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【名前のない基礎】
【名前のない基礎】
お客さん、良いところに来た。
実は凄い魔剣を仕入れたんだ。
飛び切りさ。
ほら、これだよ。
この魔剣、なんと自分の才能を組み替えるのさ。
――よくわからない?
足が遅くなる代わりに力が強くなるとか、そういう話さ。
どうだい、これは便利だろ?
勿論、元に戻すのだってお手の物さ。
――神様に怒られるんじゃないかって?
そんなことないよ。
ほら、よく言うじゃないか。
才能の配分は偶然だ、てね。
偶然の結果が動いても、神様は気にしないさ。
そう言って笑う商人に、しかし客は笑っていた。
――でも、生きるだけなら特別は要らないんじゃないか?
その言葉に、商人は売り文句を続ける事ができなかった。
要するに、今は良い世の中という話である。
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持ち主の才能を切り分ける、と伝わる魔剣。
傷がある魂は、自傷を避ける。
しかし、傷がない魂は自傷を求める。
この魔剣、魅力的にも危険にも映るそうだ。
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