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【傲慢なる讃美歌】
【傲慢なる讃美歌】
とある場所で、一つの論争があった。
片方の言い分は、こうだ。
――魔剣は便利である。だからこそ、きちんと管理するべきなのだ。
もう片方の言い分は、こうだ。
――魔剣を使えば、人は堕落する。魂は美しくあるべきなのだ。
それぞれの言い分には、それぞれの味方が付いている。
やいのやいのと言葉を変えて言い合って、
既に、かれこれ3日らしい。
お互いにかなり白熱しているらしく、言葉も短く激しくなっていく。
――正しく使えば進歩できる!
――使った時点で堕落する!
それを眺めていた商人は、呆れながらこう思った。
――どっちも同じだろ、と。
魔剣を使っているのは、人間で。
堕落するのも、また人間だ。
とりあえずどっちが勝っても商売には関係が無さそうだな、と。
そんなことを考えながら、商人はその場を後にした。
結論には、あまり興味が持てなかった。
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人の知恵を集めるとも、人の堕落を加速させるとも伝わる魔剣。
どちらの伝承が正しいのかは分からないが、
商人はこの魔剣に「使い過ぎはよくない」とだけ警句を添えている。
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