表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男がゲームで女性キャラクター使ったって、いいじゃねぇか!  作者: 黄金の右脚
クラミーの新しい武器
34/56

引き抜き


「……そうだ!」

 力士になろうかと俺が妄想に浸ってると、クラミーが何か思い付く。

 なんか嫌な予感。


「二人共、ちょっとええかな?」

 クラミーがスネークアイズと空太そらぶとりに言い寄っていく。

 それは何か下心ありそうな感じ。

「良かったら、俺達のパーティーに入らない?」

 クラミーが思い付いたことは、二人を引き抜こうというものだった。


「俺達のパーティーは男だけだから、キミ達みたいな花が欲しいんだよ~」

 おべっか言って二人を良い気持ちにさせて、クラミーは事を上手い事進めようとした。

「そう言われてもー」

「困りますぅ」

 二人は口では困っている装いだが、二人 (特にスネークアイズ) は満更でもない雰囲気だった。

 所詮は本音と建て前か。


曹操君そうそうくん、クラミー君があんな事言ってるけど、いいの?」

 一切口出ししない曹操に、佳君よしくんが良いのか恐る恐る尋ねる。


「決めるかどうかは、彼女達の自由だ。だから私に決める権利はないのだよ」

「そう言うものですか?」

 曹操の考えは、自由を尊重した考えだった。


「なんと柔軟で器の大きいヤツだ!? 曹操、あんた大物だねぇ」

 思わず俺の心に思った事が、口から出てしまった。

「ルネ君、ちょっと持ち上げ過ぎじゃない?」

 曹操はそう言ってたが。内心では、ちょっと嬉しそうに思っていた。


「そう言うもんなのかなぁ?」

 その一方で、佳君は曹操の偉大さをイマイチ理解できずにいた……。


「……ってなので、どうかな?」

 俺と佳君と曹操が話し合ってる間に、クラミーは熱心にスネークアイズと空太を口説き落そうとしていた。

「「うーん……」」

 クラミーの言葉に二人の気持ちは揺れ動いて、もう一押しというところまでこじつけていた。

 しかし……。


「んで、キミ達が仲間になってくれたら、俺と××××や××××とか×××××××してくれない?」

 ※ クラミーの発言があまりに卑猥なので、音声を一部変更してお送りしました。


「どう?」

「「ピクピク! ピクピク!」」

 スネークアイズと空太は、拳を強く握り締め、ピクピクと怒りに震えていた。


「ねぇ、どうかな?」

 しかし、そうと気づかないクラミーは、二人に言い寄っていくが……。


「変態!!」「スケベ!!」

「ブッフゥ!?」

 怒った二人のビンタをモロに食らってしまう。

 なお、スネープアイズに右の頬を打たれ、空太に左の頬を打たれた。


「グッヘェェ!?」

 あまりに強烈なビンタを食らったため、クラミーはその場にヨロヨロと倒れる。

 失神だ!

