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Battle Job Online  作者: 栗山ハル
【1.Battle Job Match】
17/30

16.初戦緒戦

明日から午前0時、午後0時の2回更新になりそうです

 時間が経ち、1分後に転送が始まる時間となった。

「マサ、頑張りましょうね!」

 宿でマリナに元気にそう言われた。

「頼むから会場で俺のことマサって呼ぶなよ…」

 厨二病ライト、と言われるのはまだいい。

 だが、名前をライトに変えた厨二病マサ、と言われるのは絶対に嫌だ。

 なんか、こう…痛さが増す気がする…。

「わかってますよ、ライト」

 マリナはそう言って微笑んだ。

 なんか、マリナ激怒事件の次の日くらいから妙にマリナが笑うようになった気がする。

 まあ気のせいかもしれないが。

「あと30秒くらいか」

 1分って意外と長く感じるな…

 そう思って椅子に座って窓の外を見ているとマリナが口を開いた。

「手、繋ぎます?」

「はい?」

 いきなりどうした、マリナよ。

「だ・か・ら、どうせコンビなんだし転送の時手繋ぎましょうよ!」

 今度は顔を軽く赤くしながらそう言った。

 というか理由になってない気がするけど…。

「ん」

 そう言ってマリナが出してきた手を掴んだちょうどその時だろうか、転送が始まった。

 〈瞬間移動〉の時にも思ったことだが、どうにも自分の体が消えるこの感覚には慣れない。

 しかも〈瞬間移動〉や〈帰還石〉を使う時は一瞬で移動するのに、今回は足元から徐々に消えていくのだ。

 正直怖くて仕方がない。

 そう感じながら20秒くらい待つと転送が終わった。

 周りを見るとさっきまでいた始まりの町とほぼ同じような感じだ。

 マップ名を見ると〈BJM始まりの町No.51〉となっていた。

 どうやら始まりの町は始まりの町でも戦闘用になっていくつもある始まりの町らしい。

「建物の中は…入れないみたいだな」

 近くにあったドアを軽く引いて確かめた後そう言った。

「どう動きましょうか」

 マリナがそう言った数秒後頭の中にLvを告げる音声と同じ機械的な音声が流れた。

『ただ今からバトルジョブマッチ予選を始めます。フィールドナンバー51のこのマップでは298人、計61パーティが参加しています。準々決勝に進めるパーティは10パーティです。残りパーティ数が10をきるか、1時間経過した時点で終了となります。1時間が経過した場合全パーティ失格となります。なお建物内には入れず、HPポーションも使えません。ご健闘をお祈りします。』

 61パーティもあるのか…。

 大変そうだな…。

 そんなことを思いながら空を見上げているとマリナが口を開いた。

「何してるんですか、遠距離職から攻撃喰らったらライトは終わりなんですから早く隠れますよ!」

 そう言えば俺は紙装甲なんだった。

 マリナにそう言われて思い出して、俺とマリナはとりあえず路地裏に逃げ込むことにした。

 路地裏に逃げ込んだ俺はある作戦を一つ思いついていた。

(屋根の上乗れれば攻撃喰らわなそうだよな…)

 考えたら提案よりもまず行動に出てしまう俺。

「天よ、我を我が望むところへ瞬く間に運びたまえ」

「えっ?ちょっと、ライト。何を…」

「〈瞬間移動〉!」

 マリナの手を掴みそう言った。

 次の瞬間には俺とマリナは目の前にあった建物の屋根上に立っていた。

「馬鹿ですか、馬鹿なんですかライトは!?」

 マリナが怒って両手をブンブン振っている。

 もちろん頬も膨らませて。

「いや、屋根の上にいったら誰にも見つからないかな、って。ダメだった?」

 恐る恐るそう聞くとマリナに即答された。

「当たり前です!ライトは自分の職業をばらしたいんですか!?さっき決めたでしょう?ライトは聖属性魔法しか使わない、って。勝ちでも負けでもとりあえず試合が終わった人はモニターでこの戦い見れるんですから、ライトがいろんな魔法スキル使ったらプレイヤー消滅事件の犯人ってばれますよ!?」

