【鋼の学び】
【鋼の学び】
ある日、学者は魔剣を眺めなら色々なことを考えていた。
色々である。
これと言ったことを考えていたわけではない。
ただまあ、この魔剣は色々と考えさせれるのだ。
考えさせられるから、考えていた。
そんな学者は、魔剣を持って昼ご飯を食べていた。
昼ご飯を食べながらでも、やはり色々と考えてしまう。
例えば、ご飯の量だとか。
値段であるとか。
あるいは、味だったりとか。
まあ色々考えながら、しかし学者は適当に昼を頼んだ。
そんな学者を見ていた若者は、笑いながらこう聞いた。
――あんた、考えてばっかりで疲れないのかい?
その言葉に、学者は笑ってこう返した。
――疲れる。
どうやら、疲れているらしい。
随分と正直な学者だと思いながら、若者は笑った。
学者は若者に笑われながら、短く言葉を続けた。
――この魔剣、解けてしまえば箱になる。これぐらいで良いんだよ。
楽しいことは、疲れるのだ。
別に同意は要らないが、学者はそう考えていた。
そして。
とりあえず、今日の飯は美味かった。
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とある学者が愛用したとされる、箱の形をした魔剣。
知性を収めているとも、
尽きない疑問を閉じ込めたとも伝わっている。
しかし、学者はそんなつもりは無かったらしい。
彼は、ただ単に「便利な箱だ」と思っていた。
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