第6話:戦う覚悟
その日、百舌子は夢を見た。
紫髪の少女が服を少し乱し、高揚して息を切らしている。百舌子はベッドに倒され、肩を押さえつけられている。
「……いい、よね……」
少女が熱っぽく呟き、顔を近づけてきた。ふわっと漂ってきた心地のいい香りが、鼻腔をくすぐる。
少女の唇が、百舌子の唇にゆっくりと重なった。
——そのタイミングで、跳ね起きるように目が覚めた。
(いやいやダメでしょ、友達って、そういうのじゃない。……でもこれって私の願望? だとしたらあまりにも……)
外は明るくなってきたばかりのようで、小鳥の囀りが百舌子の目覚めを促していた。
「ただの夢……だよね……」
唇に軽く指を当てる、現実のような、でも夢のような心地よさを覚えている。
「……んぅぅ……」
寝息に混ざる、ユリナの甘く溶けるような唸りにドキッとして、顔に火がついたように熱が上がった。
(……今日、どんな風にユリナさんに顔を合わせればいいの……?)
そんな百舌子の戸惑いを置き去りにするように、出発の朝は無情にも幕を開けた。
「んぅ……モズコ?」
ユリナはぐっと伸びをする。そして翼を交互に乱れがないか確認している。だが、耳だけは百舌子の放つ音に向いていた。
「……おはよう、ユリナさん……。起こし、ちゃった……?」
「おはようございますモズコ。出発にはまだ早いようですよ?」
百舌子を向いて微笑む顔を見て、思わず顔を逸らしてしまう。
「……モズコ?顔が赤いようですが、体調がすぐれないのですか?」
「だ、大丈夫。大丈夫だから気にしないで……。それより早く準備しよ?しっかり食べて体力をつけないと!」
百舌子は自分でも驚くほど饒舌に、誤魔化すように部屋を出ていった。火照った頬がすこしでも冷めることを願いながら。
昨日丸一日を費やした休息によって、山へ入る緊張感はほどよく解けていたはずだった。それなのに、今は別の意味での緊張が高まってしまい、どうしても落ち着かない。
無情にも時は流れ、落ち着く間もないまま出発の刻が訪れた。
朝のひんやりした空気が、百舌子の火照った顔をやさしく冷ました。
街の山手の門にはライルが既に着いていて、装備や道具を入念に確認している。
「おう、来たかあんたたち。今日はよろしく頼む」
ライルは二人の姿を見つけると、快活に笑いながら手を挙げた。ユリナがローブを着ていても、やはり二人は目立ってしまう。
「おはようございます。今日はよろしくお願いします」
フードを脱いだユリナが丁寧に頭を下げる。百舌子はユリナの影に隠れながら控えめに会釈をした。
そんな百舌子の緊張を感じ取ったのか、ライルは頑丈そうな木製の荷車を軽く叩いた。
「そう心配することはない。狩猟拠点までの道は平坦で荷車も持っていける。あんたたちは俺についてくるだけでいい。元々そういう依頼のはずだよな」
ライルは返事を待たず、カラカラと荷車を引き始めた。
ライルの言う通り、道は平坦で車輪が小石を弾く音が、控えめに響いている。しっかりとした轍の跡からして、普段から猟に使われている道であることが百舌子にもわかった。
「そういや嬢ちゃん、この辺の人間じゃないよな。黒い髪の人間なんて今まで聞いたことがない」
「……それは……」
百舌子は言葉を詰まらせた。それもそうか、自分の住んでいた国がこの世界にもあるなんて限らない。今まで街で見た人間にも同郷らしき人はいなかった。
「私も似たようなものですが、モズコは遠い国から海を超えて来たんです。そうですよね?」
見兼ねたユリナがすかさず助け船を出してくれた。その穏やかな声に安心させるような響きがあった。
「……え、う、うん、そうなんです……」
