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幻魔の滅功  作者: 神代蒼龍
第一章 異界開門編

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第九話 特級怪魔降臨

〜祓魔メモ〜

伊邪那岐五右衛門

趣味:鍛錬

武功:神創刀功

学年:祓魔塾1年

容姿:祓魔塾の制服(着流し)を着ていて、鋭い目つき      

   をしている。

   剣士ということもあり腰には二本の刀を備えている。

大きな地響きが徐々に近づいてくる。

「何かが…来る…!」


―5分ほど前、玲瓏座拳心―

2人同様、拳心もまた森を彷徨っていた。

目覚めてから今のところは特段強い怪魔には会ってないな…弱い怪魔はちょくちょく襲ってきたけど…


「グルルァァァァ!」

ちょうど来た…!しかも3体か…まだ霊力には余裕があるから大丈夫か。だったら先制して倒す!


―拳帝闘神功 第二技 天拳剛波ー

天拳剛波…霊力を拳一点に集中させ、無数の拳を連撃で相手に放つ対複数の一撃必殺技である。


その動きは荒波が岩を砕くがごとく強力である。


ーホワンッー


怪魔は一瞬で塵となり、残ったのは人魂だけとなった。

この程度ならまぁ問題なく倒せるか⋯もっと俺の力を引き出してくれるようなのがいてくれたら⋯

ん?なんだあの大きな赤い光は?何にせよ!行くしかね〜だろっ!


ー同時刻、伊邪那岐五右衛門ー


「む?お前⋯2級怪魔か⋯」

グルルルッ!フハァ⋯!

「残念だがお前に生き残る道はない」

帯刀している刀の一本を抜き、構えを取る。


―神創刀功 第三技 破邪一閃―

破邪一閃…刀に霊力を込め、相手を一刀両断する神創刀功最速の一撃である。


ーホワンッー


「やはり手応えがないな⋯もうすでに50体は倒しただろう⋯」

む?あれは⋯零夜の武功が覚醒したのか?まぁ気晴らしには丁度良い⋯見に行くか⋯


ドシイィン!ズシイィン!

木々をなぎ倒して森の中から出てきたのは10メートルは優に超えている巨大な怪魔だった。

青色の肌に二本の赤い角、手には金棒、口からは二本の鋭そうな牙が見えている。目は顔の真ん中に一つしかなく、二重丸のようであり、金色の髪が生えていた。


「ブォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!!!」


なんだこのおぞましい雰囲気は?!この怪魔⋯一体何級だ?!

か、体がしびれて動かない⋯!さっき技を出したせいか⋯


「零夜?!大丈夫?」

「に、逃⋯げ⋯ろ⋯俺に⋯構うな⋯」

「そんな⋯」

その時、


「零夜!優莉香!」

左の森から拳心と五右衛門が走ってきた。

「なんだ⋯こいつは?五右衛門お前足が震えているぞ?」


「なに⋯?!」


確かに五右衛門の脚が小刻みに震えている。

「そんな馬鹿な⋯俺が恐怖を?!まさかこいつ⋯」


「特級怪魔⋯!」


「ブォォォォォォォ!」


怪魔が大きく金棒を振り上げる。

「まずい⋯!避けるぞ⋯!」

「零夜が動けないの⋯助けて⋯!」


ーバァァァァン!ー


金棒が無慈悲にも振り下ろされた。

しかし⋯

「ちっ!重すぎなんだよ⋯お前は⋯」

「誰も頼んでねぇよ⋯」

間一髪のところで五右衛門が零夜を抱えてなんとか避けた。

「お前もうここで寝ていろ。あとは私たちでなんとかする。」

「なんとかっつったって⋯ここにいるのは全員1級以下だろ?特級には手も足も出ねぇだろ!」

「それでも!少しくらいは抗ってやる!たぶんそれがこの試練の目的だと思うし⋯」


拳心が対抗する姿勢を見せる。


「どういうことだ?」

「暗闇先生とか龍神先生は単に俺らを殺したいわけじゃないと思うんだ⋯こういう自分より格上の存在と相対したときにどんな対応を見せるか⋯それが見たいと思うんだ。だから…」

