腹へった~
期待する成果を上げられなかった俺達は、どんよりした気分。下向いて沈黙の時間を過ごしていた。
「あっ」
けれども沈黙の時間は長くは続かなんだ。
誰かの腹が、ぐうぅうぅう~う、と情けない音で鳴る。
「ごめん。僕だ」
「佳君……」
佳君の腹の音にちょいと呆れたが、ある意味落ち込んだ雰囲気をぶち壊してくれた。
「……飯でも食うか」
「賛成♪」
「実は俺も腹減ってたんだ」
かくして俺達は腹を満たすために、再び屋台街に行く。
◇
「焼売いらんかね~」
「肉まんいかがかね~」
屋台では多様な中華料理があり、どれも旨そうだ。
「クンクンクン。美味しそうな匂いだ」
佳君は鼻をひくひくさせて、料理の匂いを嗅ぐ。
品の無い行為だが、空腹時にできたての料理の香りはたまらん。
匂いで客を釣る。屋台の醍醐味だな。
「すいません。肉まん6つください」
俺達は肉まんを2個づつ買った。
「旨そうだ♪」
肉まんの値段は百二十マルク。
大きさは、コンビニで売ってる中華まんよりも一回り大きかった。
「「パクッ」」
俺とマサは肉まんを同時にパクリ。
「旨い!」
「だな! 現実世界の肉まんよりも旨いかもしれねぇ」
「〇グ・ホライズンの世界みたいに、味のない料理かと心配したが。いらぬ心配だったな!」
マサのせいで甘酒を飲み損なってしまい、味が分からなかったが、この肉まんのお陰でちゃんとした味のある食事が食べれる事が分かった。
「じー……」
肉まんをバクバク食べる俺とマサをよそに、佳君はなぜか右手と左てに1個づつ持った肉まんを見つめていた。
「!」
そして佳君が何か思い付く。
「マサ君、功君。見て見て」
何を思い付いたのか、佳君は2つの肉まんを自分に押し当てて、
「おっぱい」
と、ボケてきた。
「ブッ!?」
佳君の突然の一発ギャグに、俺は思わず吹き出してしまう。
「佳君いきなり何を言い出すか!」
「いやぁ、暗い雰囲気を明るくしようと思って」
「それで一発ギャグを?」
「うん」
佳君はコクリと頷く。
「……」
確かに佳君が思ったように。気分はまだ晴れきってなかった。
が、この行為に俺はちょっと呆れた。
いきなりの一発ギャグは正直言って、どうかと思う。
「ギャハハハハハハハハ!!」
一方で、マサの方は佳君の一発ギャグがにはまったのか、大爆笑している。
「ビャハッハハハハハハハ!!」
よほどツボったのか、マサはのたうち回って、この世の終わりかと思うぐらい笑っていた。
その後、マサは20分以上笑い続けた……。
◇
「あー、苦しかった!」
マサは落ち着いたが、息切れ寸前の状態。
まさに笑い死にする一歩手前だった。
「佳君。いい加減胸に押し当てた肉まん食っちまえよ」
「分かった」
で、佳君肉まんを慌てて食べだす。
どうでもいいことだが、胸に押し当ててた肉まんよりも佳君の胸の方が明らかに大きかった。
ぶっちゃけ、かなりデカい。いったい何センチあるだろうか?
まあ、それはともかく。
食事を終えた俺達は、風呂屋に行くのであった。