百舌子は慌てて頷き、ユリナを見上げると、微笑みを返してくれた。
「そうか……、そういえば、あんたの紫髪も……いや、軽率だったな、深く聞くのはやめておこう。その方がおまえたちも楽だろう」
ライルは頭を少し掻き、前を向いて歩き出した。
「うちの娘がおまえたちのことを救世主だなんだと言っていたな。だがまぁ、こうして見ているとそんな風には全然見えないな。助けといてもらって何言ってるんだって話だがな、はは」
そう言ってライルは軽快に笑った。
(娘か……)
百舌子は胸の奥で小さく息を詰めた。父親に対して、いい思い出がない。その言葉が頭に浮かんだ瞬間、嫌な記憶の断片がちらりとよぎって、視界が一瞬だけぼやけた。
(……やめよう。今は、そんなこと考えたくない)
百舌子は慌てて首を振って、ライルの笑い声に無理やり乗っかるように小さく微笑んだ。
「モズコ……?」
暗い顔で俯いていた百舌子に気づいたユリナが、心配そうに声をかけた。だが、その声はどこか強張っていて、わずかに震えているように、百舌子には聞こえた。
「……ううん、大丈夫、なんでもない」
百舌子はライルの気遣いを無碍にしないように、小声で返事をした。顔を上げて無理に微笑もうとしたけれど、ユリナが唇を噛みしめているのが目に入り、視線を落としたまま小さく頷くだけになった。
(ユリナさん……?)
ユリナが百舌子のことを知らないように、百舌子もユリナのことを全て知っているわけではない。そんな当然の事実に胸が締め付けられるようだった。
二人の間に荷車の転がる音がやけに大きく響いて聞こえた。
やがて少しひらけた場所に着いた。木で組まれた簡素な小屋と石組みの焚き火の跡があった。
「ここが狩猟拠点だ。この先は道が悪くなる。荷車はここに置いていくしかない」
ライルは荷物を解き、物資を背負い直した。
「……ん?誰かいたのか?」
ライルが焚き火の跡に膝をつき、灰を指で弄った。
「まだ微かに燻っている。ついさっきまで火がついてた跡だ。踏み消し方も雑だな。だが、俺たち以外に山に入る許可は誰も取ってないはずだ……」
遭難者がいるような場所でもない。自分たちに気がついて逃げたのか、それとも、別の何かから逃げる必要があったのか。
山道を少し進むとライルが立ち止まり地面を見つめた。
「……やはりおかしい、ここに獣の足跡に重なるように、まだ新しい人の足跡がある。……面倒なことになってなきゃいいんだが」
三人に少しの緊張が走る。
猟師ではない何者かが、この山に滞在していた形跡。警戒を強めたユリナの耳がせわしなく左右に動いている。
「聞こえました……! この先で、何かが追われているような……そのような音がします!」
ユリナが急に翼を広げ、飛び始める。百舌子も置いていかれまいと必死に地を蹴った。
魔獣に対峙した時と同じ、焦燥感を持ったユリナの横顔。それが何を意味しているのか百舌子にはわからない。けれど百舌子も、誰かが傷つくことを黙って見ていられるわけがなかった。
ライルの必死の呼び止めが、背後で虚しく消えていく。
鬱蒼とした草木や足場の悪い斜面を強引に走り抜ける。呼吸が荒くなり体内の「重み」が増していくのがわかった。幸い、ユリナは木々に阻まれて思うように飛べず、百舌子との距離はそれほど離れることはなかった。
木々を抜けた先で、灰色の長い髪を振り乱しながら走る女の子の姿を見つけた。赤黒い影のような獣に追われ、ボロボロの服で傷だらけになりながら、息を荒くして走っている。その姿に、この世界に初めて百舌子が来た時のことを重ね、恐怖で震えが止まらなくなった。
「魔物っ!?」
