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幻魔の滅功  作者: 神代蒼龍
第一章 異界開門編

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第七話 人喰いの森サバイバル(1)

〜祓魔メモ〜

神代零夜

趣味:友達と遊ぶこと、たくさん食べること

等級:3級

武功:蓮華真珠功

特筆事項:祖父母を殺した幻魔への復讐に燃えている。

性格:普段はマヌケでアホなことばかりするが、いざという時には頼りがいがある。優しい心の持ち主であり、仲間や家族を傷つけるやつは絶対に許さない。

容姿:髪は全体的にボサボサで躍動感がある。着流しという江戸時代のような格好をしている。(祓魔塾の制服)

ー翌日ー


零夜と拳心は教室へと向かっていた。


はぁ⋯昨日寮に帰ってから大浴場に入るまでは良かった。でも!拳心いびきうるせぇぇ!あいつのせいで全く眠れんかったわ!

教室に入るとまだ誰もいなかった。どうやら2人が一番乗りだったようだ。誰もいない教室に差し込む朝日に目がくらむ。2人も早く来ないかなー…


その思いが通じたのかすぐに3人目がやってきた。

「おはようございます!」優莉香が元気に挨拶をする。

「あぁ⋯!おはよう⋯」


「どうしたんですか?元気ないように見えますけど」


「昨日ちょっと寝れなくてね⋯」


「なんでー?」


「お前のせいだよ!やってくれたよ!まじでいびきうるせぇよ!」


こいつ悪気のないような口調で喋りやがって⋯

「な、なんのことかな??」

どうやら最後までしらを切るつもりらしい。

「まぁこのいびき魔は放っておくとして、優莉香俺にタメ口でいいぜ?同学年なんだしな。変に堅苦しいの苦手だからさwww」

「俺もータメでいいよん」


その時、五右衛門も教室に到着した。

「というか意外だったのは五右衛門が最後だってことだよな〜」

「私は先程まで鍛錬をしていたのだ。剣術のな」

確かに少し汗ばんでいるように見える。

「ご立派ですね1級様は!さぞかしすばらしい鍛錬をしてるんでしょうに!左衛門くん!」

「左衛門じゃない、五右衛門だ。何度も間違えるな。それで講師の人は?」

「もうまもなく来るんじゃないかな?」

すると教室の扉が開き、眼鏡のどんよりとしたガリガリの若い男性が入ってきた。

目元にはくまが広がっている。

「どうも⋯こんにちは⋯龍神先生に代役を頼まれた暗闇影男です⋯」

いーや暗っ!何この先生⋯この人も強いんかな。

「えー俺は授業じゃなくて実践演習をやるように言われているので⋯まずは外に行きましょうか」

「おわっ!ゴキブリいるじゃん」零夜が外に出ようとして気づく。


グシャッ!拳心が気づかず足で踏み潰してしまった。

「うぇっ!やっちまった!足の裏終わったわ⋯」

そう言って足の裏を見るが何もついてなかった。

「あれ〜、おっかしいな〜…確かに踏んだ気が…」


全員で教室を出ると町まで降りていった。町をそのまま通過し、結界の端にある大きな門の前まで歩いていく。

「祓魔塾講師の暗闇と生徒4人です」

暗闇先生が門のところにいる若者にポケットから小さなバッジのようなものを出して見せる。

「確認しました。どうぞお通りください」

若者が門を開け、俺達を通してくれた。


「あの人も祓魔師なの?」

「ええ…攻撃系、防御系、回復系という分け方を龍神先生から教わりませんでしたか?あの人はその中の防御系の武功を持っているので結界の境界面の守護者を任されているのです…」


すると暗闇先生が結界面の側にいる馬車のようなものを指さす。

「目的地は少し遠いのでここからはあれに乗っていきましょう…」

ん?あれ馬車っぽい作りしてるけどなんか違くね?だちょうみたいな…

そう、走る生き物が馬ではなく鳥だったのだ。


「これは鳥車と呼ばれるものです。車種によって異なりますがこの種のものは最高時速200キロまで出ます…さぁ乗ってください…」

出発してから30分ほど経った頃、暗闇先生が御者に、ここで止めてくださいと言った。


「着きました。みなさん降りてください。ん?みなさん…どうしたのですか?」

「ぎ、ぎもぢわりい…」

車酔いならぬ鳥車酔いをしていたのだ。時速は60キロほどだったが、道が凸凹していたのが原因だった。

「まぁみなさん、とりあえずここからあの丘まで歩きますよ…」

暗闇先生が指した地点はここから1キロほど離れていた。

「まだ歩くのかw」拳心が思わず苦笑する。


ー5分後ー

「先生ーまだー?俺疲れたんだけど」

「もう着きますよ⋯」

ようやく丘の上に到着した。

「先生、なぜ私たちをここにつれてきたのですか」

五右衛門が暗闇先生に質問する。


「それは⋯まずはあそこを見てください⋯今そこに見える森がありますね?あれが『人喰いの森』です。あの森に入った商人、通行人たちの中で生き残ったものがいれば奇跡と言っていいでしょう⋯」


ん?なんでこんな話するんだ?俺たちは実戦演習しにきたんじゃないのか?


「なぜ『人喰い』と呼ばれているか⋯それはあの森全体を覆う邪素に関係があります⋯邪素というのは幻魔が飛ばしている魔の瘴気のようなもので⋯あの森は普通の場所より邪素が多く飛んでいるのです⋯それゆえ祓魔師もめったに立ち入らない場所なのですが⋯」


「ちょ、ちょっと待って。なんでそんなことを話すんですか?俺たちは実戦演習しに来たんじゃないんですか?」拳心は暗闇先生の言っている意味が分からなかった。

「まぁそれは⋯」


ボゴッ!

