名前変える?
「なぁ、みんな。考えてみたんだが。俺達も委員長みたいに名前変えてみないか?」
必需品を買い揃えた後。部屋で休んでいると、マサはある事を話だす。
「なんで名前を変えるんだ?」
「だって俺達美少女なんだぜ。なのに男の名前じゃ、変だろ」
「それもそうだな」
またマサが変な事を思い付いたと思ったが。今回は的を射た考え。
今回は素直に良いと思った。
「しかし、マサにしては、よくそんな事思い付いたな」
「へっへ~ん。実は委員長が名前変えた事で、俺も思い付いたんだ」
マサは鼻を擦りながら自慢気になっているが。要は委員長に影響されただけだ。
「んじゃあ、やるか」
で、俺達は新しい名前を考える事に。
「なぁ、佳君はなんて名前にすんだ?」
佳君にもたれかかりながらマサが問い掛ける。
「僕はこのままでいいよ」
「んだよ、それ!」
乗り気でない佳君に、マサはつまらないらしく、唇を尖らせてる。
「ちょっとは考えたらどうだ?」
「自分の名前が気に入ってるんだ!」
珍しく佳君が声を荒げている。
しかし、佳君は口ではそう言っているが。目が泳いでいた。
佳君は嫌がってるのだ。
俺には心当たりがあったから、なんとなくピンときた。
それは佳君のネーミングセンスの無さだ。
はっきり言って佳君のネーミングセンスは悪い。
過去にその事を当時のクラスメートから馬鹿にされた経験がある。
そんな経験があってか。佳君は名前を付けるのが好きでなくなったらしい。
「しかし佳君。佳史って名前じゃあ、女の名前として使うのはムリがあるぞ」
けれども言うべきところはしっかりせねば。
俺は佳君に正論を述べた。
「うっ! 確かに」
んで、佳君考える人になる。
「……じゃあ『佳』で」
「佳?」
佳君の考えた名前は、無難なものだった。
「殆ど変わっとらんな」
正直、普段の佳君ならば悪い意味で、もっと凄まじいネーミングセンスになっていた筈だ。
「しかし、佳君。ひねり無さ過ぎだろ」
確かにマサの言う様に、ひねりはない。
「でもまあ、ギリギリ女の名前として通用しなくもないな」
「でも、ひねりがねぇな」
マサはまだそんな事言っていたが。
ハンドルネームとは言え、これも個人の意思が優先される。
従って、一発ギャグみたいにウケ狙いする様なものではない。
「これでいいの! れに個の名前なら今までと同じ呼び方でいいでしょ」
「「確かに」」
佳君の考えは合理的。
これには俺もマサも頷いた。
「さ~て、どんな名前にしようか?」
佳君の名前が決まると、次は俺とマサだ。
俺は腕を組んで、難しい表情で考え始めていると……。
「俺はもう決まってるもんね~♪」
と、ニヤニヤ顔でマサが擦り寄ってくる。
「で、どんな名前だ?」
俺はマサを払い除けつつ、投げやりに聞いてみた。
「『クラミー』だ♪」
「クラミーか……。いい名前だな」
「だろ~」
マサは鼻高々。
相変わらずと言えば、相変わらずだが。マサのネーミングセンスは中々のものだった。
「さぁ! 決まってないのは功だけだぜ」
「急かさないでくれ! 急かされると思い付くもんも思い付かなくなる!」
「そ、そうか……」
急かすクラミー (マサ) に、俺はちょっと怒り気味に言ってしまった。
そのせいでクラミーは少し引き気味になったが、仕方ないだろう。
まあ、クラミーの事はさて置き。仕切り直し。
「うーん……うーん……う~ん……」
※便所で力んでいるわけではない。
唸るぐらい悩んでいるのだ。
しかし、名前を決めるってのは簡単に見えて、意外と難しい。
「子供に名前を付けるのも、こんな感覚なのだろうか?」
俺は頭を抱えたまま膠着状態になっていた。
◇
「そうだ!」
考え出して十分。ようやく名前が思い付く。
「んで、なんて名前だ?」
クラミーが尋ねる。
「『ルネ』だ」
「ルネ……。いい名前だな、ベイビー!」
「……」
褒めてるんだと思うが。クラミーの言い方はヤンキーぽかった……。
「やる事もやったし。今日はもう寝よう」
「だな」
「確かに今日は疲れましたね」
で、俺達は眠りにつくのだった。
◇
「……」
寝ながら俺は、今日の大敗北を思い出しながら、もっと強くならなくてはと思った。
後、今日変えてみた髪型が気に入ったので。俺と佳君は髪型を新しい髪型のままにする事にしちゃったのでした (笑)