そのユリナの声に気を取られ、足を絡ませて少女はつんのめるように倒れ込んだ。背後から近づく魔物は少女に追いつき、喉笛に牙を立てようと襲いかかる。
牙が少女の首筋に届く——その寸前で、ユリナが魔物の横腹を力任せに蹴り飛ばした。魔物は吹き飛び地面を激しく転がるが、すぐに体勢を立て直し、次はユリナへと躍りかかった。ユリナは魔物を引きつけるようにして、少女から距離をとり対処しようとしている。その隙に、百舌子は震える足を叱咤して、少女の元に駆け寄った。
(正直すごく怖い、でも……、今はユリナさんを信じて、この子を助けないと)
くすんで張りのない肌に、傷んだ灰色の髪をしている。見たところ大きな傷はないが、荒い呼吸を短く繰り返している。
「……大丈夫?」
百舌子は少女を優しく抱き起こした。
目を開けた少女は、少しの間息を整えて百舌子の目を見つめた。少女の手が肩に触れる。その瞬間——視界がぐるっと反転した。何をされたのか理解できなかった。
「なにっ、どうしたの……?」
少女は何も答えず、ゆっくりと顔を首筋に近づける。
ガリッという音と共に、首筋に鋭い痛みが走った。
「いたっ……」
少女が百舌子の首に噛み付いている。でも、それは吸血というには、あまりにもお粗末なものだった。溢れ出した鮮血を、少女は縋るように舐めている。一滴も無駄にしないように、傷の周りを舌を使って丁寧に、執拗になぞる。
「……んっ」
痛みはやがて痺れに変わり、百舌子を溶かしていく。思考が白く濁っていくなかで、ボロボロの服に傷だらけの身体で、弱々しく肩を押さえつけているのを感じた。
「……やっやめて……」
百舌子は少女を押し除けようと肩に手を置いた。でも、手のひらから伝わる感覚はあまりに華奢で軽い身体だった。力を込めれば容易に押し除けられそうなほど脆く感じた。あまりに必死に求められる様相に、無抵抗を貫いてしまった。
「……ぺろ、ちゅ、んっ」
くすんでいた肌に、少しずつ艶が戻り汗が滲んでいる。少女の舌から伝わる熱が増していく。
「んんぅ!?」
少女は驚いた様子で顔を上げて百舌子を見下ろした。頬が高揚し、息が荒くなり乱れている。
「……あ、なたの、血……、どう、して」
——その瞬間バン!と何かが炸裂したような音が響き渡った。
少女と百舌子が反射的に振り返ると、音の主、ライルが手にしている鉄製の筒の先から、細く白い熱気が揺らぎ出ていた。ライルの視線の先、硬直するユリナの目の前で魔物が赤い霧のように消滅していく。
「おい、大丈夫か!?」
ライルの鋭く響く声を聞いて、少女は我に返り、百舌子から飛び退いて逃げるように森の中へふらふらと消えていった。
「……待って……あっ」
百舌子は少女を追おうとして、立ちあがろうとした。しかしその瞬間、血を吸われた影響か、視界が回転し、強烈な立ちくらみに襲われた。
「大丈夫ですかモズコ、何があったんですか?」
膝の力が抜け、地面に手をつく。首筋の傷口が熱を持ち、ドクドクと拍動しているのが自分でもわかった。百舌子は首を隠すように抑えた。
「全然……深い傷じゃないからっ心配しないで」
「怪我?噛み跡のようですが……あの少女に?彼女は一体……」
ユリナは自分を責めるような表情で百舌子の首筋に触れた。その冷たさに、百舌子は申し訳なさで胸が痛んだ。
遅れて駆け寄ってきたライルが、手にした筒を肩に担ぎ直し、二人を覗き込んだ。
「魔物にやられたのか!?」
「いえ……魔物では……それに……大した傷ではないので……」
ユリナは心配そうな顔で、百舌子の傷を翼で優しく撫でた。
「……ライルさん。すみません。私が、冷静さを欠いて飛び出したせいで」
