分かってない奴が多過ぎる
「ハイヤァ!」
「たぁ、とう!」
料理屋でカンフー映画のアクションシーンのように、双方激しい戦闘を繰り広げている。
基本的に皆真面目に戦っているのだが。
中には……。
「やあやあ、我こそは肥後の国の住人!」
戦う相手をフビライ (もしくは元の兵士) と勘違いしているのか。佳君は日本の武士になりきっている。
「佳君、名乗りなんて上げんでいいから戦え!」
無論、俺は佳君にツッコミを入れる。
「やあやあ、我こそは肥後の国の住人!」
「バカ、クラミー! 佳君の真似なんてしなくていい!」
この様に昔の武士の如く、名乗りを上げて1対1で挑む武士気取りの格好つける奴。
「わああああああ! どうすりゃいいの!?」
「こんな状況でどう戦えばいいんじゃ!?」
敵味方の入れ混じる戦いに慣れてないために、どう戦っていいか分からないで混乱する奴。
「ギャアアアアアア!! 恐いよぉ!」
「助けてええええええ!!」
そしてビビって逃げ惑う臆病者。
などなどの問題児も少なくなかった。
それもこれも集められた冒険者達が実戦経験に乏しいレベルの低い奴ばかりなのが原因。
そんなんだからいきなり苦戦を強いられる。
「えぇい! 戦い難い!」
また、大人数で料理屋という狭い場所で戦うもんだから、戦い難いったらありゃしねぇ。
そのせいで間違って味方の冒険者を攻撃してしまう者も……。
「こうなりゃ!!」
そんなんだから、俺は打開策として、料理屋の窓をぶち破って外に出る。
屋外なら、ちょっとは戦い易くなると考えたからだ。
「みんな、ルネ君に続いて!」
「「「「曹操様の仰せのままに!」」」」
俺に釣られて曹操及び、その信栄太が敵ともつれたまま外に出る。
「俺達も行くぞ! 冒険者共を逃がすな!!」
「「「「ハハァ!!」」」」
ウーツも部下達を引き連れて、屋外に出た冒険者を追う。
んで、両軍は特撮ワープするかのごとく、街の外に間面転換。
そして戦いは仕切り直される。
しかし、そこでも……。
「ウーツ、オマエはこのジェミーハリー・トーマス・エイブラハム・ギデオンチャールズが倒してや……ギャヮ!?」
懲りずに名乗りを上げるものがまだいた。
しかも名乗りが長過ぎるせいで、決め台詞言ってる最中に、弓矢で胸を貫かれる。
「無念!」
んで、死んでしまう。
派手な男前だったのに。まったくの見掛け倒しである。
「よくもやったな! トーマスの敵は、このトム・ト・ジェリーが打つ!」
今度は闘牛士風のコスチュームを着た、ショートヘアの美少女が仲間の敵討ちをしようとする。
しかし、トム・ト・ジェリーだなんて、凄い名前だなぁ。
「ハァアアアア!」
勇敢に突っ込んで行くが。
「ギャアアアアアア!」
数人係で串刺しにされてしまう。
この様に口先だけの冒険者ばかりで。殺される者が後を絶たない。
なお、ウーツ軍団の数は百数住人。
それに対して冒険者連合軍 (仮) の数は、ウーツ軍団の役三倍。
しかし、戦闘経験とチームワークで大きく劣るために、数に勝る冒険者連合軍 (仮) が押される結果となっていた。
戦い方が分かってない奴が多過ぎだ。
これでは古典的な烏合の衆である。
「怯むな! こちらの方が数が多いんだ。数で押し切れ!」
挙げ句、数で押し切るようなバカな戦い方を指示する者までいるから、ますます不利な状況になる。
「えぇい! バカ共が!」
俺はそんな不甲斐ない冒険者達に苛立ったので。先陣切ってウーツ軍団のど真ん中に突っ込んで行く。
「オリャアアアアアッ!!」
「「!? !? !?」」
そして、敵二人を居合い切りで秒殺。
攻撃された二人は何が起こったのか分からないまま死んでいった。
「よくもルーパとパルを殺ったな!」
仲間を殺されたことにウーツ軍団の一人が怒り、俺に剣を振りかざす。
「なんの!」
だが俺はやすり剣で難なく受け止める。
「なにぃ!?」
「俺はザコとは違うんだよ!」
そして受け止めた相手の剣を弾き返し、グサッとやすり剣で腹を貫く。
「どうした。この程度か!」
勢いに乗って、少し主人公っぽく決めてみる。
俺かっこいい♪