突如暗闇先生が零夜に手刀を叩き込む。


「くっ⋯」


ドサッ!

全員が一歩引き臨戦態勢になる。

「全く私も⋯ここまで⋯しなくても良いと思うんですけどね〜」


そう言い、零夜同様、拳心、優莉香、五右衛門の背後に回り込み素早く手刀を叩き込んだ。

「くはっ⋯」「あっ⋯」「うっ⋯」




「はっ!ここは?!」

零夜が目を覚ますとあたりは暗くなり、空には満月が昇っていた。

ここは⋯森⋯?なんで俺はこんなところに…?

その時、暗闇先生が言っていた言葉を思い出す。


「あそこに見える森が人喰いの森です」


てことは俺まさか今人喰いの森の中にいるのか?!祓魔師でも滅多に立ち入らない場所なんだろ?

そんなところに俺を放り込むなんて…そうだ!ほかの3人は…?!

3人を探そうと立ち上がったその時、


「グワァァァ!」


左の茂みから何かが飛び出し襲ってきた。間一髪で避ける零夜。


「イギィィ!」


なんだこいつは?!この見た目からするに怪魔か…!くっ…こんなに早く遭遇するなんて…!

ふぅ…落ち着け俺…あの時と同じようにはしたらだめだ。イメージするんだ。じいちゃんの武功を…

イメージ…イメージ…


「ガァァァァ!」


怪魔はそんなのお構いなしに攻撃してくる。


「ちょっと待てよ!今考えてるんだから!」


んな事言ってもやめてくれるわけないよな。

怪魔がこちらに向かって走ってきて思い切り零夜の腹にパンチを入れる。

「カハッ!」

少しだけ飛ばされる零夜。


「3級は下級怪魔と同等の強さ…」


ニコニコ顔の虎徹に言われた言葉を思い出す。

クソッ…クソッ…クソッ…クソッ!こんなところで終わってたまるかー!

飛ばされた零夜を何度も踏みつける怪魔。

指からレーザーのようなものを放ったとき、俺は何をした?

思い出せ⋯思い出せ⋯!


ドスッ!ドスッ!

踏みつけた後怪魔は思い切り零夜を蹴り飛ばした。

「キェェェェイ!」

地面に倒れている零夜に怪魔が飛びかかる。

ここだぁ!


「蓮華真珠功 蒼!」


怪魔に向かって指鉄砲の構えをすると、以前名のなき怪魔を倒したときのように指先から蒼きレーザーが放たれた。そしてそれが怪魔の腹にある紫色の核を貫いた。


ーヒュンッー


紫色の人魂のようなものが出現する。

今回も消えるかと思いきや⋯


パクっ!


零夜の首に巻き付いていた蒼い龍がその人魂を食べたのだ。

「え?お前これ食えんの?」

「食べれるけど?霊命玉から生まれた存在に怪魔の魂を食べさせるって教わらなかったのか?」

うんうんと頷く。

「へー。それより後ろに新しいのがいるぜ?」

「へ?」

後ろを振り返ると口からよだれを垂らした、いかにもお腹が空いているような怪魔が2体いた。


よしもう一回…

その時零夜は先ほどより体が重くなっているのを感じた。何かは分からないけどさっきのはもう使わないほうがいいな…だったら!

零夜は怪魔の方へ走っていく。同時に2体の怪魔も向かってくる。


どうやら怪魔はあの腹にある魔核が弱点らしいな…

まずは一体目!怪魔が零夜に拳を振り下ろす。零夜がそれを軽くいなす。


「?!」


怪魔が一瞬とまどったのを零夜は見逃さず、魔核のど真ん中に強力な一撃を入れた。

「ふぉぉぉぁ!」

魔核にひびが入る。

「らぁ!」

完全に魔核を破壊し、出てきた人魂を龍がまた食べた。


間髪入れず2体目に向かう。2体目は特攻タイプではなく、腕を伸ばして攻撃してくる遠距離タイプだった。

一本の腕が零夜の頬をかすめる。


「なんのこれしき!」

突っ込むが2本目の腕を躱しきれず飛ばされた。

ふぅ…相手の動きをよく見ろ…どこに来るか予測しろ…!

姿勢を低く構え、再び怪魔へと向かっていく。

怪魔はまたも腕を伸ばしてくる。

真っ直ぐ突っ込んで直前で避ければ1本目は避けられる…!


まさに零夜の予測したとおりであった。怪魔は真っ直ぐ突っ込んでくる零夜目掛けて一直線に伸びてくる。

やっぱりだ…!この怪魔は腕を伸び縮みできるけど、真っ直ぐしか伸ばせないうえに伸ばしてから戻すまでに時間がかかる。


2本目の腕が零夜に向かってくるが、相手の弱点を理解した零夜にはもはや意味はなかった。

胴体の魔核に思い切りパンチを入れる。

後ろからは伸ばした2本の腕が戻ってこようとしている。


「間に合えーー!おらぁ!」

2本の腕が零夜にぶつかる寸前まで来ている…!



第7話ようやく書き終わりました。まずは読んでくださりありがとうございます!そして、予約掲載日から何日も過ぎて申し訳ありません。

8月の終わりから色々とバタバタしていました。今後は予約掲載日通りに掲載できるようにしていきます!

次回第八話は2026/9/11(金)20:00公開です!

第7話でようやく蓮華真珠功・蒼をものにした零夜。このあといったい何が起こるのか?!ぜひお楽しみに!

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