 おお、なるほど。

 俺より年下なのに凄いな、マリナは。

 そこまで考えていたとは……いや、俺が考えなすぎかもしれない。

「…善処するよ」

「不思議ですよね。善処するって全然謝ってるように聞こえないんですもん!」

「…マリナ、あれってほかのパーティじゃない?」

「後でこの件に関しては聞かせてもらいます…」

 マリナは頭をかかえながら俺が指差す方向をみた。

「4人みたいですね。職業は魔法職一人、戦士職三人です」

 マリナはそのプレイヤーたちの装備を見てすぐそう答えた。

 …俺だってわかったからね、一応。

「ここからだったら戦士職は全く怖くないね」

「なんかズルい気はしますけどね…」

 勝負にズルいとかないと思う、うん。

「じゃあ先に魔法職を片付けよう。まず俺が〈聖なる弓〉を撃つから倒せなかった場合その後によろしく!」

「わかりました」

 マリナから了承を得た俺は相手に聞こえないように詠唱を始めた。

「光よ、我が敵を討つためにその力の一部を顕現せよ。その姿は弓と矢、鋭い一筋の道筋となり敵を貫け。〈聖なる弓〉」

 油断していたのかはたまた上から攻撃が来ると思っていなかったのかはわからないが、のんきに歩いてた四人組の最後方を歩いていた魔法職の少年一人はポリゴンとなり消え去った。

「あれ、一撃だったか」

「むしろ耐えると思っていたライトに驚きですよ…」

 そう言えば『厨二病』の効果で2倍になってるのに加えて不名誉な称号2つ、さらに〈七死師〉と『厨二病』の組み合わせ、それから〈マジシャン〉のメリットのおかげで大体9.6倍になってるのか。

 役2380の魔法攻撃力…、何かごめんね魔法職の子。

「それじゃあマリナもよろしく!」

 俺がそう言った少し後に相手パーティも異変に気付いたらしい。

 メンバーが一人減ったことで三人ともかなり焦っている。

「〈聖なる弓〉」

 マリナがそう言うと光の矢がパーティの一番前を歩いていた戦士職プレイヤーの左胸を貫いた。

 するとその相手プレイヤーの頭上に〈Critical〉と表示された。

 どうやらBJOにもクリティカルポイントがあるらしい。

 今のは心臓付近だったから、おそらくプレイヤーの場合は人間の弱点と同じところが弱点となっているのだろう。

 クリティカルのおかげか、はたまたLv差なのかはわからないが、〈聖なる弓〉があたったプレイヤーのHPは残り3分の1ほどとなった。

 PvP時には普段見えない相手のHPも見えるから相手の強さを測る基準にもなる。

 まあ、俺の場合は全く関係ないけど。

「光よ、我が敵を討つためにその力の一部を顕現せよ――」

 とりあえず俺はマリナが攻撃を当てている相手とは別の他の二人への攻撃の準備を始めた。

「上だッ!!!」

 相手の中の一人が屋の飛んできた方向から予測して俺たちの位置を割り出した。

 だからと言って戦士職ではこの距離の差は埋められない。

「〈聖なる弓〉!」

 マリナがもう一発同じ相手に攻撃を放った。

 その相手プレイヤーは回避を試みたものの〈聖なる弓〉より早くは動けず、あっけなくポリゴン片となった。

「ダメだ!一回逃げて立て直そう。このままじゃ全滅だ!」

 残った二人のうちどちらかがそう言った。

 だが、もう俺の詠唱は半分終わっている。

 その判断じゃ遅い。

「――その姿は柱、力強く敵の上から降り注げ。〈光落とし(フラッシュフォール)〉」

 俺がそう唱えると同時に相手二人のいる場所に、約半径2mほどの光の光線のようなものが降り注いだ。

 それは光の柱のようで、その柱が消えるころには残りの二人の姿も消えていた。

 〈光落とし〉、空から光を落とす範囲攻撃魔法スキルだ。

 消費MPは800と多めだが、聖属性魔法スキルの攻撃技としては貴重なのでこんなものだろう。

「ちょっと待ってください、ライト」

 何か不満があるのか俺の肩を後ろから掴みマリナが聞いてくる。

「…何かな?マリナ」

 恐る恐る顔を後ろに向けながらマリナにそう尋ねた。

 そこには変にに微笑んでいるマリナがいた。

「私、そのスキル初めて見たんですけど」

 そう言えば説明してなかったかもしれない。

 昨日Lvが上がったときに使えるようになったんだよな、このスキル。

「…次の敵を待とうか」

「その待ってる間に聞かせてもらいます、さっき〈瞬間移動〉を使ったことについても」

 どうやら逃げられそうにない。

 しかもさっきの忘れてなかったんだね…。

 しかたなく俺は次の敵パーティが来るまでマリナの質問に答えていた。

 この時俺はバトルロワイヤル形式の戦いでは普通しない願い事をしていた。

 早く来て、敵パーティ、と。

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