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~忘れられない梅雨~

私は梅雨が大好きです。

しかし、興奮した私は、とても大変なことになってしまうのです。

入学式から二ヶ月が過ぎ、梅雨になりました。

毎日のように雨が降るので、時々神田川の水が増水したりするのを見かけます。


東京の地形は、巨大な手のようです。神田川や目黒川等が山の手台地を削ってできた地形なので、とても坂が多いです。ですので、台地上に住んでいれば家が浸水(しんすい)することは無いのですが、神田川等の近くでは、水害がよく起こります。


そして梅雨は、髪の毛がまとまらなかったり、洗濯物が乾かない等の理由で、世のお母様方にはあまり好まれないようです。


しかし私は雨の日が大好きです。

雨の日は、丈夫(じょうぶ)な赤い雨傘(あまがさ)をさして、お気に入りの赤いゴム長靴(ながぐつ)を履いて、いつもと違ったおしゃれができるのです。長靴は、最近ではレインブーツと呼ばれ、おしゃれアイテムにもなっています。


今朝も、雨が降っています。昨日の夜から降り続けていたので、道路もかなり()れています。私は、夏服の白いセーラー服に初等科の赤色のタイを付けて、白い校帽をかぶり、赤い傘をさし、赤いゴム長靴を履きました。そして高尾の運転でお兄様と一緒に学園へ向かいました。

学園の正門で車を降り、途中までお兄様と手をつないで歩きました。時々水溜まりにジャンプしてみたりしました。お兄様、お転婆な妹でごめんなさい。


そして、授業が始まりました。今日はとても時間があっという間に感じました。

そうして、放課後になりました。私は、高尾が学校に迎えに来るまでの間、校庭を散策(さんさく)することにしました。帝鸞学園の校庭はとても広く、築山(つきやま)や池などもありました。私は、水辺を長靴で歩きました。池はとても大きく、(コイ)などもいるのですが、池の底は泥が溜まっていて底無し沼状態だということを、私はこの後 知るのです。


雨が小雨になってきたので、私は傘を閉じて その傘で池の中をかき回したりしました。楽しくて夢中になり、池の上に掛かる細い木の橋の上まで行き、もっと池の中を見ようと、橋の欄干(らんかん)から身を乗り出した時、「ズルッ」と私の足が滑りました。そしてそのまま 頭から池に「ボッチャーン」と落ちてしまいました。

水がとても冷たくてびっくりしてしまい、何とか岸へ向かおうと必死にもがきました。しかし、底無し沼状態の池なのと、制服を着ているのもあり、思うようには泳げないのです。私は、手に持っていた傘を池の底に突き立て、何とか持ちこたえました。でも、ずっとこのまま池の中にいると寒いので体力を消耗(しょうもう)してしまい、(おぼ)れてしまうことは私でもわかりました。驚いた時に池の水を飲んでしまったようで、今の状態では泣くこともできません。

池に落ちてしまってからおよそ30分くらい()ちました。冷たい池でずぶ濡れになり、全身泥まみれになり、何とか顔が水面から沈まないようにもがき続けたので、体力をほとんど消耗してしまい、水面から顔を出すことも出来なくなりました。(息が苦しい…このまま死んじゃうのかな……)と思ったその時、異変に気づいた体育の馬場先生が木の(ぼう)を持って池に入り、手足が泥に埋まってしまい、身動きの取れない私を助けてくれました。


岸に上がった私は、口から水を吐き出し、あまりの苦しさに大泣きしました。お顔や髪の毛は泥で真っ黒、白かったセーラー服も、泥だらけになってしまいました。もちろん傘や長靴の中も泥だらけでした。

私は、泣きながら、

「あ~あ、こんなに汚したゃったら 今日は絶対(ぜったい)にお母様にしかられる……」と覚悟(かくご)しました。

そしてその日は体育が無い日なので、体操着は家で洗濯中、着替えるものが無かったので「ガーン( ̄▽ ̄;)」、そのまま高尾のお迎えで習い事に行きました。一応、高尾が事情を説明してくれて、無理はしないようにと言われました。

その日の習い事は、水泳だったのですが、あんな怖い思いをしたので、あまり泳げませんでした。

しかも、帝鸞学園の子が全身泥まみれなのを見て、周囲の大人たちは、ザワザワしていました。帰るときも、泥だらけの制服を着て、クスクスと笑われながら帰りました。

お母様、みっともない娘でごめんなさいm(__)m


そして、家に帰りました。遂にお母様にこんな哀れな姿を見せることになってしまいました。

「お母様、ごめんなさい。許してください」と言いました。

するとお母様は、「妃袈(ひめか)さん。怪我(けが)は無かった?」「早くお風呂に入りなさい」と言いました。


意外と怒られなくて良かったです(^-^;


しかし、お母様があまり怒らなかった理由は、これか明らかになるのです。…

お母様、本当にごめんなさいm(__)m

泥まみれになってしまったのは本当に悲しかったです。お転婆な娘ですいません。


作者より、

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次回もお楽しみ下さい。

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