「いや、いい、俺も人が襲われていると知ったらそうするかもしれん。あの子も心配ではあるが……今はまず、安全な場所に戻った方がいい。それにしても、こんなところに子供がいるなんて……」
ライルは少女が逃げた先を一瞥したが、すぐに荷物を担ぎ歩き出した。
「行きましょうモズコ、立てますか?」
差し出された手を取り、ふらつく体を支えられながら、ライルの背中を追った。
(あの女の子、ただの人間にしか見えなかった。でも、私の血を吸って、身体の傷が治るなんて……。それに……)
百舌子は空いている掌を握りしめる。血を吸われたせいか、身体の「重み」がすこし軽くなっているのを感じていた。
拠点に着くとライルは焚き火の近くに座り、火を起こし始めた。
「さっきの音を聞いて、警戒しているかもしれない。しばらくここで待機だな」
さっきの炸裂音、ライルの持つ鉄製の筒、百舌子の目には、それが時代劇に出てくるような古臭い鉄砲に見えた。けれど、ライルの手元で行われている準備は百舌子の知るものとはかけ離れていた。
金属の弾を筒の先から入れ、長い棒で押し込む。ここまでは知っている。でもその後ライルは、小さな容器から手元の穴に透明な液体を注いでいた。
(あれもそういう魔術具なのかな……)
「あの……先ほどはありがとうございました。なんだか上手く戦えなくて……ライルさんの弾丸を使わせてしまいました」
神妙な面持ちのユリナが口を開いた。
ユリナは強い、百舌子もそれは知っている。でもさっきのユリナはあの魔獣の力……『刻印』を使わなかった。いや、使えなかったのかもしれない。
「それで……、報酬の話なのですが、我々の独断による不手際ですので、取り分を減額していただいても当然だと思っています」
ライルは少し頭をかいてユリナの言葉を遮るように話し出した。
「あのなぁ、あの時はあれが正解だ。いや、一人で飛び出したのは間違いだったが、人助けに理由なんかいらない。あんたが音を拾えてなきゃあの少女も危なかったかもしれない。それに、狩りの報酬なんて成果が出てから考えることだ」
ライルの不器用で淡々とした、でもたしかな優しさにユリナは黙って頷いていた。
「さて…、そろそろ行くか。日が傾く前に一頭は狩っておきたい」
ライルが立ち上がり装備を担ぎ直すと、三人は再び深い森の中へ向かった。
森を抜け、切り立った岩肌の露出する場所にたどり着いた。ライルは二人に茂みに隠れ、息を潜めるように指示をした。数頭の山羊が周囲を警戒するような動きをしている。
ライルは一人、前に出て慎重に狙う。
身を寄せて隠れるユリナの息遣いと、やけに煩い自分の鼓動だけが伝わってくる。
少しの間、静寂が続く……
『……弾けろ』
ライルの短い呟きを掻き消すように——バン!と壮絶な炸裂音が空間を揺らした。
そのあまりの衝撃に、ライルが手際よく獲物を運ぶ姿を呆然と見つめることしかできなかった。
一瞬にして命を奪う武器がある。自分もそのための武器を手にしている。でも、本当にその覚悟があるのだろうか。
自分もまた、奪う側の循環に組み込まれているのだという実感が、百舌子の思考を鈍らせていった。
薪の弾ける音が百舌子の意識を現実に引き戻した。ぼんやりと周囲を見回すと、ライルは既に血抜きや下処理を始めていた。
「……依頼は二頭分だったが、もう陽が傾いてるな。今からじゃ暗くなる前にここに戻って来られなくなる。悪いが、今夜はここで一晩過ごすことになるがいいか?明日の早朝、もう一頭仕留めてから戻りたい」
一晩真っ暗な山で過ごすということは、百舌子に少なからず恐怖を刻んだ。でも、依頼が遅れているのも事実だった。
