【赤い鱗で研がれる刃】
【赤い鱗で研がれる刃】
若者は、とある魔剣を求めて港町にやってきていた。
この魔剣は中々に製法が珍しい。
なんと、魚の鱗で研いで作ると聞いている。
ただまあ。
面倒くさい製法ではあるが、その分よく切れるらしい。
そんな魔剣が、その港町にはあるのだと噂がある。
そうして若者は、竿を持って老年の釣り人の隣に座った。
まあ、世間話がしたかっただけだ。
相手もそれに応じてくれる。
若者が話をしていると、老人は色々な話を聞けた。
この赤い海には、とにかく魚が多いこと。
大きい魚も居れば、小さい魚もいること。
よく見る形の魚も居て。
変な形をしている魚も居るそうだ。
――なるほど、故郷の青い海とは違うらしい。
若者は気合を入れて釣竿を握り直した。
そんな横顔を見ながら、老人笑ってこう言った。
――まあ、この海も昔は青かったんだが。
老人は、若者の隣で釣竿を垂らしている。
釣った魚を譲ってくれとは、言われなかった。
そして、今更の話だが。
老人にだって、若い時はあった。
その時、何かを求めていたような気もする。
まあ、食いつくのは魚ばかりではないという話である。
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幾つかの鉱石を組み合わせ、魚の鱗で研ぐことで作られる魔剣。
非常によく切れるらしいのだが、
出回ることは少ないと言う。
異端とは、いつだって青い海で産まれる。
しかし魔剣は、赤くなってから語られるものだ。
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