「もし勝てなかったら見殺しにするつもりだったらどうするんだよ!」


「もしなんかねぇよ!」

「勝てなかったら死ぬだけだ!それは実戦でも同じこと!怪魔は見逃してはくれねぇぞ!」

「その通りだ。私も同感だ。拳心、2人でやるか?」

「そうだな…」

「待てよ…!俺を忘れんじゃねぇよ!2人じゃねぇ!3人だ!」

「わ、私も戦うわ!」

「怪我人は足手まといだ」

「五右衛門言い過ぎwww」

「優莉香は怪魔からの攻撃を防いでくれ。私と拳心で攻撃をする。」

「わかった…」


クソッ!俺は足手まといなのか…何か…何かないのか…


ーオォォォォォー


「さて怪魔さんもやる気のようだぜ?そろそろ覚悟を決めるか!行くぞ五右衛門!」

「最善を尽くそう⋯」


ーサァァァァァー


夜の風が木の葉を揺らし、一瞬の静寂が森に訪れる。

「でぁぁぁぁぁ!」

五右衛門と拳心が同時に怪魔へ走って向かっていく。

それと同時に怪魔が金棒を振り上げ、攻撃体制へと入る。

五右衛門がすばやく怪魔の足元へ入り腱のあたりを何度も斬りつける。


ー神創刀功 第四技 旋風裂刃・乱廻ー


旋風裂迅・乱廻⋯刀に一撃ごとに少量の霊力を乗せ、素早く刀で斬り廻し、連撃で相手をかき回す乱れ技


ーウギャァァァァァァァァァァァァァァ!ー


怪魔の足元の肉がえぐれ、体勢が崩れる。

苦しんでいる?やはり私の斬撃は特級にも効くのか?

そう思った刹那、凄まじい速度で五右衛門が切り刻んだ箇所が修復されていった。


「な、何?!」

怪魔は確かに魔核を破壊するか、体全体を消滅させなければ死なないことは知っている。

だが私の斬撃があんな一瞬で修復されるとは⋯これが特級⋯!


しまった⋯!


ーバゴォォォンー


金棒が五右衛門に直撃し、森の奥まで吹き飛ばされる。

「五右衛門!」

「俺だって⋯」

あいつは今金棒を振り下ろした直後でまだ元の体勢に戻れていない⋯!だから今ここで!


ー拳帝闘神功 第三技 煌昇脚ー


煌昇脚⋯相手に飛びかかり顎を思い切り蹴り上げる技である。


入った!これでせめて意識を刈り取⋯

拳心の煌昇脚は確かに怪魔の顎下へときれいに入った。本来ならばこれで決着はついていただろう⋯

      

      ・・・・・・・・・

相手の等級が特級でさえなければ⋯


ガシッ!怪魔が意識を失うことはなかった。

拳心の胴体を掴み、無慈悲にも地面に叩きつけた。

「拳心!五右衛門!」


ームハァァァァァァァ!ー


怪魔がおたけびをあげる。


そのとき五右衛門が傷だらけになりながら森の奥から走ってきた。頭と体中から流血している。

「よくも吹き飛ばしてくれたな⋯」


同時に地面に叩きつけられた拳心も起き上がる。

「助かったぜ⋯優莉香」

「なんとか間に合ったんだ⋯」

二人が攻撃を受ける前に優莉香が結界を作り上げていたのだ。


「もう一度だ!行くぞ拳心⋯合わせてくれ!」

「あいあいさぁ!」


拳心と五右衛門が怪魔の攻撃を巧みに避けながら少しずつ攻撃をしている。


シャキィィン!ドン!バゴッ!ドゴッ!スパァァン!

バシッ!ブンッ!パン!ゴスッ!ザァンッ!


「俺も⋯俺も加勢できたら⋯!」

反動はかなり収まった⋯ここから赫や蒼を放つか?いや、それだとあの二人を巻き込んじゃう⋯

どうすれば⋯どうすればいいんだ⋯もう一度じいちゃんの技を思い出して⋯



⋯違うだろ⋯!じいちゃんの技を真似するだけじゃいつまで経ってもだめだ⋯

考えろ⋯考えろ⋯待てよ?赫や蒼があるならば黃もあるのか⋯?


ハハハッ⋯楽しい⋯俺の限界を超えさせてくれる大きな壁が今ここに…

俺の拳帝闘神功が全く及ばなかった。だけどそれでいい!ここから俺は強くなる!とはいえこのままじゃ勝てないな…零夜がせめて戦闘復帰できれば⋯


ちっ!私が倒せぬ相手がいるとは…私の鍛錬はまだ甘かったのか…もっと…もっと強くならねば…!

私の力を凌駕する相手…この先も多く出てくるだろう…こんなところでは終われない⋯!足手まといとは言え、撃破のラストピースであるあいつが動かなければ⋯!


その時だった。空がゴロゴロと言い始め、


ピリッ!パチパチッ!


ー蓮華真珠功 黄昏ー


零夜が詠唱すると空から何本もの雷鎚が怪魔に落ちた。

バチバチバチッ!

ーウオオォォォォォォ!ー

ようやく掴んだ三原色。絶対にものにしてやる…!

俺は…祓魔師だ!

怪魔が今までにないほど苦しんでいる。

「これで最後だ!」

ドカァァァァン!

特大の雷鎚が怪魔の頭上に落ち、怪魔は沈黙した⋯⋯


第九話読んでくださりありがとうございました!

いよいよ戦闘シーンが多くなってきましたね。僕も執筆に力が入ります!

ついに、蓮華真珠功・赫・蒼・黄昏を操れるようになった零夜。

対して、自身の無力さを痛感した3人。

この戦いの果てに彼らはいったい何を得るのか⋯


次回 第十話 変化、その果てに 2026/9/25(金)20:00公開

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