表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男がゲームで女性キャラクター使ったって、いいじゃねぇか!  作者: 黄金の右脚
クラミーの新しい武器
31/56

蛍光灯ソード


「……うーん、どれにしよっかなぁ~」

 いきなりだが、俺達は今、武器屋にいる。

 それもこれも昨日の戦闘で、クラミー (マサ) のカリ棒が一本破壊されてしまったからだ。

 一応、一本でも闘えるのだが。

 本人の二刀流で闘いたいたと、強く希望して一歩も譲らないのだ。

 であるからして。新しい武器を買う流れとなった。


「しかし、ルネ君。中々の品揃えだと思わない?」

「だな」

 佳君よしくんの言う様に、品揃えは豊富。

 武器屋は狭い店だったが、様々な武器が所狭しと陳列されていた。

 ちょっと見てみると、ロールプレイングゲーム定番の剣や杖はもちろん。ヌンチャクや六尺棒なんて武器もある。

 しかしどういうわけかカメラやタイヤなど、普通武器として使わない様なものまで売っている。

 これでは武器屋じゃなくて、雑貨店である。

 ここ本当に武器屋か?


 まあ、それはさておき。

 クラミーは武器を選んでるのだが。

 選び始めてからすでに小一時間が経過している。

 選んでいる本人はいいが。待ってる俺と佳君は暇で仕方ない。


「クラミー、いい加減にしろ! いつまで選んどる気だ!」

 あまりの遅さに、俺は痺れを切らしてクラミーの胸ぐらを掴み、に文句を言った。

「男ならパパッと決めろ!」

「男じゃないわ。今は女よ~」

 クラミーは俺の手を振り払うと、体をクネクネさせながら女みたいな声 (?) で反論してくる。


「声を高くするな! 気色悪い!」 

 見た目が女でも、声が男なので高い声を出しても気色悪いだけ。

 これじゃあオカマかニューハーフと会話してる様なもんだ。


「ルネ、女の子のお買い物は、時間がかかるものよ」

 世間ではそう言われているが。それとお前の事は関係ないと思う

 結局、武器が決まったのは、それから三十分後の事だった……。


 ◇


 武器の購入後、クラミーは早速試してみる事にした。

「それで、どんな武器にしたんだ?」

「これ♪」

「なんじゃこりゃあ!?」

 クラミーが出した武器は、直管タイプの蛍光灯そのものだった。

「クラミー、なんだよそれ!?」

「『蛍光灯けいこうとうソード』だ」

「それ武器だったのか!?」

「もちろん!」

 ドヤ顔で胸張ってたが。

 現実世界にこの様な武器は存在しない。

 はたしてどの様な武器なのか?


「この武器はな……」

 クラミーが説明しようとしますが。

 クラミーは説明がヘタクソなので、変わりに俺が説明します。

 蛍光灯ソードは読んで字の如く、蛍光灯の様な剣だ。

 

 使い方は、蛍光灯ソードに一定量の電気 (電流) を注ぎ込む事でガラス管部分が光る。その状態で剣のように振り回せば、金属板をも切り裂く程の威力を発揮する、破壊力抜群の武器だ。

 しかし、優れた威力を発揮する一方で、エネルギー効率は悪い。

 無暗矢鱈むやみやたらと使うと、あっという間にエネルギー切れを引き起こしてしまう。

 さらに、エネルギー切れになると光が消えてしまうため、外見からエネルギー切れが露呈ろていしてしまうという致命的な欠点もある。

 そのため蛍光灯ソードは少々扱いにくい武器と言える。

 説明終わり。


「……ってな武器だ。どうだ、すげーだろ!」

 なんてクラミーは胸張って、自慢話気味に説明してるが。

 これは選択ミスだと俺は思った。

「クラミーはこの武器をマジで使うつもりか?」

 一応念の為に聞いてみるが。

「あったりまえだ!」

 と、ドヤ顔で言う有り様。

 どうやらマジらしい。


「でも、クラミー君。その武器は使い勝手がよくないらしいよ」

 佳君もその事に気付いたようで。エネルギー消耗の激しさ (問題点) を指摘したが……。

「だいじょうぶだぁ。解決方法は考えてある」

「「解決方法?」」

 その解決方法とは?


「電気を生み出せばいいんだ!」

 クラミーは胸をドーンと叩くと、解決方法を豪語した。

「確かに理論的にはそうだけど」

「その方法が問題だろ」

「忘れたか? 俺は魔法少女だぞ」

「「?」」

 クラミーの訳の分からない説明に、俺と佳君はクラミーの言葉の真意が理解できず、二人揃って首を傾げるが。


「そうか! 雷の魔法特性か」

 そう。クラミーの種族は魔法使い族 (ちなみに俺は戦士族) だ。

 魔法使い族は、基本的オールマイティーな戦士族と違い、全体的なスペックで劣る反面。魔法攻撃に優れている特徴がある。

 魔法攻撃には属性があり 火・水・雷・地・風・光・闇 の七種類がある。

 クラミーは、その雷の魔法で蛍光灯ソードのエネルギー問題点を解決しようと目論んでいるいる模様。


「でも、クラミー君が都合良く雷の魔法特性を持っているかな?」

 佳君の疑問ももっとも。

 魔法使い族だからといって、全ての属性魔法が使えるわけではない。

 使える魔法は本人の魔法特性によって決定する。

 従って、水の魔法が使いたくても、所有する魔法特性が火の場合は、水の魔法を使用できない。

 

 また、魔法特性がどの属性なのかは、使用するまで本人にも分からない。厄介な代物だ。

 そのためか、種族を魔法使い族にしているプレイヤーは少数派。


 まあ、説明はこの辺にして。

 取り敢えず俺達はクラミーが雷の魔法を使えるか調べてみる事に。

 なお、街中で武器を振り回すと、他の人に迷惑がかかる。

 であるからして、俺達は調べる場所を『黒い森』にした。

「黒い森に来るのも久し振りだな」

「佳君、まだ三日目だよ」

「そうだっけ?」

「そうだよ!」

 俺達三人が『黒い森』に召喚されてから、まだ三日しか経過してない。

 けれども、もう何日も過ぎた様に感じるから不思議だ。


「ここなら誰かに迷惑もかからないからいいな」

 黒い森は朝も昼も夜も薄暗く、薄気味悪いので人もモンスターもあまり近寄らない場所。

 それが故に修行するにはもってこいの場所だ。


「んじゃあ、やるか」

 そう言ってクラミーは蛍光灯ソードを出して試そうとする。

 しかし、そう都合良く雷の魔法特性を持っているとは思えなかったが。

「できた♪」

「マジか!?」

 もの凄く簡単にできてしまった。

『論より証拠』とは言うが。これにはビックリ。


「どーだ! 俺の素質はすげーだろ」

 ことが上手くいったクラミーは、露骨に自慢してくる。

 正直うざったい。

「しかしクラミー君、よくできたね」

 けれども佳君はこの様なうざったい行為をされても、何とも思ってない。

 寛大なのか鈍いかのどっちかだな。


「使えるの知ってたからな」

 クラミーは口ではそう言ってるが。

 実際には知ってたのではなく。思い込んでただけなのだ。

 つまりクラミーの根拠のない自信が事を可能にしてしまったと言える。

『為せば成る、為さねば成らぬ何事も』か……。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