これがこの世界の街か
さて、森を出た俺達は闇雲に歩き回って街を探す。
運のいい事に、街は森から数百メートル程度しか離れてなかった。
「おわー! すげー壁だな」
街には3メートルを超える高い壁。更に壁の上には有刺鉄線が張り巡らせてあり、まるで刑務所みたいなものだった。
これではよじ登って街に入るのは無理。
なので俺達は街の周囲をぐる~と歩いて入り口を探す事に。
「入り口があったぞ!」
歩く事5分。マサが街の入り口を発見。
「番兵がいるぞ。どうすんの?」
入り口には、シルクハットをかぶった、スーツ姿の番兵が1人立っている。
変わった服装の番兵だが、これは無断で街に入れそうにない。
そうかといって、出入り口はあそこにしかない。
「2人共、どうすればいい?」
「うーん……」
「そうだなぁ……」
あれこれ考えるも、結局俺達は正面から街に入る事にした。
「止まれ!」
俺達は街に入ろうとしたが、案の定街に入る前に番兵に止められる。
「お前達は何者だ?」
番兵は、俺達の事を『ジローッ』と、疑いの目で見る。
「僕達は行方不明になった仲間を探すために街に用があるんです。街に入れてくれませんか?」
佳君が事の事情を説明した。
「ということは、キミ達は冒険者か?」
「多分そんな感じです」
「なんだ。ならばそうだと先に言ってくれ」
「どうもすいません」
俺達が冒険者だと分かるなり、番兵は疑う態度をやめた。
「今街ではちょっと揉め事でごたごたしてるんだ。だから『今はなるべく人を街に入れないように』と、姫様に申し付かっているんだ」
「あ~、それで」
「そんな訳で、取り締まりを厳しくしているんだ」
「そういう訳でしたか……」
事情はいまいち分からなかったが。これで街に入れると、俺達は安心したが……。
「では【冒険者証明書】を見せてくれ」
「へ?」
なんと、街に入るには【冒険者証明書】なるものが必要だと言う。
「そんなのあるか?」
「分らん」
俺達三人は慌てて懐を漁る。
「財布みっけ♪」
マサが懐から出した財布を掲げた。
「バカ! 今はそんな物より【冒険者証明書】を探せ!」
俺はツッコミを入れつつ、必死に【冒険者証明書】を探した。
「ダメだ。ない……」
体中探したけれど【冒険者証明書】はなかった。
一気に絶望的な気持ちになってしまう。
「キミ達は冒険者ではないのか?」
「すいません。そうです」
佳君はすまなそうに番兵に頭を下げる。
「なんとか街に入る方法ありませんか?」
このままオメオメと帰る訳にもいかず、俺は番兵に頼み込む。
「一応、冒険者や商人意外の人でも入場料を払ってくれれば、街に入れますよ」
「ホントか!」
絶望的な状況から一変。
番兵の一言で希望が見えてきた。
「それで、いくら払えばいいんですか?」
「百マルクです」
この世界のお金の単位だと思うが、聞いた事の無い通貨だ。
だが、幸いな事に俺達の懐に入ってた財布に五千マルク入ってた。
「はい、百マルク」
「確かに」
佳君が百マルク払って、「さぁ、街に入るぞー」 と、思ったが。
「そこの二人。支払がまだですよ!」
俺とマサが呼び止められてしまった。
「なんだよ! 支払いはさっき済ませたぞ」
「そうだ、そうだ!」
俺とマサは番兵に文句を言った。
だけど番兵は……。
「入場料は一人百マルクです」
「あっ!」
「そう言う事か……」
結局、俺とマサも百マルク払わされたものの、これでようやく街に入れる許可が下りた。
かくして俺達は街に入るのであった。




