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魔剣蒐集録Ⅱ  作者: 健康な人
4章:崩壊と再生の寓話
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【愛の器】

【愛の器】


 まだ人と神の距離が近かった時代。

 一柱の女神と、青い髪の青年が恋に落ちた。

 しかし、女神は自らが神である事を隠していた。

 彼女は対等な恋がしたかったのだ。

 そんな、この時代にはよくある話。


 そんな女神は、一人の青年と愛が実った。

 青年は、彼女が女神だから愛したのではない。

 彼女が彼女だから、愛したのだ。

 これは、たったそれだけの話。


 その婚姻の話に、神殿は大いに盛り上がった。

 ――神と人の婚姻などいつ以来だろうか!

 ――捧げものは何が良いだろう!? 最高を用意しなければ!

 はにかむ女神と青年は、皆に祝福されて結婚した。

 そして子を成した。

 幸せの絶頂だった。

 これは、とてもめでたい話であった。


 そして女神と青年の成した子は、すくすくと成長した。

 青年と女神は喜び可愛がったが、幸せは長く続かない。

 女神が、体調を崩す事が多くなったのだ。


 やがて二人の娘が女神の若い姿と瓜二つになると、

 女神は静かに息を引き取った。

 悲嘆にくれる青年を、神殿の人々は不思議そうに首を傾げた。 

 ――女神は一人しかいないのだから、当然なのでは?



 ~~~~~~~~~~~~~~~


 愛を注ぐ事ができる、と伝わる盃。

 しかし製作者は、愛を注いではならないとも言ったらしい。

 誰が何を一番愛しているのか、

 見えてしまうからなのだと言っていたそうだ。


 ~~~~~~~~~~~~~~~



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