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魔剣蒐集録Ⅱ  作者: 健康な人
4章:崩壊と再生の寓話
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【鋼の学び】

【鋼の学び】


 ある日、学者は魔剣を眺めなら色々なことを考えていた。

 色々である。

 これと言ったことを考えていたわけではない。

 ただまあ、この魔剣は色々と考えさせれるのだ。

 考えさせられるから、考えていた。


 そんな学者は、魔剣を持って昼ご飯を食べていた。

 昼ご飯を食べながらでも、やはり色々と考えてしまう。

 例えば、ご飯の量だとか。

 値段であるとか。

 あるいは、味だったりとか。


 まあ色々考えながら、しかし学者は適当に昼を頼んだ。

 そんな学者を見ていた若者は、笑いながらこう聞いた。

 ――あんた、考えてばっかりで疲れないのかい?


 その言葉に、学者は笑ってこう返した。

 ――疲れる。


 どうやら、疲れているらしい。

 随分と正直な学者だと思いながら、若者は笑った。

 学者は若者に笑われながら、短く言葉を続けた。


 ――この魔剣、解けてしまえば箱になる。これぐらいで良いんだよ。


 楽しいことは、疲れるのだ。

 別に同意は要らないが、学者はそう考えていた。


 そして。

 とりあえず、今日の飯は美味かった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~


 とある学者が愛用したとされる、箱の形をした魔剣。

 知性を収めているとも、

 尽きない疑問を閉じ込めたとも伝わっている。

 しかし、学者はそんなつもりは無かったらしい。

 彼は、ただ単に「便利な箱だ」と思っていた。


 ~~~~~~~~~~~~~~~


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