいいと思う。今は大量の平民が街の中を移動しているし」

 俺が提案した。

「そ、そうさせてもらいます」

 盛り上がってたのに、なんかスイマセン。心の中でそう思った。


「あ~あ、こんなことなら、領主移動の護衛任務について行きゃよかったよ。儲からないね」

「コラッ。それ、ナイショだからね」

 なんだなんだ?

「おい、どういうことだ?言わないから、俺にも少し教えてくれよ」

「あ~勇者ならいっか?ゴブリン討伐の例代わりに教えてやんよ、いいよな?」

「いいですよ~♪」


 この街を治める領主一族フレイムシュート家は、冒険者に護衛依頼をして逃亡したらしい。

 街と城と兵士と平民は、ゴブリン襲来の時間稼ぎに使う方針で。

「城まで解放して、平民まで助ける、ええ領主やと思うたけど、全然アカンやん」

「昔は強かったんだけどなぁ。最大戦力が臨月だし」

 悪役令嬢ムキムキマッチョがいれば、ゴブリンの1万や2万……

「ベアトリス様は、先週出産されたばかりだそうですよ。ずっと城には帰ってないと聞いておりますが」


   ……俺、既にパパになってたyo。


筋肉令嬢ベアトリスは、出産でも実家に帰ってなかったのか。子供は無事か」

「ええ……とっても元気な筋肉質の女の子だそうですよ。それと、魔法学園を退学になってから実家との折り合いが悪く、南の別荘で過ごされているとか何とか」

 そっか~母子両方無事か。よかったよかった。

 それにしても、領主の娘となると、別荘ですか。そうですか。全然思い浮かばなかったよ。


「色々教えてくれてありがとう、お二人さん」

「いえいえ、この度もハゲ勇者様に街を救ってもらいましたし。この程度の情報提供……それで?聖女くっせーじょ様は見つかりました?」

「いや、まだだ。傷心旅行で南に向かっていないかと探しに来たら、このゴブリン騒動だったワケだ」

「それにしても、さすがハゲ勇者様です。ゴブリン全滅とは」

「いや、全滅させたのは俺じゃない、コッチ」

「ウチやで。ゴブリンを金玉爆発させて皆殺しや」

「ひょ……ひょっとして、ボールクラッシャーしのセィソ!?」

 話をしていた冒険者♂の顔色が変わる。ガタガタ震え出した。

「ひぃいいい。俺のタマタマ潰さないで。みんな逃げろ」

 そして冒険者♂は逃亡した。

 続いて、他の冒険者♂達も逃亡した。


「ウチの悪名、ここまで拡散してたんか」

 セィソがこめかみを押さえて頭をかかえた。

「まぁ、気にするな。ゴブリンを全滅させた英雄だろ!」

 SNSもないのに情報が拡散してるねぇ。

 

 さっきまで、熱気でムンムンしていたギルド内は、男達が逃亡してガラガラになっていた。もはや祭りの後といった感じだ。

「じゃぁ、ワイバーンの素材でも換金するか」

「せやな。ほんで、今夜の宿も確保せんなんな」


 そうして、俺達は受付嬢のところへ行き換金を済ませ、宿へ向かった。

次回、ようやくムキムキマッチョの悪役令嬢、ベアトリス・フレイムシュートが出てきます。

あー、ここまで長かった。


前にも書きましたけど、この小説いう悪役令嬢の「悪役」とは、女子プロレスの「悪役」のニュアンスで使っています。え?悪役詐欺?そんなこと言わないで、石投げないで、きゃ~。


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― 新着の感想 ―
[一言] 子供の名前は決まってるのかな( ´∀` ) にしても……まぁ、男としては一大事な事になるから台風並みに、男は警戒してるのかな全世界規模で(;゜Д゜)
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