 クラミーの頬には、ビンタの跡がくっきりと赤く残っていて、正直痛々しく思った。

 立派なモミジだな、こりゃあ。


「ふんっ!!」

「……」

 一方、スネークアイズと空太はプリプリと怒りながら帰っていった。

 まあ、彼女達の気持ちは分らんでもないが……。


「うーん……。はっ!?」

 俺が何もできずにスネークアイズと空太の帰る後ろ姿を見詰めていると、クラミーが意識を取り戻す。

「クラミー、大丈夫か?」

「あんにゃろう! 女の頬をつなんて、男の風上かざかみにも置けないひでー野郎だ!!」

 クラミーは起き上がって早々に文句を叫ぶ。

 そうは言うが、二人は体は男だが中身は女。

 こちらは体こそ女だが、中身は男。

 どちらが男で、どちらが女なのか簡単に決め付ける事はできない。

 正直、扱いに非常に困る。


「叩き切ってやる!」

 本人はそう言ってたが。肝心の相手は、二人共もういなかったが……。


「クラミー君、落ち着いてよ!」

「そうだぞ、クラミー!」

 このままではクラミーがスネークアイズと空太を闇討ちしかねん勢いだったので。俺と佳君はクラミーを落ち着かせるため、必死に宥める。


「彼女達はまったく悪くないぞ! クラミー、今回はお前が全面的に悪いんだから!」

「むぅ……!」

 俺が正論を言うと、クラミーは反論するのをやめて、黙り込んでしまう。


「佳君~!!」

「おわっ!?」

 そして泣きじゃくる子供が親に同情を求める様に、佳君に泣きついてくる。

「佳君、あの野郎がね! あの野郎がね!」

 こんな状態でも、クラミーは自分の正当性を証明しようとする。

 だが、クラミーがスネークアイズと空太にした事が自業自得なのは、明らかだが……。


「よし、よし」

 しかし佳君は、母親が泣いてる子供をあやす様に、クラミーをなだめかす。

「え~ん、え~ん、え~ん」

 クラミーはその行為に甘え、佳君の胸に自分の顔をうずめてくる。

 しかし……。


「え~ん、え~ん、え~ん♪」

「佳君、そいつ全然泣いてないぞ!」

 クラミーは口では泣き声をあげているが。目からは一粒の涙も流れていなかった。

 要するにウソ泣きだ。


「まあまあルネ君、そう言わないで。クラミー君が可哀想じゃないか」

「佳君……」

 と、クラミーを甘やかす有り様。

 佳君、キミは優しい良いヤツ化、呆れたお人好しのどっちかだな。


「♪~♪~」

 優しくされるとクラミーは、図に乗ってく。

 右手で佳君の胸を揉みながら、顔を胸の谷間にうずめてスリスリしている。


「もうたまらーーーーーーーーん!!」

「きゃあ!?」

 調子に乗ってくけあがった挙げ句、クラミーは佳君を押し倒してしまう。


「佳君の初めて、いただきま~す!」

 そして佳君相手に性行動をしようとする。


「やめんかバカ者!!」

 見るに堪えられないものだったので。俺はクラミーの頭を本気でぶん殴ってやった。

「ぐおおっ!?」

 ぶん殴られたクラミーの頭には、たんこぶが一つできた。

「ドテッ!」

 そしてその場に倒れた。


「ルネ君、助けてくれてありがとう」

「あ、あぁ……」

 別にお礼を言われるような事をしたつもりはなかったが。佳君にお礼言われた。

 まあ、言われて悪い気はしないがな。


「うえーん、痛いよ~! マジで痛いよ~!」

 俺がちょっといい気分に浸る一方で、クラミーはギャーギャー喚いている。

 さっきはウソ泣きしたクラミーだったが。今回はマジで泣いてた。


「クラミー、そもそも何故に彼女達にあんな事言ったんだ?」

「だって、女の体を活用するチャンスかと思って」

「そういうのは、思うだけにしときなさい!」

「だって、妊娠できるか気になったんだもん!」

「まだ言うか!」


「アレは絶対に聞かないといかん事だ! 聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥だからな!」


「分からない男おおおおおおおお!!」


「俺は (体は) 女だ!!」

 この時俺は、クラミーは失敗に懲りない男 (女?) だと、つくづく思った。


「……あのー、お取り込み中のところ悪いのですが。ちょっといいでしょうか?」

 口喧嘩中の俺に、曹操が申し訳なさそうに訪ねてくる。


「なんだ、曹操!」

「わっ!?」

「あ、ごめん!」

 口喧嘩中だったため、俺は勢いで怒っているみたいな言い方で、曹操に返事してしまう。

 そのせいでちょっと驚かせてしまった。

 


「それで、曹操。なんなんだ?」

「はい。もう一つ話ておきたい事がありまして」

「話? いったいなんだ?」

 なんだかよく分からなかったが。俺は曹操の話を聞く事に。

 クラミーとの口論は後回しだ。


「実は皆さんが倒した毒イノシシは……」

 曹操は俺の耳元にごにょごにょ話しで教えてくれた。


「え! それホントに!?」

 その内容に驚かされた。

 俺達が倒した毒イノシシは俺達と闘う前に、何者かと闘い、致命傷を負ってたのだと。

 恐らく前に闘った人が毒イノシシのHPを削るだけ削って、殺されてしまったのだろう。

 そのため、当時レベル1の俺達でも、数多くの冒険者との闘いを潜り抜けた歴戦のモンスターを倒す事ができたわけだ。

 

 今思えば、あの毒イノシシは傷だらけだったなぁ。

 

 その事に加え、佳君の攻撃がクリティカルヒットした事で、毒イノシシを仕留めたのだと推測される。

 つまりはビギナーズラックだったわけだ。


「うーむ……」

 俺はこの事実を聞いて落胆した。

 そして、自分達の強さを過剰評価してただけの自惚れ野郎だったと気付かされた。

 強くなれない理由が、よく分かった。

 俺は慢心な態度を改め。修行をやり直さねばと、志を立てるのだった……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