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14,冒険家と新人騎士

第二章はじまります

 ~・~・~・~・~


 「ここ遺跡の入口ですよね?みうのところには行けなかったんですか?」

 私たちは遺跡の入口に[移動]しました。すでに辺りは暗く、星の光だけが頼りです。

 

 「城の中がどうなっているかわからん。まずは様子見だ」

 それはそうですけど、早くみうの無事を確認したいです。

 

 「何の様子見だい?」

 どこからか声がします。聞いたことのない声、いったい誰?


 「あんたは誰だ?」

 「私?私はヴォルカン、ただの冒険家だよ。で、キミは誰だい?」


 「俺はレン。今はこの国の雇われ兵、といったところだ」

 「そうか、キミが……とすると、あなたが今回の巫女、というわけだね」

 レンさんとはタイプの違う王様感ですね、などと考えていると話を振られます。この方も視線からすでにかっこいい。


 「はいっ、私はひなと申します。ヴォルカンさんはどうしてこんなところに?」

 レンさんの視線を感じましたが私は質問します。レンさんは当然かっこいいです、魔王っぽくて。


 「ひなさんね、了解。レン君とひなさん、覚えたよ。これからよろしく頼む」

 そういって彼はレンさんに手を差し出します。


 「どうしてここにいるんだ。握手はそれからだ」

 レンさんは私の前に出て問います。


 「すまない少々急いてしまったようだ。この辺りに怪しい気配を感じてね。それは――この通りここにある」

 ヴォルカンさんは瓶に入った黒い霧を見せてくれます、ってそれは。


 「どうやって捕らえたんだ、それは俺たちが取り逃がしたものだ」

 「だろうね。主のもとに帰ろうとしていたのだろうが捕らえさせてもらった。この中からは主に連絡は取れないから安心してくれ」


 「ただの冒険家ではないな。あんた何者だ?」

 「冒険家、だよ。ここでまた巫女を出す闘技会が開かれると聞いてね。優勝者と巫女がどんな人なのか、と見に来たんだよ」

 

 なんだかずっとはぐらかされています。ほんとに大丈夫でしょうかこの方は。

 「おっと、手厳しい表情だねひなちゃん、大丈夫私は君の味方だ。君の味方かはまだわからないけど」

 「レンさんの敵なら私の敵です。気安く名前呼ばないでください」

 なんなんですか、もう。嫌な感じです。


 「ああ、いや、すまない、そうだね。レン君はどうして闘技会に?」

 「ここの陛下に頼まれてな、食べ物住むところの確保だ。なにぶん俺は記憶がないものでな」

 「ふむ。それで手始めにこの遺跡を解放したと。わかった了解だ、なら城に戻って報告するとしよう」

 

 「待ってください。ここがとらわれたのはこのお城にいる預言者さんが私たちをここにとどめておくためにしたかもしれないんです」

 私の言葉を聞きながらヴォルカンさんは瓶を振りつつレンさんを観察しています。

 「……なるほど。ならこの遺跡から出たものがこの瓶に入っている限り、まだ向こうには知られていない、というわけだね」

 そうなんです、ほんとにナイスタイミングだったんですヴォルカンさん。

 

 「ああ、おかげで時間が稼げる。一晩はゆっくりできるな」

 「そうです、早くみうが無事か確かめないと!戻りましょう!」

 「ふむ。では私もご一緒してもよろしいかな、レン君」

 

 「ああ、わかった。俺に触れておけ」

 レンさんが手を差し出します。握手成立です。

 私もレンさんの反対の手を握ったところで[移動]です。


 ~・~・~・~・~


 「あ、お帰りなさいませひな様、レンさん、と……こちらの方はどなたですか?」

 「みぃーうーーーっ!無事だった?どこもケガしてない?変なことされてない?あとあとええっと……ご飯は食べた?」


 「いいえ、なんだがひな様が大変ご無理をしているように感じていたので食事はまだですよ」

 「みぃぃーーうぅーーーーーっ!大丈夫だよぉーわたしぃ。……みうに抱きついたら元気出てきたかも」

 「そんなわけないですよ、ひな様。お食事にいたしましょう。ところでそこの方は?」


 「ああ、ヴォルカンだ。わけあって一緒に来てもらった」

 「ヴォルカンです。どうぞよろしく」

 ヴォルカンさんが素敵なお辞儀をします。様になってます。冒険家ってこんなものなのでしょうか?


 「よ、よろしくお願いします、ひな様、ここにおります巫女様の宮仕えをしておりますみう、と申します」

 みうが私を胸に抱いたままあいさつします。私の方が小さいから全く視線を遮ってないので問題なし!


 「すまんなみうよ、おそらく本当に回復しているのだろう。ひなをしばらく頼んだぞ」

 「……レンさんどちらに?」

 「食事だ、持ってくるよう頼んでくる。ヴォルカンはどうする?」

 「そうですね……あまり歩き回りたくはないのですが」


 それはそうです、一応あやしい冒険家ですよ。

 「まあ、そういわずに行こうではないか。あんたの分の食事ももらわないといけないしな」

 「それは確かに。では参りましょうか」

 「ではもう一人も顔合わせしておいてもらおうか」

 そう言うと扉をノックするレンさん。


 扉が開きます。


 「話は聞こえていたか?こやつがヴォルカンだ」

 「ヴォルカンです。よろしく」

 「はい、初めまして。よろしくお願いします」

 深くお辞儀します。


 あれ?

 「レンさん誰ですかその方。知り合いですか?」

 「ここに来たときちょっとな。そういえば名を聞いていなかったな」


 「はい、私はカイトと申します。城内待機の騎士の生き残りなのでこの部屋と宮仕えの方を守る任についています」


 「え、どうゆうことですか?騎士団長さんや部下さん以外もいなくなってたんですか?」


 私の動揺を見てカイトさんが説明してくれます。

 「闘技会予選の日、負傷した騎士以外は予選通過した騎士の特訓に駆り出されたのですが、私は新入りで騎士になりたての身、皆さんの邪魔にならないように一人特訓していたんです。その後負傷した先輩方を見舞おうとしたのですが誰もおらず、練習場にもよったのですが誰も。それからあとは魔導師長さんに事情を話して来賓警護をしていたんですがその間に……」


 魔導師長さんも消えてしまった、と。

 「他の地域から騎士を呼び寄せる予定だそうですが、早くても明日になるとのことで。なので私がここの警備を、と志願させていただきました」

 「なるほど。カイトよ、よくぞ守り切った、感謝する」

 「ありがとうございますレンさん」

 「私からもありがとう、みうを守ってくれて」

 「はい、巫女様」


 「硬い!わたしはひな、こっちはみう、いいカイトさん?」

 「はい!わかりました、僕のことはカイトで結構ですので」

 

 「うん、やっぱり私じゃないよね、合わないもん」

 ヴォルカンさん含め皆さんで笑います。これで少しはなじめたかな?

 

 ――何か問題がある発言がいくつかあったと思いますが、先に食事です!

次回より登場人物が増えます。

会話文での進行も多くなりますので読みにくさ等を感じたら

ぜひコメントください。

感想等も待っています!


いつも読んでくださる方、本当にありがとうございます。

今日初めて読んでくださった方、いらっしゃいませ。

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