「……それでも構いません。ユリナさんもそれでいいよね?」
「……はい、モズコが良いのであれば、私も」
ユリナは小さく頷き、そっと百舌子に寄り添った。
承諾したものの、百舌子の思考の隅には、先ほど逃げた少女の後ろ姿がこびりついていた。今も彼女は暗い森を彷徨っていると思うと、百舌子は心のざわつきを抑えられなかった。
「食っておけ。山羊の肉を香草と塩で煮込んだだけだが、少しクセがあるが美味い」
ライルが差し出したのは、木の器に盛られた煮込み料理だった。
「……ありがとうございます」
百舌子は恐る恐る、一切れの肉を口に運んだ。暖かな出汁が身に染みていく、香草の匂いと肉の旨みが互いを引き立てあっていて驚くほど美味しかった。冷えた体と心が内側から暖まっていくのを感じる。
だが、それと同時に確かな「重み」が積もっていくのを百舌子は感じていた。
「寝るのはこの小屋の奥を使ってくれればいい。ちょっと狭いが我慢してくれ。俺はこいつを燻製してから寝るから気にするな」
奥の板間は、毛皮が敷かれただけの簡素なものだった。大人一人が寝るのが精一杯の広さだった。ユリナが先に腰を下ろし、翼を痛めないように畳んだ。
「……モズコ、どうぞこちらへ」
隣に横になると、肩や腰が触れ合い体温が伝わってくる。身じろぎをするたびに翼の感触が百舌子の肌を擽った。
百舌子がとなりを向くと目があった。
ランプの小さな灯りに照らされて、ユリナが微笑むのを見て少しドキッとした。けれど、その表情は少し怯えているように見えた。
「……ユリナさん。……怖い?」
「えっ……?」
ユリナの体がわずかに強張ったのが伝わってきた。驚いたように、瞬きを幾度も繰り返している。
「……そう、なのかもしれません」
ユリナは魔物と戦ってから、口数が少なくなっているように感じていた。
「……気付かれて、いたのですね」
ユリナが畳んでいた翼で百舌子を包み込み、羽毛越しに暖かさが伝わってきた。
「あの時私は『刻印』を使うことができませんでした。おそらく私に、明確な意思がなかったからでしょうか。それと同時に戦うことがすこし怖くなってしまったのです」
当たり前だ。と百舌子は思った。あんなに恐ろしい怪物と正面から向き合うなんて、並大抵の覚悟ではできない。しかも、ユリナは王女様、守られてきた側だったであろう。
「そんなの、当たり前だよ……」
百舌子は、自分を包み込む翼の震えを、宥めるようにそっと撫でた。
「……私だって怖いし、武器を手にしてもまだ、戦う覚悟ができたなんて言えないし」
魔物と対峙した時、百舌子はまだ短剣を抜こうとできなかった。でもユリナの、彼女のためなら。
「……だからさ、私のことを頼ってよ。戦うのはちょっと難しいかもしれないけど、支えぐらいにはなれたらな。みたいな……」
自分を棚に上げた不器用な、でも百舌子にできる精一杯の励ましだった。それを言い終えてから、百舌子は自分の無責任な言葉の気恥ずかしさに顔が熱くなるのを感じた。
ユリナは、暗闇の中で百舌子の瞳をじっと見つめた。その眼差しは、驚きと、それ以上の深い親愛を感じる。
「……ふふ。あなたは、本当に……」
彼女はそれ以上何も言わず、ただ百舌子の身体を、強く、でも優しく抱き寄せた。
「えっ、ちょっ……むぐっ」
大きな翼が百舌子を完全に閉じ込め、押し付けられた胸が抵抗する声を掻き消した。密着したユリナの胸から、ドクドクと速い心音が伝わってくる。
(……暖かい、でもやっぱり、ドキドキする……)
ユリナ自身の甘い体温が混ざり合い、百舌子の思考を白く塗りつぶしていく。
そのまま、百舌子は深い眠りへと落ちていった。




