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【幸福の果て】
【幸福の果て】
ある日、商人は頭を抱えていた。
最近、魔剣の売れ行きが好調なのだ。
……いや、それはよい。
いや。調子が良いと言うのが、よくないのだが。
――商人さん、魔剣を売ってるかい?
ほらまた、客が入った。
前は話しかけないと気にもされなかったのに、
今では黙っていても向こうから聞いてくる。
笑顔で声に応えると、最近お決まりになった言葉が聞こえる。
――【幸福の果て】って名前の魔剣を売ってないかな?
勿論、売っている。
商人は、魔剣を取り出して客に見せた。
――おお、これがそうなのか!
そうして、商人は魔剣の効果を説明する。
その効果を求めていたんだと頷く客に、商人は警句を付け加える。
――幸福とは、孤独である。
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あらゆるものを消耗品のように扱う事ができる。
売れるし、誰かから買えるようにもなる。
皆がこの魔剣を持っていれば、きっと凄まじく便利なのだろう。
要するに、きっと幸福になれるのだろう。
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